2-3-1 前輪の持ち上げ方 ~段差乗り越えのテクニックです~
直進して乗り越えられる段差や障害物の高さは,車輪の半径の半分程度です.これ以上高いと乗り越えが難しくなります.段差が高くなりますと,ぶつかったときの衝撃が大きくなります.このような場所では前輪を持ち上げ,段差の上にのるか,障害物を乗り越えてから,後輪も持ち上げて乗り越えます.
押し手を持ち上げれば後輪は簡単に浮きますが,前輪を持ち上げるためには工夫が必要です.
下の図は前輪の持ち上げ方を示します.後輪が接地している点と,押し手を結ぶ線(青い線)に直角の方向に力(赤い矢印)を作用させますと前輪が持ち上がります.ただし,力の方向はほぼ水平ですので,単に力を作用させただけではシルバーカーが後ろへ進むだけで,前輪は持ち上がりません.そのため,後ろへ進まないために,図に示しましたように,後輪につま先を当てるか,ブレーキを掛けます.足の裏を当ててブレーキにしてもよいのですが,安定性が低下しますので,事前に確認してください.
前輪が持ち上がりましたら,シルバーカーの重心(黄色の円)が後輪の真上に来るようにします.重心が真上に来ますとバランスが取れます.この状態を維持しながら前へ進みます.