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モジュラー型車いすは各種の調節箇所を有していますが,製品により調節可能箇所が変わります.ここでは,モジュラー型車いすで最も調節箇所の多いレベルにある製品を紹介し,調節箇所の例を挙げます.
この車いすで行う調節は,身長に合わせる寸法の調節,身体状況を考慮した座位姿勢の調節の他に,車いすの走行特性の調節も行える点に特徴があります.
まず,車いすの外観を示します.
調節可能箇所は次の箇所です.なお,座幅,座面の前後長の調節はできません.ベースとなるフレームの寸法違いがありますので,その中から選びます.
左図の円部の拡大 右の黄色2列の溝は角度調節用のめねじ. 左の緑の溝は固定用のねじ. |
(1)背もたれの角度調節 背もたれの付け根の部分を示します.ここで,背もたれの角度の調節を行います.めねじの穴(黄色で塗って示す部分)が8つ用意されています.このどれかにねじを差し込むかで背もたれの角度が決まります. 調節用のねじ穴は左右両側に開いていますので,2カ所で調節します. |
Aの楕円で囲っていますのは,後輪の車軸の位置を調節するための穴で,5個用意されています.写真では中央の穴に固定されています.
楕円Bで示しますのは,後輪の車軸を固定するプレートの上下位置を調節するための穴です.C,C’で示す部分がプレートの固定具です.軸高さを変更できることの意味は,車高(座面高)を変えられることと,車輪の径が変わることへの対応のためです.
左の写真は前輪のキャスタを示します.
写真ではわかりませんが,円Bで示しているのは押しボタンで,内外側両側についています.手で挟みボタンを押しますとロックがはずれキャスタ輪の軸位置が上下します.楕円Aで示していますのは,キャスタ輪を固定している部品が上下するための溝です.
キャスタ輪が上下することで,車いすのフレームの角度が変化します.これにより座面の角度を調節できます.
ここにはもう一つ調節機構があります.
楕円Cの左端の白い部品はキャスタ輪の軸です.この軸位置が楕円の中に3カ所用意されています.キャスタ輪の軸位置と,取り付け軸位置(直線E)との距離Dでキャスタ輪の走行特性が変化します.直進線を優先するか,回旋性を優先するかの選択ができます.
例に示しました車いすは,上記の他に座面と背もたれにも調節機能を有しています.このページの写真が増えましたので,次ページで説明します.
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