最後のトレモロ

アリアのシンソニードで最後のトレモロを演奏してみました。

最後のトレモロ(mp3)

長らくクラシックギターから遠ざかっていた。仕事が忙しく練習する時間がないからだ。エレキギターなら気楽なので続けられたが、クラシックギターとなるとそういうわけにはいかない。

TVで「荘村清志のギターで世界の名曲を」が始まった..。いっちょやったるかと思い、時間が無くても少しずつやればよいとがんばってみました。

遠ざかっていた間にクラシックギターの世界にも変化があったようです。私が弾いていたのは20年以上前です。バリオスを知ったのはそのころTVで「ギターを弾こう」という番組があり、荘村清志さんが講師でした。ミニミニコンサートで弾いてくれたのが「郷愁のショーロ」という曲でした。気に入ったのでバリオスの曲集を買いました。当時バリオスを弾く人は少なかったのです。大御所アンドレス・セゴビアは彼の曲を弾かなかったからです。ところがジョン・ウィリアムズが積極的にバリオスの曲を紹介し、今やプロにとってバリオスの曲は重要なレパートリーのひとつとなっているようです。

最後のトレモロはバリオスの晩年の作品で、マイナーから途中でメジャーに変わるちょっと不思議な感じの曲です。曲の本当のタイトルは、El Ultimo Tremolo (Una Limosnita por el Amor de Dios)
「神の慈悲に免じてお恵みを」なのだそうで、物乞いのおばあさんがドアをノックする音にインスピレーションを得たものと言われています。

私はこう解釈しています。伴奏はノックする音、メロディーのトレモロは物乞いのおばあさんの声です。

病に臥せりうつろな状態のバリオスさんのところへいつもの物乞いのおばあさんが来てドアをノックしながら「決まり文句」を喋っています。ノックの音にはいろんな心情がこめられています。訴えるようであったり、不在?なのかなと疑念であったり。またその声は控えめでありながらだんだん悲痛な叫びのようにもなってきます。バリオスさんはちゃんと応対し何か(お金かな?)恵んであげたのでしょう。おばあさんはお礼を言い、安心したのでしょう、曲調はメジャーに変わります。

自分の死期を悟っていたバリオスさんはおばあさんを見送りながら、貧しい人たちとともに生きてきた人生を振り返っているのでした...。

コンサートホール


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