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5-5 安定性と転倒 ~安定性からみた選ぶポイント~

電動三輪車と四輪車の安定領域を比較する図

 左の図の色塗りの部分は,上から見た電動三・四輪車の安定領域を示しています.重心がこの範囲内にあれば転倒しません.
 重心が安定領域からはずれるまでの移動量をd,d'で示しています.後輪の幅が同じですと,dが大きく,四輪型の方が安定性が高いことを示しています.
 実際の製品をみますと,標準的なサイズの三輪型では後輪幅を広くし,安定性を高める対策をとっています.


遠心力が作用する様子を示す図

 左の図は後ろから見たときの重心の高さを示します.車体の重心は比較的低い位置にあります.人の重心は座席に座る関係からかなり高い位置になります.
 両方を合わせた重心位置は,車体の方が重ければ,両者の中央より低くなり,軽ければ高くなります.
 カーブを走行するときは,青の矢印で示しました遠心力が作用します.


 遠心力は速度が速ければ速いほど大きくなります.また,重心位置が高ければ高いほどその影響は大きくなります.
 影響が一定レベルを超えますと上の図の右側のようにカーブ内側の車輪が浮き始めます.車輪が浮きますと重心位置が高くなり,更に影響を大きく受けるようになり,車体はますます傾きます.左右方向の重心位置は,赤の矢印で示しましたように,車体が傾くにつれ右側に移動し,最後には安定領域からはずれ,転倒に至ります.
 カーブの路面が,右側の図の点線のように傾斜を持っているか,あるいは高くなっている部分に乗り上げたりしますと,始めから車体が傾いた状態になり,遠心力の影響を受けやすくなります.

 以上から,安定性を高めるためには次のような対策が効果的であるといえます.

○ 機種選択時の検討事項

  1. 後輪の幅ができるだけ大きい車種を選ぶ.
  2. 同じ後輪幅であれば,三輪型より,四輪型を選ぶ.
  3. できるだけ車体重量のある機種を選ぶ.
  4. カーブで自動的に減速する機能を有する機種を選ぶことも検討する.

○ 運転法による対策

  1. カーブ手前で減速し,低速で走行する.
  2. カーブ走行中は,上体をカーブ内側に倒す.あるいはいつでも重心移動ができるよう構えている.
  3. 事前にカーブでの安定性を確認しておく.
      特に小型の車種の場合,どの程度の速度と曲がり方ならば安全なのかを確認しておくことが大切です.機種によりましては,必ず車輪が浮くものもあります.

 以上の条件で機種を選びますと,いわゆる重厚長大な機種となります.また,小回りがしにくい機種ともなります.
 安定性と小回りは両立しません.どちらを優先して選ぶかは,身体状況,使用環境を考慮して決めます.


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