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前のページでDACS AFOの機能上の特徴に触れましたが,もう一つの大きな特徴が開発経緯にあります.DACS AFO以前の短下肢装具は経験を積み上げることで各種の工夫がなされてきました.それに対し,DACS AFOの開発では,下のような順に開発がなされました.
健常者の歩行分析 片麻痺者の裸足歩行の分析 片麻痺者の各種装具歩行の分析 各種装具の特性分析 |
→ | 片麻痺者用装具像 (仮説) |
→ | 開発 | → | 片麻痺者による DACS AFOを装着した 歩行による実証 |
最初に行いました各種の分析から,短下肢装具が膝関節の動きに影響を与えることを解明しました.そして,片麻痺者の歩行を補助する短下肢装具の機能を仮説としてまとめ,実際にそのような装具を作ることで仮説の妥当性を実証するという手順で開発を行いました.筆者もこの開発に参加しておりましたので,「行った」という表現を使いました.装具によって発症前と同じ歩行を取り戻すことは現在の技術では困難です.この開発は最初から試みませんでした.片麻痺者の多くが膝関節に無用な負担をかけて安定性を確保し歩行していますが,これを解消した歩行を実現するための短下肢装具をDACS AFOという形で実現しました.
以下では,片麻痺者の歩行の特徴や,歩行中に短下肢装具はどのような役割を果たすのかについて述べます.それをご理解いただけますと,なぜDACS AFOを装着すると安定した歩行が実現できるのか納得いただけると思います.
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