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6-2-3 自力での移乗 ~つかまり立ちができなくなった場合~

 自力で立ち上がれなくなった場合,従来は,介助者が体を支えながら座位から立たせ,体の向きを変えたのち車いすに座らせるという方法が主流でした.この方法ですと,立ち上がるときと座るときの介助者の負担が大きくなります.また,このときの姿勢は安定性が低く,転倒などの危険性があります.
 スライディングボードを使用しますと,両手である程度体を支えることができれば,自力でベッドから車いすへ,あるいはその逆が可能です.
 下にスライディングボードと,ベッド,車いすの配置を示します.

車いすとスライディングボード,ベッドの手すりの位置関係と滑る軌跡の説明写真

 ベッドの高さを調節し,車いすの座面より高くします.そして,赤の円で示しますベッドの手すりと車いすの肘掛けを左右の手でつかみ体の安定を確保し,進行方向に上体を傾け,ボード上を黄色の線のように滑って移乗します.終点付近では上体を真っ直ぐに戻しつつ,車いすの背もたれの方へ滑る方向を変化させ,車いすに深く座るようにします.このとき,足で体を後ろへ押す力を発生させる必要があります.この力は立位を維持する力に比べれば小さくとも効果があります.
 車いすからベッドへ移乗する場合は,奥へ移動する動きは必要ありません.奥へ移動する動きは,正しい座位姿勢を確保するために必要となります.
 写真の車いすは後輪が小さい介助用ですが,大きい自走・介助兼用の車いすでもボードによる移乗は可能です.多少邪魔にはなりますが,移乗ができない障害とはなりません.


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