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歩行に何らかの不安があるため,歩行補助車の使用を検討されるわけですが,歩行能力を検査して,あなたの場合これが適当ですと決める方法はまだありません.そのため以下では歩行補助車を選ぶときのおおよその目安を述べます.
標準型のシルバーカー,4輪型のショッピングカーは歩くこと自体に問題のある人は使用できません.近所を歩き回るには不自由はないが,荷物を持って歩くのがつらいとか,買い物や散歩の途中で一休みしたいという人が使用します.あるいは,普段は杖で歩いているが,荷物を運ぶときだけ使うなどの使い方をします.これらを使いますと,片手で引く二輪のショッピングカーに比べ歩くときの体のバランスが保ちやすくなります.
路面の凹凸により油断していると体のバランスを崩す,あるいは常にではないにしても,手で体重の一部を支えたり,バランスの維持を行うために何かにつかまる必要のある人は歩行車を選ぶことになります.
歩行補助機能が高いのは歩行車です.
シルバーカーは体の前へ手を伸ばし,ほぼ肩幅の間隔で押し手をつかみます.このような支え方では左右方向の安定性は向上しません.これに対し,歩行車では体の左右少し前で体を支えます.腕を左右に少し開いた位置で支えていますので,左右方向のバランスが保てます.
歩いているときにバランスを崩し,歩行補助車に大きな力が作用した場合,シルバーカーでは危険なことがあります.
下の図は押し手の位置と車輪の位置の関係を示します.シルバーカーでは後輪の真上あたりに押し手の位置があります.図では後輪の車軸の少し後ろにあります.そのため,下向の力が大きくなりますと前輪が浮いて転倒する危険があります.SGマークが付いている機種では,10kgまでしか保証していません.点線の矢印ように少し後ろ向きに力が作用しますとさらに危険性は増します.
歩行車では後輪のかなり前に押し手がありますので,下向きの力で転倒することはありません.また,構造的にもがっしりしていますので,安心して体重を掛けられます.
後輪の位置と押し手の位置が安定性に影響しますので,押し手にどの程度依存して歩行するかで選ぶ機種が決まります.
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