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歩行補助機器を必要とする原因が,病気やけがの後遺症による場合もありますが,単に高齢化による筋力の低下が原因の場合も多く見られます.100歳になっても自力で歩いている人もいれば,70台で歩行補助機器を探す人もいます.歩行能力や筋力には個人差がありますが,あるにしましても20年以上の差は大きすぎます.
衰えは足からといってあきらめることはありません.高齢者が筋肉トレーニングを行うことにより,歩行能力が回復することは常識となっています.筋力は落ちる一方ではありません.適切なトレーニングで回復し,歩行能力は向上します.
本ホームページは福祉機器を紹介することを目的としていますが,必要な事態にならないことに越したことはありません.
最近では,「寝たきりにならないために」をスローガンとする講習会などが活況を呈しています.図書類やビデオなどでもトレーニング法が紹介されています.インターネットで,「高齢者,筋トレ」で検索しますと多数ヒットします.この画面の最後で例を二つ紹介し,リンクを張っておきますので参考にしてください.一つは茨城大学と,茨城県の大洋村の共同研究です.こちらは本格的なトレーニング装置を使用しています.もう一つはNHKの番組で紹介した方法で,家庭内で簡単に行う訓練法を提案しています.
話は逆になりますが,なぜ筋トレが必要なのか,なぜ自力で歩けなくてはならないのか,についてここで少し述べます.
人の足の補助を行う機器はいろいろとありますが,それらを使うことでの制約が伴います.残念ながら,制約のない補助機器はありません.「歩行補助機器を有効に使ってください」というのが筆者の基本的スタンスで,歩行補助機器を有効に使用することで,歩行の安全を確保し,外出の機会を増やし,活動範囲を広げることが期待できますが,機器には人の足ほどの適応機能はありません.
自力でなんとか歩ける,手すりなどにつかまれば歩ける,手すりなどにつかまっていれば立っていられる,手すりなどにつかまっても立っていられない,など下肢筋力の目安となる状況があります.これらの身体状況の境目で生活が変わります.この変化は決して好ましい方向への変化ではありません.筋トレで自力で歩ける方向へ少しでも変化させるべく努力してほしいものです.また,自力で歩けるならば,その状態をできるだけ長く維持できるよう心がけてほしいものです.
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