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5-0 はじめに

 電動三・四輪車は急速に普及が進み,街角でよく見られるようになりました.電動車いすの一種として下肢障害者に限定的に処方されますが,介護保険の対象になっていることが,普及に弾みをつけているように思われます.自力で移動できることは社会生活を送る上で大きな意味を持ちます.この意味で,手軽に移動手段が確保できること自体は好ましいのですが,一方で事故も増えています.
 事故と言いますと,まず交通事故があり,電動三・四輪車の利用者が被害者となることが想定されます.しかしながら,加害者となることもありますし,不慣れなことや,不適切な使用をしたための対物事故,自損事故もあります.
 警察は毎年交通事故数を発表しています.その資料によりますと,交通事故は増加傾向にあり(「資料」編参照),死者も出ています.現在の交通事情を考えますと,交通事故をゼロにすることは恐らく困難でしょう.しかしながら,交通ルールを守ることや,運転に習熟することで事故に遭う可能性を少なくすることは可能なはずです.また少なくしなければ,使用の制限などと言う議論が出ないとも限りません.
 電動三・四輪車は交通法規上は歩行者とみなされ,免許は必要ではなく,使用するための講習を受ける義務もありません.しかしながら,自動車の運転者と同じ感覚で運転することを期待したいと思います.電動三・四輪車は便利な機器ですが,使い方や運転法を誤りますと重大事故に繋がりますので,運転者に求められることも多くあります.このことを自覚した上で使用していただきたいと思います.
 福祉機器をできるだけ有効に使用し,生活の質を確保することが好ましい,といいますのが筆者の基本的なスタンスです.そして,上でも述べましたように,自立した移動手段を有することは大きな意味を持ちます.しかしながら,ここで述べます電動三・四輪車と別に述べます電動車いすに限りましては,選択しないということも視野に入れるべきと考えています.

 以下では,選ぶときのポイントや運転時の注意事項などについて述べていきます.「楽に,安全な」移動手段を確保するための参考にしていただければと思います.なお,最近各地の警察で安全運転のための手引き書を作成しております.お住まいの地域の警察に問い合わせてみてください.


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