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電動三・四輪車の基本的な形状は,似ているようでもかなりのバラエティがあります.以下では,代表的な構造や,基本的な機能について紹介します.
ハンドルは大きく分けて2種類の形状があります.一つは下の写真の左側で,オートバイや自転車と同じように,棒状のハンドルが左右に伸びています.もう一つは,右側の写真のように,楕円形,あるいはその変形のハンドルでループ状をしています.ループ状のハンドルでは,体に近い側の中央をつかめるタイプと,下の写真のように左右が分かれているタイプがあります.
アクセルレバーの位置は,上の写真の左側のように,ハンドルの後方にあり,左右の母指で操作するタイプと,右側の写真のように,ハンドルの前方にあり母指以外の4指で操作するタイプがあります.
アクセルレバーが動く方向ですが,ハンドルの後方にあるタイプは統一されています.左側の写真に矢印を入れましたが,左右の母指でアクセルレバーを前後に動かします.通常は右側が前進で,左側が後進です.逆のタイプもあります.筆者は右利きですので,右手で前進の方が操作がしやすい気がします.
ハンドルの前方にアクセルレバーがある機種では,動かす方向は多種類あります.下に各種の操作方向を示します.
ハンドルの前やや上方にアクセルレバーを配置して,前方,あるいは後方に回転させる方向に操作するタイプ,ハンドルの前方に配置して,前後あるいは下に操作するタイプがあります.また,前進か後進の切り替えは別な方法で行い,アクセルレバーは手前に引くだけの操作を行うタイプもあります.
前進後進の切り替えは,単にアクセルレバーの操作方向で切り替えるタイプと,スイッチで切り替えるタイプがあります.下にダイヤルで設定するタイプの例を示します.
走行速度はアクセルレバーの操作量と最高速度設定ダイヤル,あるいは切り替えスイッチとの組み合わせで決まります.下にダイヤルにより設定する例を示します.最近はスイッチにより切り替える方式は少なくなっています.
設定ダイヤルあるいはスイッチで最高速度をまず決めます.走行時にアクセルレバーを最大位置までに操作したときに,設定した速度に達します.
いずれの電動三・四輪車も電磁ブレーキを有しています.このブレーキは利用者が意識して操作するものではありません.次の三場面で働きます.
一つは下り坂です.下り坂で惰性により加速しないように,いわばエンジンブレーキのように作用します.また,走行ブレーキとしても働きます.走行時にアクセルレバーを戻しますと速度が低下し,元の位置まで戻ったときに停止します.最後は,駐車時に駐車ブレーキとして働きます.
走行時のブレーキは電磁ブレーキが自動的に働きます.利用者が意識的に操作するブレーキはありません.1)でハンドルの写真(このページの最初)を示しましたが,ハンドルの前方にオートバイのブレーキレバーのようなものが写っています.このレバーは確かにハンドブレーキなのですが,走行時に使用するブレーキではありません.電動による走行ができなくなった非常時に,電磁ブレーキを解除して手押しをしますが,そのときのためのブレーキです.走行ブレーキのレバーに見えますが,走行時にはこのレバーに触れる必要はありません.
バッテリー残量がなくなりますと走行できなくなりますので,バッテリーの残量は常に把握しておく必要があります.
多くの機種では4)の写真で示しましたように,ランプの発光している数で残量を表示したり,メーターの針で示したりしています.低価格の機種では省かれている場合があります.できれば何らかの残量表示機能を有する機種を選びたいものです.
座席とハンドルの位置関係によりましては適切な運転姿勢が取れないこともあります.そのため,座席を前後方向に移動し調節する機能を有する機種があります.自動車のようにいつでも自由に調節できるわけではありません.工具を使用して位置決めを行います.利用者が特定個人に限定されることを想定しているためです.座席が動かず,ハンドルが前後に調節できる機種もあります.
恐らくほとんどの機種で調節が可能と思いますが,確認はしていませんので,選択する際には注意してください.
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