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10-7 DACS AFOの仕様

 前のページで述べましたような設計目標を満たす一つの形としてDACS AFOを開発しました.

DACS AFOを前から見た写真   力源ユニットの写真

 左側の写真はDACS AFOを前から見た外観です.右側は力源ユニットと内部に組み込むばねを示します.10゜底屈したとき,5~20 Nmの範囲で調節可能とすることが設計目標でしたが,調節するためのメカニズムを考えつきませんでしたので,強さの異なるばねを交換して組み込むことで対応しました.ばねは写真のように4種類用意しました.写真のばねは色分けしていますが,市販品は一番右側のばねのように焼きを入れた鋼の色のままです.

 初期屈曲角度の調節は力源ユニットの長さを変更することで実現しています.長さの調節はねじで行うようにしましたので,0~10゜の範囲で無段階で設定できるようになっています.

 底背屈時の抵抗ですが,下の左側の図で,中立位から塗りつぶしの肢位になるとき,つまり底屈するとき作用します.下腿部を前側へ屈曲(背屈)させたときは抵抗は作用しません.抵抗の大きさを右側のグラフで示します.このグラフでは,抵抗を背屈補助モーメントとして表現しています.

抵抗の作用する範囲を示す図   特性図

 グラフの右側は抵抗がないため基準線に一致するはずでしたが,足継手の摩擦抵抗が作用してゼロにはなりませんでした.また,上のグラフでは最大値の20 Nm/10゜を実現しておりません.
 ばねAは20 Nm/10゜が設計値なのですが,その値に達しているのは13゜まで底屈したときです.ばねBの設計値15 Nmに達するのも同様です.この理由は装具のプラスチックが変形したためです.装具を変形させないように底屈させれば目標値程度になるはずです,
 とはいえ,DACS AFOには背屈補助モーメントの値が一定値にならない設計上の要因があります.力源ユニットに組み込んだばねの反発力と,足関節の回転中心から力源ユニットまでの距離との積が背屈補助モーメントになります.従いまして,同じばねを使用しましても,力源ユニットを取り付ける位置により背屈補助モーメントが異なります.足部側の取り付け位置は製作用の治具により一定値に保つようにしました,上側の取り付け位置は,装着者の下肢の形状により異なります.ここの位置は出来合いとしてあります.そのため,力源ユニットまでの距離が人により異なり,背屈補助モーメントはわずかですが増減します.また,同じDACS AFOでも,初期屈曲角度を付けますと,距離が変化し,背屈補助モーメントはわずかですが増えます.

 足継手の可動域は,底屈側10゜,背屈側30゜としました.上の図では背屈側が2~3゜不足していますが,その理由は不明です.歩くだけであれば30゜まで背屈する必要はありませんが,しゃがみ込み動作にある程度対応するため30゜としました.ある程度と表現しましたのは,しゃがみ込みには30゜では不足するからです.力源ユニットをコンパクト化するために,不足することはわかっていましたが30゜としました.


(お知らせ)

 歩行分析の結果,DACS AFOの構造,及び動作原理,片麻痺者による歩行の状況などをまとめビデオを作成しました.制作からだいぶ時間がたっていますが,DACS AFOの力源ユニットの販売元である(株)啓愛義肢材料販売所で入手可能です.興味のある方はご覧下さい.


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