現有車両の紹介
高松琴平電気鉄道@エムサ菌総合研究所
『動く電車博物館』と言われたことでん車両群も、ここ数年で近代化・冷房化が急速に進み、
2007年7月31日をもって非冷房の旧型車が定期運用から引退しました。 2011年12月1日現在、通常の旅客営業に就く車両が6形式80両あり、他に動態保存車として 4形式4両、事業用車として2形式2両、合わせて86両が在籍しています。 このページでは、現在在籍している車両についてご紹介致します。
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京浜急行電鉄1000形集中冷房車を譲り受けた車両で、2007年7月に完全冷房化・長尾線車両
大型化の仕上げとして2両編成2本が導入され、2011年8月にも2両編成2本が追加された結果、
2両編成4本・計8両が長尾線に在籍しています。 ことでんでは久々の空気バネ台車装備車であるとともに、制御・ブレーキ関係に在来車に 合わせた改造がされていないなど、これまでの車両とは一線を画すものとなっています。
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京浜急行電鉄700形を譲り受けた車両で、2003年にことでん初の4扉車として琴平線に登場
しました。 琴平線用として増備が重ねられた後、2006年には長尾線初の大型車としても導入され、2006年 12月までに琴平線に2両編成8本・計16両、長尾線に2両編成3本・計6両、合計22両が導入され ました。 2011年2月に琴平線の1本が長尾線に異動し、琴平線7本、長尾線4本の陣営となって います。 ことでんの主力として活躍しています。
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京王電鉄5000系を譲り受け、1997年に琴平線用として2両編成4本・計8両が登場した車両です。 京王とはレール間隔が異なるため、1080形と同じ台車に振り替えられています。 この形式には従来のピンクとクリームのツートンカラーの車体塗装が採用されず、瓦町駅駅ビルの テナント「コトデンそごう」に合わせた白地にダークグレー・グリーンの帯をまとっていましたが、 2005年から2006年にかけて当形式でも「琴平線新塗色」化されました。 |
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京浜急行電鉄1000形分散冷房車を譲り受けた冷房完備・琴平線大型車初の3扉車で、1988年から
1991年にかけて2両編成6本・計12両が登場しました。 導入にあたり、種車の装備する電機品の都合で、奇数車は先頭車化改造されて入線しました。 1300形の導入・増備や経年により2011年11月に1本・2両が廃車されましたが、それでも琴平線の 「第2の勢力」として活躍しています。 |
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ことでん初の冷房車として1984年に京浜急行電鉄600形を譲り受けて登場した車両です。 譲受時に前面の貫通化と車内のロングシート化を実施していますが、車体側面は窓が大きい 京急時代の面影をそのまま残しています。 2両編成3本・計6両が導入され、冷房車として活躍を続けましたが、2005年夏の車両置き換えに よって琴平線の営業車としては最古参となり、老朽化も進んだことから2011年に2両編成1本・ 2両が廃車となった結果、2両編成2本・計4両が在籍するに留まっています。 もっぱら平日朝の ラッシュ時のみの運用や増結車として走るばかりとなり、活躍の機会は減ってしまいました。 |
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2007.9.4 高田
600形・700形
長尾線・志度線初となる冷房車として、1998年に登場した車両です。 名古屋市交通局東山線・名城線の「黄電」グループを譲り受け、中間車両の先頭車化・集電 方式の変更・冷房化・内装の全面的な変更など大規模な工事を受けて、琴平線1100形と同様 の「コトデンそごう」カラーで登場しました。 両形式で先頭部の形状が異なり、600形は左右非対称の切妻、700形は左右対称の折妻となって います。 また種車の形式により屋根形状にも違いが見られるほか、改造時期によってクーラー も異なるなど、バリエーションは豊富です。 また2006年には長尾線所属の600形4両が電装解除され800番台の車号に改められ、志度線の 増結車として新たな活躍を始めているほか、2011年には長尾線の2本・4両が琴平線に異動し、 これによってことでん全線で活躍するようになりました。 各形式・路線合わせて28両が在籍し、やや地味ながらもことでん車両中最大勢力となっています。 特に志度線では当系列に車両が統一されています。
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形式別写真「600形800番台車」ページ
(2008.1.21 新規公開、全1ページ・画像10枚)
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2004.10.17 瓦町
1000形
琴平線の前身・琴平電鉄が開業に備えて汽車会社に発注した車両で、1926年に5両製造
されました。 事故と冷房車の導入で2両ずつが廃車となりましたが、最後まで残った120号車1両が動態保存車 として在籍しています。
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2004.10.18 高松築港
3000形
1000形とともに、琴平電鉄が5両導入したオリジナル車です。 基本的な寸法や諸元は1000形と同じですが、メーカーが日本車輌製造とされ、車体の窓周りや 一部機器に細かな違いが見られます。 冷房車の導入により345号車が、長尾線車両大型化によって315・325・335号車が廃車されました。 トップナンバーでもある300号車は、側面長短の楕円形戸袋窓と車体各部のリベットが2003 年10月に復元され、動態保存車として在籍しています。
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房前公園の335 ページへ
(2008.3.20 公開、全1ページ・画像6枚)
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2002.12.17 瓦町
5000形
琴平電鉄が発注、加藤車両が1928年に3両製造した制御車です。 1953年に電動車化されましたが、1000形・3000形と異なり本格的な更新工事を受けておらず、 車体は比較的原形をとどめています。 冷房車の導入により2両が廃車されましたが、500号車1両が動態保存車として在籍しています。
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2004.10.18 今橋
20形
1925年に大阪鉄道デロ20形として新造され、近畿日本鉄道モ5621形を経て、1962年に
ことでん入りした車両です。 外観は更新工事によりすっきりしたものになっていますが、車内は木造のままでレトロな 雰囲気を残しています。 特に23号車の車内はニス塗りで、扉の両側には彫刻が施された柱が 残っているなど、今ではあまり見られなくなった装飾は一見の価値があったものです。 21〜24の4両が志度線に集結してラッシュ時の増結車として活躍していましたが、2006 年に600形800番台車が登場したのに伴い、21・22・24の3両が廃車されました。 23号車は動態保存車として琴平線に異動しています。
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これは営業車ではなく、仏生山工場内で車両を入れ換える際に使用される動力車です。 木造の無蓋貨車に運転室と電装がある、なかなか怪しげな車両です。 |
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仏生山駅側線群の高松築港方終端近くに留置されている無蓋貨車で、車号は1310です。
戦後の混乱期に国鉄より無蓋車2両を譲り受けたうちの1両で、当初この車両にHL形主幹制御器と
SME式ブレーキ弁を搭載させ、制御車として使用する目的があったそうです。 外板は錆び、長期間放置されていることが窺えますが、車籍は現在も生きているそうです。 |
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2013.8.21 エムサ菌