高松琴平電気鉄道@エムサ菌総合研究所
形式別写真・ 1070形

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 1984年から1987年にかけて、ことでん初の冷房車として京浜急行電鉄600形を譲り受けて 登場した車両です。

 京急600形は、1956年から1958年にかけて40両が製造された京急初の高性能車で、軽量構造の 車体は片側2か所の片開き扉と大きな窓を配し、車内にはクロスシートを配置し、主に花形列車 である快速特急運用に就いていました。 全車が冷房改造されたものの、後継車2000形の登場に より1986年までに順次廃車されました。
 ことでんにはそのうち6両が譲渡され、1070形として第2の人生を歩むことになりました。  その際、非貫通2枚窓・ヘッドライトを1灯配した『湘南スタイル』とも称される前面が 貫通扉つき3枚窓・ヘッドライトはおでこの左右に2灯と大幅に作り変えられ、また車内は ことでんでは標準となっている『長い』ロングシートに改装されました。

 冷房車としてことでんでも大いに活躍しましたが、2005年に非冷房車が琴平線から引退して 以降、2扉でかつ車齢が最も高いことから運用に就く機会が激減し、平日朝のラッシュ時を中心と した運用に就いています。

1070形 編成・車号対照表  (2011年12月現在)
車号(下段カッコ内は旧車号)
(←琴電琴平)
竣工記事
1071
(605)
1072
(608)
1984.12.23琴平線所属
1073
(613)
1074
(616)
1986.12.4琴平線所属
1075
(609)
1076
(612)
1987.4.12011.11. 廃車 (最終配置:琴平線)

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ご案内
 資料としてはとても完全なものではありませんが、鉄道模型製作等の参考としても、 どうぞご活用ください。

 車両の側面写真の向きは、
   琴電琴平行き列車を基準として 進行方向右側面/左側面
とします。

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2010.8.20 高松築港−片原町

 1075+1076+1081+1082による4両編成・仏生山行きです。
 この時は1070形が2編成別々に運用されていました。 列車ごとの扉数の平準化でしょうか?

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2007.9.3 三条−太田

 この日の1070形は、高松築港方から1074+1073+1072+1071の4両編成を組んで仏生山− 高松築港間を往復する運用に就いていました。
 1070形は2扉であることから乗り降りの利便性が劣るところではありますが、オールロング シート化されたとはいえ座席定員が多いのは見逃せない長所でもあります。

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2007.9.4 栗林公園

 1070形のみの4両編成が3214列車に就き栗林公園駅に停車中のシーンです。 高松市中心部の 外縁にあって繁華街にも近いこの駅で、上り電車から降りる人もいます。
 貫通扉は時期によって付け替えがされているのか、この時点で1073・1074のそれは窓ガラスが Hゴム支持のものになっていました。

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2004.10.17 仏生山

 琴平線新塗装化された1075+1076が、車庫と工場の間を駆け抜けて仏生山駅に入線する シーンです。
 この頃はまだ琴平線にも非冷房車が残っていて、機会は減ったとはいえ1070形は冷房車として 終日活躍する姿が見られました。

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2004.10.18 仏生山

 奇数号車右側の床下機器です。

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2004.10.18 仏生山

 偶数号車右側の床下機器です。

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2007.2.3 仏生山工場

 奇数号車左側の床下機器です。

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2007.2.3 仏生山工場

 偶数号車左側の床下機器です。

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2010.8.19 仏生山

 1073 (左) と1074の連結部分です。
 妻面は曲面で側面に接する部分のRが大きいこと、縦樋が露出していないことがわかります。  また幌座の厚さも異なるようです。

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2007.9.4 1073車内

 車内の様子です。 首都圏の民鉄では珍しい部類に入るクロスシートは、ことでん入りに際して 「長い」ロングシートとなりました。
 で、画像左側を見ると・・・


2007.9.4 1073車内

 側扉に貼られた戸袋への引き込みに注意を促すステッカーですが、京急時代のものと思われる 品が残されていました。

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2007.9.4 1073車内

 運転室との仕切りです。
 京急600形には乗ったことがないのでわかりませんが、京急時代と同じつくりなのでしょうか?

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2007.9.4 1073車内

 運転台です。
 計器盤の左にある表示灯ですが、その下に「80km/h 速度保安」と書かれていることから OSR (過速度検知装置) の表示灯ではないかと思われます。

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2004.10.18 仏生山

 仏生山駅の側線で休む、旧塗装時代の1073+1074です。
 ことでん入りに際して貫通化された前面デザインは1053形・1060形の影響を受けているよう です。 原形を留めていないものの、テールライトは種車のものを再利用しています。

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2002.12.19 片原町

 雨の片原町駅で。 列車は1071+1072の高松築港行きです。
 高松築港‐栗林公園間のことでん線路敷を高架化する連続立体交差化事業が完工した暁には、 この駅も大きく姿を変えて高架駅になる・・・ はずでしたが、ことでんの経営破綻と香川県の 財政悪化の影響で高架化が片原町までと短縮され、その後連続立体交差化事業そのものが中止と なったため、片原町駅はこの姿を当面残すことになりました。

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2005.6.26 栗林公園

 1070形は、イベント用車両を除いてことでん最後の方向板使用車となりました。
 終始琴平線にある当形式は、通常緑色地の方向板が収納されていますが、この時の1074 には長尾線用の茶色地の『回送』板が備わっていることを駅員さんから聞き、それを踏まえて 撮ってみました (本来琴平線の回送・試運転板は白地赤文字) 。  奥にちらりと茶色い板が見えるのがわかります。
 ちなみに方向板の上部にある黒い2つの点は、差し替えの際の便宜を図るためにリベットのように 金属が埋め込まれているようです。

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2013.8.21 エムサ菌