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最近でこそベッドにいすの生活習慣の家庭が増えてきましたが,それでも畳の部屋が全くない家庭はまだ少ないと思います.
下肢の筋力が低下しますと,畳から立ち上がることが負担になります.いすから立ち上がるときの負担とは比べようもありません.そのため,自力での立ち居振る舞いが不安定になってきましたら,それまでの畳に布団の生活から,いすとベッドの生活へ変更することを勧められます.ベッドの生活は,本人および介助者の負担を軽減します.また,本人と介助者の安全を確保することにも繋がります.
生活習慣や環境を変更することは,高齢者にとって悪影響を及ぼすとの指摘があります.そのため,筋力が低下したからといって,安易にベッドへ変更してはいけないという主張があります.ここで再び「しかし」ですが,私はできるだけ本人納得の上で,ベッドといすの生活へ変更することをお勧めします.
現在いろいろな福祉機器が入手できるようなりました.しかしながら,その多くは国外に発しています.福祉機器は生活に密着したものですから,国外に発する福祉機器はいすとベッドによる生活を送るのに便利なように工夫され,発展してきています.畳と布団という和風の生活から発した福祉機器はまだ多くありません.国外の発想による機器を和風の生活環境に合うように,まだ十分にはこなしきれていない面があります.
福祉機器は負担の軽減だけでなく,先に述べました安全性の確保にも有効です.また,有効に利用すれば結果として生活の質の低下を防ぎます.しかしながら,現状の福祉機器は万能ではありません.福祉機器を有効に利用するためには,それらが発達してきた環境も一緒に取り込む必要があります.
この現実を考慮し,あえて言いますと,多少無理(被介助者本人の慣れの問題の他に,物理的なスペースの確保の問題もあります)があってもベッドといすの生活をお勧めするわけです.現在では介護保険を利用できますので,ベッドといすの生活を短期間試すことができます.
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