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2-3 姿勢保持・ティルト・リクライニング機能

 車いすに座っていると体が前へずれていく現象は,座面の前を高くし,滑っていきにくくすることで防げます.
 ただし,クッションなどで座面の前だけ高くしますと,背もたれとの角度が狭くなり,腹部が圧迫されます.多機能車いすとしてこの章で紹介しています車いすでは,座面と背もたれの角度を一定に保ったままで座面の角度を変更することができます.

通常の調整位置の車いすの写真    ティルトさせた写真

 上の左側は座面の前を少し高くした状態です.右側は大きくティルトさせた状態を示します.頭を支えることに疲れましたら,このように大きく傾け休むことができます.
 更に下の左側の写真のように背もたれだけを傾け,リクライニングすることもできます.

ティルトとリクライニングさせた写真    レッグレストの調整状況を示す写真

 体が寝た場合,膝が伸びた方が楽です.右側の写真のようにフットレストを支えているアームの角度を変更することができます.

 背もたれを上から見ますと左右が前に出ています.この部分で体が左右に傾かないよう支えます.上体を支えるのは肘掛けにおいた腕でも行います.そのためには,肘掛けの高さを調節する必要があります.低くては体を支えられません.

 ティルトやリクライニングは座ったままできることが大事です.標準型の車いすで,座面の前を高くして作ることはできます.標準型の車いすはフレームを溶接で作りますので,調節機能はもたせられません.座面の前を高くして作りますと,車いすへの乗り移りが難しくなります.また,車いすのままテーブルにつき,作業や食事をするときに姿勢を起こせませんので不都合が起きます.


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