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左の写真はリクライニング機構を有していることと,頭を支えるために背もたれが高くなっている点が標準型とは構造的に異なります.JISの分類では自操用特殊形になります.このタイプの車いすは,座位をとっていると起立性の貧血を起こす人を対象にしています.
構造的には標準型と大差なく見えますが,操作方法は大きく異なります.通常の電動車いすはジョイスティックを前後左右に倒して走行しますが,この種の電動車いすを必要とする人はジョイスティックをつかむことができません.
この写真の例はでは,青の矢印で示す部分があごを乗せる台になっており,ジョイスティックをあごで操作します.あごを引いている間だけ車いすは走行します.方向もあごで操作します.ただし,前後の進行方向の設定は事前に頭で行います.
緑の矢印で示しますのは,頭で操作している機能の状態を示す表示部です.赤の円で囲んでいる部分は頭での操作部です.このページの2枚目にあごを乗せる台と表示部の写真を,3枚目に頭の操作部の写真を掲載します.
黄色の円で囲った部分があごを乗せる台です.赤の楕円で囲った部分は表示部です.これらの装置は車いすの後部から左脇を通り胸の前まで伸びているパイプに固定されています.車いすに乗り降りするときは邪魔になりますので,電動で左の外側にどきます.操作部を自分の前にセットするか,どかすかは頭の操作で本人ができます.
左の写真は頭の操作部を示します.枕の右上にグリーンの円形の物体が写っていますが,これはレンズの掃除をするブロアブラシのゴムの球体です.通常は枕の袋の中に収納されていますが,撮影のために外へ出してあります.
頭でこのゴムの球をつぶしますと空気が外へ排出されます.この空気をチューブで空気圧センサの所まで導き電気回路のスイッチを入れます.表示器には行いたい動作のメニューが並んでいます.メニューの内容は,この写真の例では,表示器を前にセットする,脇へどける,リクライニングする,起きあがる,前進,後退の選択の6項目あります.
電動車いすは電気的信号で意図的な一組のON-OFF信号を検出できれば操作することができます.ただし,メニューをスキャンする方式で行いたい操作を選びますので移動には時間を要します.信号の検出は,ここの例では頭の動きでゴム球をつぶす方法を採用していますが,連続して行っても疲れない動作で検出できれば何でもかまいません.実験的には,唇や舌でセンサにさわる方法も試みられています.何を信号源とできるかは人により異なりますので,リハスタッフと協議しながら選択することになります.
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