ナビゲーションを読み飛ばす
トップ 福祉機器とは 選び方・使い方 資料 コラム 庭の四季 道路の四季 リンク

6-2-5-4 スライディングボードによる移乗手順4

 スライディングボードによる移乗で,被介助者の動き,その動きを起こすための介助者の手の動きについて説明してきました.ここでは介助時の姿勢と,動きについて説明します.

介助者の足の位置の説明図

 左の図は,介助者と被介助者の足の位置を示します.介助者は黄色の矢印で示しますように,ベッドと車いすの間の方向を向きます.そして,左足を車いす前輪の脇,楕円Aで示しました部分に置きます.ここに置く理由は,黄色の楕円で示したあたりに介助者の下腿部を当て,車いすの安定を保つためです.右足は楕円Bのあたりに膝をつきます.つまり片膝立ちの姿勢になります.
 楕円C,Dは被介助者の足の位置です.車いす側を前一杯に伸ばし,ベッド側は少し引き気味にします.



介助者の足の位置の写真

 左の写真は,上の図と方向が逆で,左側のベッドから右側の車いすへ移乗した時のものです.介助者と被介助者の足の位置を確認して下さい.なお,この写真の被介助者はモデルです.



 自分の足場を固め,被介助者の足の位置を決めましたら上体を抱きかかえ安定させ,移乗に移ります.手順としましては次のようになります.

  1. 上体をひねり被介助者の方を向く.
  2. 左腕を被介助者の脇から背中へ回す.
  3. 上体を引きつけ,被介助者のあごを肩にのせ安定を図る.
    この時は被介助者の上体が傾かないよう介助者が上体をベッド側に傾ける.
  4. 被介助者は車いす側の膝に両手をのせる.
  5. 右手を被介助者の右脇に当て,安定性を確保しつつ被介助者の上体を車いす側に傾ける.と同時に,介助者は傾けていた上体を真っ直ぐに戻す.
  6. 右手を所定の場所に当て,移動を開始する.

     勢いをつけすぎると終点で止まりにくくなるだけでなく,乗り移ったときに車いすが傾くこともあります.左足の下腿部を車いすに当てておく理由は,この時に車いすが傾かないように押さえ込むためです.ベッドから車いすへ移乗する場合,感覚的には,上体を傾けただけで滑り始めます.

  7. 被介助者の体が動き出したら,左腕で被介助者の上体を起こす.被介助者の体が真っ直ぐに起きてくるので,その分介助者は上体をベッド側に傾ける.

     車いすからベッドへ移乗する場合はここで移乗動作が終了します.車いすへ移乗する場合は,次の操作が必要です.

  8. 被介助者の体を車いすの座面の奥へ押し込む.

 スライディングボードによる移乗で注意すべき点は,滑らせるために力を入れすぎないことです.ベッドへ勢いよく移乗しましても問題はありませんが,車いすへ移乗するときは危険です.力のいれ具合は数回練習すればつかめると思います.

 これまではベッドと車いすの間での移乗について述べましたが,ベッドと,ベッドサイドに置いたポータブルトイレの間の移乗でも可能です.下着を着けたまま移乗します.従いまして,ポータブルトイレに着座した姿勢で,下着の着脱を行う必要があります.自力,介助いずれも可能です.上体を左右に傾け,交互に少しずつ着脱していきます.

 被介助者が座位を保てる状態であれば,スライディングボードによる移乗は安全で,介助者の負担も小さくてすみます.この方法はまだ普及しているとは言えませんが,是非広く普及してほしいものです.なお,スライディングボードは介護保険のレンタル対象品です.


<<前のページへ 車いすが必要になったら
「選び方・使い方」編の目次へ / トップページへ