トップ | 福祉機器とは | 選び方・使い方 | 資料 | コラム | 庭の四季 | 道路の四季 | リンク |
車いすで左右均等にこがないと曲がると前のページで述べましたが,このことは,曲がるためには左右不均衡にこげばよいことを意味しています.
左の図は,車いすを上から見たところです
後輪の外側に引いてある2本の矢印は駆動する力の大きさを示しています.右手で発生する力であるF2を長く引いてありますのは,こちらの力が大きいことを意味しています.
曲線AとBは車いすの進む方向を示しています.力F1とF2の差の大きさにより曲がるときの回転半径r1,r2が異なります.差が大きくなるに従い回転半径が小さくなります.
ある程度惰性がついて車いすが直進しているときは,こぐ力を調節するのではなく,一方にブレーキをかけて曲がります.ブレーキは回転しているハンドリムを軽くつかみ,皮膚との摩擦で調節します.
左右の車輪の回転を不均衡にすることで走行中に曲がる方法を説明しましたが,左の図は,静止,あるいは非常に低速の時に行う方向転換の方法を示します.
左の図では,赤い矢印を右側にしか引いてありません.ハンドリムにつけてある赤い円はそのあたりをつかむことを意味しています.つまり,左側はハンドリムをつかんだまま動かさずにいます.そして,右側の車輪だけを回転させます.
あるいは非常に低速で直進している時,一方のハンドリムをつかみ片方だけブレーキをかけます.
このようにしますと,黄色の円で示します,左側の車輪が地面と接している点を中心として回転します.
最後に最も狭いスペースで回転する方法を示します.この方法で回転するときはまず静止します.
ハンドリムにつけてある赤い円のあたりをつかみます.右側ではハンドリムを後ろの方でつかみ,左側では前の方でつかむことを示しています.
そして,矢印はハンドリムを回す方向を示しています.右側では前にこぎ,左側では後ろにこぎます.
このようにしますと,黄色の円で示しました,左右方向の中央を中心として回転します.
2番目と3番目の回転は車いす独特の回転で,その場回転ともいいます.このような方向転換が可能なため,回転半径が小さくなり,屋内の狭いスペースでも使用可能となっています.
<<前のページへ | 手動車いす | 次のページへ>> |