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ヒールループといいますのは,下の写真に示しますように,フットレストに取り付けるベルトのことで,足部の落下防止に使用します.
標準型の車いすでは,下の右側の写真のにありますようなベルトが足部の落下防止のために付属しています.この形式のベルトは車いすからの立ち上がりにじゃまとなります.
車いすから立ち上がるときは,下の左側の図のように上半身を少し前傾姿勢にし,足を引きつけます.このときに,ベルトが矢印のあたりで足にあたりじゃまになります.また,座るときにはベルトにより座面に近づけず,浅くしか座ることができません.そのため,このベルトをはずす人がいます.ベルトも簡単にはずせるように面テープで固定されている機種もあります.
しかしながら,ベルトを取り去ることはかなり危険です.このベルトはフットレストから足部が落ちないようにガードしています.多少は自力で歩ける筋力があるため,ベルトがなくとも落ちないようにできると考えてのことですが,走行時の振動などで落下する危険があります.
足がはずれ,足部が地面に接触しますと,足首が無理な方向に伸ばされたりします.この時,足部で急ブレーキを掛けたことになりますので,足関節の負傷の他に,転倒の危険もあります.
身体状況がよいときは,立ち上がるときに座っている位置を前にずらしていき,自力で対応することができます.しかし,自力での立ち上がりが困難になりましたら,フットレストごと交換になりますが,ヒールループを検討してみてください.後からオプションとして交換することが可能な機種もあります.
なお,蛇足ながら付け加えますと,上の写真で示しましたレッグレストのベルトがはずれやすい理由は,取り去ることの便を考えたものではありません.立ち座り動作を行うときにはずし,邪魔にならないようにするためです.立ち座りが済みましたらすぐに元に戻します.
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