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2-2-2 押し手の高さ

 押す高さが合わないと,前屈みになり姿勢が悪くなったり,体を支える力が出しにくくなったりします.
 腕をまっすぐに下ろした位置から,肘を45゜程度に軽く曲げたときにつかめる高さが最適な高さとなります.肘を軽く曲げるのは,左右に曲がったりするときに肘を曲げ伸ばししやすくするためです.この高さを基準にして,適当に加減してください.
 背が高い人の場合,押し手の高さが不足する場合があります.シルバーカーなどの歩行補助車は押し手の高さを調節できるのが普通ですが,身長の高い人には対応できない機種もあります.シルバーカーでは,押し手を高くすると,斜め後方に延びる機種が多くあります.この方向に伸びますと,押し手の位置が後輪に近くなり,後転する危険性が高くなります.そのため,斜め後方に高くなる機種では,高さ調節の範囲に限界があります.
 小型の歩行補助車の場合は,小さく作られている関係から高さが不足する人の割合が増えます.

 歩行車では体を支える割合が高くなる関係から,肘が伸びたり,逆に大きく曲げた高さは好ましくありません.従って,押し手の適切な高さは比較的狭い範囲に限定されます.

 腰が曲がった人が標準型シルバーカー,あるいは4輪型ショッピングカーを押す場合,押し手の高さは単純には決まりません.極端な場合,押し手の高さは肩の高さとなります.このような姿勢で使用しますと,押し手に作用する下向きの力が大きくなります.押し手の位置によりましては後転の危険性が増しますので注意が必要です.


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