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歩行補助車には走行ブレーキと駐車ブレーキがついています.走行ブレーキを持たない機種もありますが,駐車ブレーキは必ず付属しています.ブレーキレバーの位置による操作のしにくさはシルバーカーで発生します.歩行車にはここで述べるような操作のしにくさはありません.
まず,駐車ブレーキについてですが,駐車ブレーキレバーは座面の横にある(2-2-1の写真参照)のが一般的です.駐車ブレーキレバーを操作するためには,シルバーカーの横に回り,かがみ込んで操作します.立ち止まった位置で,姿勢を変えることなく駐車ブレーキを操作できるよう工夫した機種もありますが,まだ多くありません.
駐車ブレーキレバーが横についていることで困ることは,横に回り込み駐車ブレーキを操作するまでの間シルバーカーにはブレーキが作用していないことです.坂道に停車することは好ましくないのですが,何かの都合で止まらなくてはならないこともあり得ます.そのようなときは,片手で押し手をつかみ位置を固定しながら横に回り込み,かがみ込んで駐車レバーを操作することになります.
もう一つの操作のしにくさは走行ブレーキレバーの位置と人の手関節の構造が原因となります.
具体的な内容に触れる前に,次のような動作を行ってみてください.
手掌(手のひら)を下に向け,肘から先を水平にします(手掌部も水平にします).そして,
(1) 握り拳を作り,強く握りしめます.
手関節が手背(手の甲)側に曲がっていることと思います.
(2) 手関節を下側に曲げてから,握り拳を作り,強く握りしめます.
握ること自体行いにくく,力も入れにくかったと思います.
手関節の角度による握りのしやすさ,しにくさは手関節の構造的なものです.このことがシルバーカーの走行ブレーキの操作性に影響しています.下の2枚の写真を見比べてみてください.ブレーキレバーの位置と動く方向(赤の矢印)の違いを示しています.
押し手の前にブレーキレバーがあれば操作しやすく,下にあると操作しにくくなります.
下の図は歩行車のブレーキ操作を示します.自転車のブレーキ操作と同じ形です.この形ですと手関節の構造が原因となる操作のしにくさは発生しません.
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