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3-3 介助用電動車いす

 介助用電動車いす車いすと言いますのは,介助者がモータの操作を行う形式をいいます.車いすの介助では,坂道の上りが大きな負担となります.この負担を軽減することを目的として開発されました.
 JISでは介助用も標準型と簡易型の2形式が規定されています.そして,メーカーも専用のフレームで電動化した製品と,他社のフレームに組み込める電動ユニット単体でも製品を用意しています.ただ,組み上がった車いすを見ますと自操用のようにはっきりとした差はありません.そのため,本ホームページでは介助用に関しましては,標準型と簡易型の区別は特に述べません.

介助用電動車いす車いす例1の写真  左に介助用電動車いすの一番目の例を示します.前のページの簡易型電動車いすと同様に,後輪の車軸の部分にモータと減速機が組み込まれています.電池は背もたれの後ろに収納しています.この電池の取り扱いに不便さがありました.現在では改良されているかもしれませんが,写真を撮影した2003年当時は,背もたれの後ろに袋を縫いつけ,その中に収納していました.ここまではよいのですが,充電が必要になったとき,電源の結線をはずし,袋から取り出して充電する必要がありました.この作業が意外と面倒でした.
 この写真では後輪に大きい径の車輪を採用していますが,小径の車輪も用意されています.


例1の操作部の写真  左の写真は,例1の操作部を示します.この製品の特徴はここにあります.赤の円で囲った部分,介助用ハンドルの付け根部分に操作用のスイッチが組み込まれています.坂道などで押す力が強くなりますとスイッチが入ります.また,下り坂で引く力が増えますとスイッチが入ります.例2のように介助者がスイッチ操作をしなくともすみます.なお,下りの場合は電動のアシストではなく,ブレーキが作用します.


介助用電動車いす車いす例2の写真  左の製品は前のページに掲載しているものと同じものです.この電動車いすは自操にも介助用にもなります.標準は自操ですが,オプションで介助者用の操作系が用意されています.
 この車いすを選ぶ際には前のページの注意書きを必ずお読み下さい.


例2の操作部の写真  左に例2の製品の操作部を示します.電源スイッチを入れた後,黄色のスイッチを押し続けますと前進します.赤のスイッチは後進用です.


介助用電動車いす車いす例3の写真  この製品は後輪に小径の車輪を採用しています.大径の車輪は用意されていません.また,介助用専用でもあります.例2と同一のメーカーですので,要望に応じていろいろなタイプが選べます.
 この製品を実際に操作したことはあるのですが,電磁ブレーキが付いていたかどうかは失念してしまいました.メーカーの製品案内を見ましてもはっきりしません.もしかしたら付いていないのかもしません.このメーカーでは,ここに写真を掲載しませんが,後輪が小径の介助用電動車いすをもう1種類もっています.そちらには電磁ブレーキが付いていますので,後輪を小径にしたい場合はそちらを選んだ方が無難かもしれません.


例3の操作部の写真  この製品は介助者はハンドルではなく介助用のバーをつかむことになります.このバーの付け根の赤い円で囲った部分に操作スイッチが組み込まれています.


 介助用電動車いすは比較的新しい概念の機器ですが,種類は豊富になっています.それぞれ特徴がありますので,よく検討して選んでください.「選び方・使い方」編で電動車いすを取り上げますのは,少し先になりますので,最低限の選ぶポイントを3点ほど上げておきます.

 1.電磁ブレーキが付いていること
 坂道で介助者が手を離した場合でも停止しますので,安全性が高くなります.
 2.後輪はできれば大径のものを選ぶ
 小径にしなければならない理由がなければ,乗り心地の面から大径をお選び下さい.
 3.電動ユニットが座面の下や後部にあるタイプは避ける
 このタイプの方がより広い手動車いすに対応していますが,車いすとしての取り扱いを考えますと,このページで紹介しています車輪の中央に駆動機構を有する方が有利です.


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