トップ | 福祉機器とは | 選び方・使い方 | 資料 | コラム | 庭の四季 | 道路の四季 | リンク |
杖の長さを調節する機構は大きく分けると2種類ありますが,それぞれにバリエーションがあります.
上の図は最も一般的な調節機構を持つ製品を示します.1で示す部品は内側にねじを切った筒状の部品でこれもロックの役割を果たしています.まずこれをゆるめ,次いで2で示すロックピンを押します.ロックピンは中心側からばねで外側に押されています.ロックピンを押しながら3で示した部分で長さを調節します.
上の図は左に握りがあります.杖の下側の支柱が,上側の支柱の内部に出入りすることで長さの調節を行います.上の図の黄色の円はロックピンを通す穴を示し,等間隔にあいています.適当な長さの位置でロックピンの頭が出るようにします.穴の位置が決まっていますので,杖の長さの微調節はできません
製品によりましては,1のリングロックがなく,ロックピンだけのものもあります.
2のロックピンは直径が5㎜程度あり比較的目立ちますが,これを目立たなくして,厚さ1~2㎜,長さ10㎜程度の板状のロックピンを使用している製品もあります.目立たなくて良いのですが,薄いためにロックの解除が難しくなっています.
ロックピンは鋼製で,支柱はアルミ合金が多く採用されています.杖をつくたびに両者がぶつかり合い力が作用します.この力でアルミ合金が摩耗し,ロックピンを通す穴が大きくなり,ガタが発生します.ガタが大きくなりますと,杖をつくたびに音が発生します.
また,長さの調節機能を実現することで,強度的な低下もあります.更に,余分な部品や材料を持つことになりますので,一本棒の杖に比べると重くもなります.これらの得失を理解した上で杖を選ぶ必要があります.
ロックピン方式の他に,摩擦を利用する方式があります.支柱の下側の部品をねじると摩擦材が上側の支柱の内部でふくらみ固定されます.固定力が不足していますと,杖をついたときに長さが短くなり危険なことがあります.しっかりと固定されているか確認してから使うなど注意が必要です.
この方式は無段階調節ですので,微調節が可能です.
福祉機器では長さの調節を必要とする機器が多数あります.それらの多くで上の写真の方式が採用されています.
<<前のページへ | 杖 | 次のページへ>> |