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左の図は,車輪が段差にぶつかっている状態を示します.車輪に前へ進む力Fが働きますと車輪は段差を乗り越えますが,段の高さが車輪の半径に近づくにつれ大きな力を必要とします.
半径より高い段差は押すだけでは乗り越えられません.また,車いすの前輪は首を振りますので,段差による抵抗が大きくなったり,段差に斜めに当たりますと横を向いてしまいます.
低い段差でも,まともに乗り越えようとしますと,大きな衝撃が発生します.前輪が横を向いてしまいますと前へ進めませんのでまさに衝突となり,乗っている人が投げ出されかねません.
そのため,段差の箇所では,前輪を持ち上げ,狭い段差ならば段の先に,奥行があるならば段の上に前輪を下ろします.
後輪は比較的大きいので,通常移動する範囲にある段差は乗り越えられますが,勢いをつけて乗り越えますと,揺れや衝撃が大きいので,乗っている人の負担は大きくなります.
後輪が段差にあたる位置で一度止まり,後輪を持ち上げるようにしてゆっくりと乗り越えます.
もう一つの方法は,段差の箇所で後ろ向きになり,後輪から乗り越えます.向きを変えるための手間が増えますが,段にぶつかったときの衝撃を減らすことができます.
段差を乗り越えるためには,車輪の大きさが大きいほど有利ですが,前輪の首を振るスペースを確保することが難しくなります.現在の前輪径は経験的に決まってきた大きさといえます.
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