高松琴平電気鉄道@エムサ菌総合研究所
房前公園の335

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 志度線では最後のオリジナル車となっていた3000形335は、2006年7月に600形800番台車の登場 に伴う車両置き換えの際に廃車となりました。
 この車両は2003年に房前駅で脱線事故を起こしたこともあってか、末期は予備車となり走る 機会に恵まれなかったようです。 2006年5月の『レトロ電車 最後の勇走』イベントでも走り ませんでしたが、廃車後に高松市に譲渡され、国道11号線沿いに整備された『道の駅 源平 の里むれ』に隣接した『高松市立房前公園』にて静態保存されることになりました。

 2007年5月の訪問時は公園が完成していなかったため、遠目に鉄骨屋根の下の335を眺めただけ でしたが、8月に公開が始まった後の9月、会いに行ってきました。

 このページの画像は全て2007年9月3日に高松市立房前公園で撮影したものですので、個別の 記載は省略させて頂きます。

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 保存場所となっている房前公園は、塩屋−房前間のことでん一急なカーブの内側・台地上に あり、どちらの駅からも徒歩10分程度で到達できます。 この時点では全体としてまだ完成して いない様子で、かなり殺風景な印象が否めませんでしたが、時が経つにつれて落ち着いてくる のでしょう。

 335は62と同様の鉄骨屋根の下に保存されています。 搬出前に再塗装された車体は遠目に 見てもまだまだ美しく、嬉しいものです。

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 左の写真が瓦町方、右の写真が琴電志度方です。 装着されている行先板が車両の向きとは 逆なのがご愛嬌です。 しかも前後で連結器と胴受けの形状が異なっていることに、 ページを作成していて初めて気がつきました。
 ナンバープレートをはじめ、車体の標記類が本来の白色ではなく灰色になっているのにも注目。

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 もちろん車内にも入れます。 中吊り広告は業務用のものがそのまま残されており、現役当時 の写真も額に入れて飾られています。
 床材のヒビ割れが認められますが、これは現役当時からのものだったのでしょうか。
 さぬきこどもの国の62とは違って窓は閉まったままで、開けることはできません。

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 運転台にも入ることができます。
 運転席には背もたれが無く、奥行きも小さいので、乗務員さんたちはさぞ苦労されたこと でしょう。

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 運転台の機器です。 車体妻面にRが付いており、それに合わせて機器類が取り付けられて いることから、正しく着席すると機器の配置が斜めになってしまいます。

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 末期はあまり走る機会がなかった335でしたが、廃車時期が幸いしてか生き長らえることができた ようです。
 ただ、保存場所が海のすぐ傍ということで潮風による車体の腐食が心配されますし、こどもの国 と違って近寄りやすいため、破壊や備品類の盗難なども懸念されます。
 日常の管理体制や、道の駅との関連がどうなっているのかもわかりませんが、今後とも注目 していきたいものです。

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2008.3.20 エムサ菌