高松琴平電気鉄道@エムサ菌総合研究所
形式別写真・ 1300形

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 長尾線車両大型化と全線完全冷房化の総仕上げとして、京浜急行電鉄1000形を譲受して2007年 7月に登場し車両です。

 種車の形式は1080形と同じですが、1300形の種車は1971年以降に製造された車両とされており、 当初から集中式冷房装置を搭載している、主電動機出力が90kwに増強されている、空気バネ台車 を採用している、車種が最初から4種類あり偶数両であれば改造なしに組換えが可能・・・ など の変更点があり、種車はそれ以前に非冷房で製造され後に分散式冷房装置を改造で装備した車両と 区分する意味も含めて『集中冷房車』と呼ばれる事もあります。
 京急では4両・6両・8両で編成を組み、都営地下鉄浅草線・京成線・北総線に乗り入れる 特急・快特や本線普通運用にと広く活躍していましたが、性能上120km/h運転に対応できないこと から新1000形への置き換えが進み、2010年6月に全車が引退しました。

 ことでん入りにあたっての改造は京急ファインテック久里浜事業所で行なわれ、目立つところ では偶数号車助手席側仕切り背後に車椅子スペースの設置、側面種別表示窓の埋め込み、無線と ATSのことでん仕様のものへの換装、連結器の変更などが行なわれました。 しかし主幹制御器・ ブレーキ弁・ブレーキ装置類の変更が行われていないのが大きな特徴で、他形式との協調運転は 考えていないようです。 なお、同形式ながら編成構成が異なるため、1080形のような先頭車化 改造も行われていません。

 2011年8月、京急で最後に廃車となったグループの中から先頭車ばかり4両を譲り受け、 2両編成2本として追加導入を行ないました。 その結果2両編成4本・計8両が在籍するに至り、 すべて長尾線に所属し、同線の車両大型化をさらに進めました。

1300形 編成・車号対照表  (2011年12月現在)
車号(下段カッコ内は旧車号)
(←長尾)
竣工記事
1301
(1313)
1302
(1316)
2007.7.長尾線所属 『伊藤園』ラッピング車
1303
(1291)
1304
(1298)
2007.7.長尾線所属
1305
(1305)
1306
(1308)
2011.8.長尾線所属
1307
(1243)
1308
(1250)
2011.8.長尾線所属

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ご案内
 資料としてはとても完全なものではありませんが、鉄道模型製作等の参考としても、 どうぞご活用ください。

 車両の側面写真の向きは、
    長尾行き行き列車を基準として 進行方向右側面/左側面
とします。

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2007.8.12 水田−西前田

 長尾線標準塗装の1304+1303です。 現車はこの後一時期香川県軽自動車協会のラッピング車に なっていましたが、検査入場中の2011年2月にラッピングが解かれ、塗装も元に戻りました。
 1200形以前の各形式に共通していた『高松寄り妻面下部のジャンパ栓受け』が1300形には 見られず、制御回路が共通化されていないことがわかります。 連結器は京急時代の電気連結器 付き密着連結器から在来車と同じ密着自動連結器に換装されていますが、これは工場内での 入れ換えや非常時の取り扱いを考えてのことのでしょう。

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2007.8.12 瓦町

 1301+1302の編成は、伊藤園『お〜い、お茶』のラッピング車となっています。 600形 605+606の編成からデザインを変えつつ引き継ぎ、さらにこの後の2011年6月にもラッピング のデザインが変更されているそうです。
 ちなみに地色は『伊藤園グリーン』と称するもので、色記号はB35-70Vです ( 2007年8月に主要駅に掲出されていた「いるかボックス」の回答による。)

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2007.9.3 片原町

 奇数車右側の床下機器です。 参考文献の写真を見たところ、機器配置は種車となった M1車山側とは変化がないようです。

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2007.9.3 片原町

 偶数車右側の床下機器です。 やはり、M2車山側とは変化がないようです。

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2007.8.12 瓦町

 奇数車左側の床下機器です。 やはり、M1車海側とは変化がないようです。

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2007.8.12 瓦町

 偶数車左側の床下機器です。 M2車海側とはほとんど変化がないようですが、電動空気圧縮機 (画像右側台車の左にある) は種車が装備していたAR-2系ではなく C-2000Mのようにも見えます。
 結局、床下機器はほとんど京急時代のまま手付かずでことでん入りしたのかもしれません。

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2007.8.12 瓦町

 1300形の台車です。 京急時代とは変わらないもので、形式はTH-1000T、ことでんでは久々と なる空気バネ式台車です。 画像は1301の後寄りが履いているもの。

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2007.8.12 1303車内

 車内の様子です。
 座席のモケットが緑系のものに張り替えられ、吊革も三角形のものになっています。 床材も 新しいものに張り替えられているようですが、それ以外は京急時代と大きく変わっていないようです。

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2010.8.19 1302車内

 1302の運転台です。 ATSや時刻表挿しはことでん仕様のものに変えられていますが、 マスターコントローラーとブレーキ弁は京急当時のままです。
 OSR (過速度検知装置、設定値は60km/h) の表示灯は左側の黒い 表示盤内に取り込まれており、作動時は『過速』の文字が入った赤色灯が点灯します。

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2010.8.19 池戸−農学部前

 2008年12月から2011年2月までの間、1303+1304の編成は香川県軽自動車協会のラッピング車に なっていました。

 香川県軽自動車協会のラッピングは志度線の700形・721+722に続いて2代目で、今回のデザイン はご覧のとおり自動車のキャラクター的なイラストと、軽自動車とは何の脈絡もないパンダと犬の 巨大写真というもので、初代の『全身ピンクに人間の巨大写真』と同様かなり恥ずかしいものに 仕上がっています。
 ことでんサイドとしてはラッピングによる広告収入は見逃せないのかもしれませんが、広告主 やデザインについて少しは選ぶべきではないかと思いました。 ライバルの軽自動車の広告を 背負っている姿は、情けなく見えたものでした。

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2005.3.4 千葉ニュータウン中央

 京急時代の1300形の同形車です。 (画像は『鉄道写真いろいろ』コンテンツ内『雪の京急1000形』ページより転載。)  

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2011.12.17 エムサ菌