2-2-6 強度
歩行補助車にはほとんど座らないという人には強度はあまり問題となりませんが,座る頻度が高い人には強度は大きな問題です.
歩行車は強度のある材料を使い,構造も強度を持たせるような作りとなっています.
歩行車以外では強度はまちまちです.標準型のシルバーカーで製品安全規格に合格していることを示すSGマークの付いている機種は一定程度の強度を有しています.このマークが付いていない製品の強度は保証されていません.
製品安全規格では座面の耐荷重を150 kgとしています.150 kgという値は非常に大きい値のように見えますが,これはできるだけ静かに荷重をかけたときの話で,どしんと座りますと,体重の2~3倍程度の荷重が簡単に作用してしまいます.座ったら座面が割れたとか,車軸が曲がったとかのトラブルを起こしたという話があります.
耐荷重150 kgという荷重は1 回しか保証されていません.2 回目で壊れてもSGマークが付けられます.また,100 kgの荷重を100回とか1000回とかを保証するものでもありません.
歩行補助車に座る頻度の高い人は,立ち上がりのことを考えるほかに,強度や耐久性も考慮に入れる必要があります.