トップ | 福祉機器とは | 選び方・使い方 | 資料 | コラム | 庭の四季 | 道路の四季 | リンク |
いす式階段昇降機にはいくつか安全対策が施してあります.先に述べました動き始めの速度が徐々に加速していくこともその一つです.
安全対策として義務化されているものはありませんので,各メーカーが独自に対策を取っています.ここでは3種の対策を紹介します.
一つ目は,足を乗せるプレートと階段の間に足を挟んだときの対策です.黄色の楕円で示した部分に足を挟むことを想定しています.足を乗せるプレートの側面には黄色の矢印で示しますような力がかかるとそれを検出し,停止する仕組みが組み込まれています.足を挟んだときの緊急停止装置は各社共通しています.
二つ目は,青の楕円で囲った黒い部分です.写真では形状がよくわかりませんが,これはシートベルトです.起動時や停止時の振動で体がいすから落ちることを防止するものです.肘掛けで体を支えていれば,いすから落ちることはあまり想定できませんが,安全策として取り付けられています.このシートベルトも各社共通しています.
ここで強調しておきたいことは,シートベルトは座ることの補助として使用するものではないということです.ベルトで体を押さえておかないとずり落ちてしまうことが心配される人は適用外と言えます.
三番目は,緑の矢印で示していますが,人が座っていることの検知です.これはあるメーカー独自の工夫です.人が座っていないときは,肘掛けのスイッチを操作してもいすが動かないというものです.操作スイッチの位置のところで述べましたが,座る動作の途中でスイッチをさわってしまうことがあります.その時にいすが動きますと体のバランスを崩しますので,いすが動かないようにしています.
シートベルトは安全対策上どれほどの効果があるかわかりませんが,着座の検出は有効と思います.権利上の問題がなければ各社で採用してほしいものです.
<<前のページへ | いす式階段昇降機 |