猛暑の西日本を縦断! 2007年夏の18きっぷ旅



2007年8月17日 (2日目)


夜がだんだん明けてきました。

ムーンライト高知、松山号は、多度津で高知行きと松山行きに分割され、ムーンライト高知はグリーン車2両、普通車1両の3両編成となって、阿波池田に521分に到着。

列車を降りた私は、すぐさまリュックを背負い、デジカメを握りしめて先頭に回り込みます。同じ行動をとるテツが、私のほかに二人程(^_^;)




ゆうべは暗くて気がつかなかったのですが、このグリーン車の12系客車、車体が相当ボロボロです。果たして今年の冬も現役で頑張ってくれるか心配になってきた。

無理してでもグリーン車に乗っておくべきだったかな…と、今更ながらちょっと後悔しています。




ゆうべ京都を出発する時は、先頭の機関車は電気機関車のEF65だったのですが、いつの間にやらディーゼル機関車DE10に変わっていますね。
恐らくゆうべ多度津駅での分割作業のときに交代したのでしょう。
一応多度津で目覚めた記憶はあるのですが、寝ぼけていてハッキリ覚えていません。


写真ではよくわかりませんが、機関車はDE10の重連です。いまどき貨物輸送以外ではなかなかこういった重連が見られないだけにちょっと感動ですね。

重連とは、機関車が2両並んで車を牽引している状態のこと。機関車が3両並ぶと三重連と呼びます。


やがてムーンライト高知は、高知駅に向けてゆっくり発進していき、駅のホームは静けさを取り戻しました。




時刻はまだ夜が明けたばかりの5時30分。
徳島線の朝一番列車まで20分ちょっと時間があったので、阿波池田駅前をウロウロしてトイレを済ませたり、顔を洗ったり、缶ジュースを調達したりして、余った時間を有効活用します。

駅待合室にはお年寄りのオッサンが数人。大きなリュックを傍らに寝ている人もいました。
高知行きは行っちゃったけど、乗らなくてよかったんですか〜?

何のために待合室にいるのかよくわからん人ばかりです。




52分発の徳島線阿南行きです。
3月の旅のときは徳島から池田経由で高知まで行ったので、今回は逆回りで池田から徳島へ向かいます。

ま、時間は早いし、急いでもしゃーない。ゆっくりまいりましょう。




3両編成の車内はガラガラ…
同じ車両には私以外におばさんが一人だけです。

待合室のオッサンらも乗り込んでくる気配は無し。そのうち混みあってくるだろうことを見越しての増結でしょうか?
まあ、旅をする私としては有難いことです。




空いてて快適だった列車を何となく下車。
別に何かここに旅の目的があるわけでなく、何か名物があるという情報を掴んでいた訳でもありません。

後先のことまでいちいち考えず、気まぐれにフラッと途中下車。これぞ究極の鉄道旅だ。
何かと特急で目的地に一直線の現代っ子には信じられない行動だろう。




小島駅です。
瓦屋根に板張りの壁。梁のある柱。ストーブの煙突の跡。
無人駅ですが、なかなかいい面構えの駅舎じゃないか。

ちなみに駅名は「こじま」ではなく「おしま」と読むらしい。

こういう建物って、いまどきの駅舎とは違って風情ありますよね。

どうして駅が新しく建替えられると風情を失ってしまうのか。
取り壊す前にこういう駅舎をもう一度見直して、日本らしさを再認識しておくことって大事だと思う。
今のままでは日本に居ながら日本でない気がしてならない。せめて街の玄関口となる駅くらいは日本らしくあっていいのではないかと思う。

それとも、いまどき「駅が玄関口」という発想は古いのだろうか?




駅前をちょっと歩いて国道、そのすぐ脇には四国三郎の吉野川です。
サイクリングロードを麦藁帽子のお年寄りが一人散歩していました。




吉野川の土手から見た小島駅です。
後ろは山ですね。所々に雑木林らしきものも見えますが、殆ど人工林でしょうか。
でも緑が多いっていいですね。


さて、駅に戻って再び徳島方面の列車に乗り込みます。




ちょっと乗って、こんどは学駅で降りてみました。
駅名も変わっていますが、駅舎もちょっと変わってます。そんな訳で興味で降りてみたと、そんなところですね。


かつて、この近くに了慶寺というお寺があり、学徳の高い名僧がいて、各地から大勢の人が学問を習いに訪れたという故事が残っているという。
それが「学」という地名が付いた由来なのだそうだ。




駅は簡易委託の有人駅のようですね。
窓口では「合格祈願きっぷ」なるものが売られていました(笑)

内訳は、合格祈願のお守りと学駅入場券のセットで800円。
入試を控えたお友達への贈り物に喜ばれそうですね。


さて、時刻は7時50分。
陽も高くなってきましたし、そろそろ目的地に行かないと、ダイヤの薄い四国ではヤバいです。
今日の最終目的地は広島の三次なのです。まだまだ旅はこれからです(^_^;)

学から、54分発の徳島行きに乗車します。キハ40の2両編成は学生ばかりが乗っていました。


徳島で、高徳線各駅停車高松行きにすぐの連絡。1000系ディーゼルカーでした。
冷房のさっぱり効かない車内で、チラシをウチワ代わりにして扇ぎながら高松へ。
高松が近づくにつれて、車内が徐々に混雑してきて、暑さもピークです。
扇風機はありませんが、幸い窓が開くので、あまりの暑さに窓を開けてしまいましたが、誰も文句は言わなかった。

高松到着が10時46分。隣りのホームには、私の大好きなキハ65+58の2両編成が。
乗りたかったな…




高松駅です。
今日の目的地は三次なのに、わざわざ高松に立ち寄るのには訳があります。

それは、国鉄宇高連絡船の展示イベントを見学するため。
6月に主なイベントは終了していますが、展示は8月31日までやっているはずなので、この機会に見ておこうと思い、やって来ました。




場所はサンポート高松ということで、行けばすぐわかるだろうと思っていたのですが、高松駅構内にそれを宣伝する広告などは一切無く、サンポート高松と一言で言っても建物がいろいろあり、○○プラザだのシンボル何とかだの、幾つもフロアが分かれているので何処行けばいいやらさっぱりわからず、ビル内のフロアーガイドにもそれらしい展示の案内が載っていなかった。

おかしいなーと頭を傾げるばかりで、いたずらに時間だけが過ぎ去っていくのでありました。




汗だくになって捜すものの、一向に見つかる気配がないので、ひとまず讃岐うどんでお腹を満たすことにします。昨日の昼に中津川で買った駅弁を食って以来、自販機で買ったジュース以外何も口にしていません。

食べるお店はもちろん高松駅の「連絡船うどん」

かつて、宇野〜高松間の国鉄連絡船航路の船内で、讃岐うどんを販売していた実績のある店です。味も当時のまま。
今回はじゃこ天うどんを所望しました。暑いときでもやっぱり食べるのは熱いうどん。これに限ります。


一息ついたあと、ふたたびサンポート高松内をウロウロと巡回。とにかく暑いし、いくら捜しても場所が見つからないので、冷房の効いている旅客ターミナルビルの待合所へ移動して、少し涼むことにしました。
ここは船を利用する人が待合室として利用している場所です。

すると何と、ここの2階で宇高連絡船の展示をしているとの看板が出ているではないかッ!

な…何だ、こんな所でやってたのか…散々捜してしまったではないかっっっ




2階(3階?)に上がると、まず目についたのが船の模型。非常に精巧に作られています。
ちゃんと船の仕様まで詳細が載っています。凄い!




写真ではわかりにくいですが、灸まんの宣伝幕などまで忠実に再現されていますね。
船内設備までまるで本物みたいです。本当に海を航海しているようにも見えますね。




当時の高松駅の写真パネル。
私はこの頃の旧高松駅は、連絡船から列車、または列車から連絡船へのりかえをしただけでしたので、内部は若干記憶があっても駅の外観などには馴染みがないんですね。

当時はまだ親に連れられて旅行していた立場だったので、それがちょっと残念でなりません…




一通り見学を終えましたし、讃岐うどんも食べました。いよいよ広島に向けて移動です。

予定では高松から快速マリンライナーに乗って岡山へと向かう予定でしたが、船の写真や模型を見ていたら船に乗りたくなってしまいました。

船では時間がかかりますし、宇野に到着後の列車の接続もどうなるかわかりませんが、時刻はまだ12時前です。
時間には余裕があるので、宇野ゆきフェリーのりばへと行って、フェリーに乗って宇野までいくことにしました。




宇野行きフェリーです。

いくら暑いとはいえ、甲板に出ると風が心地よく、汗が引きます。
むしろ冷房の効いた客室のほうが風がないぶん暑く感じます。

客室内にいる時は、冷房の近くを離れることが出来ませんでした。

それにしても今年は何という暑さなのでしょう。




1320分、宇野港に到着。およそ1時間の船旅でした。
歩いて5分ほどの宇野駅へ向かって列車にのりかえます。




しかし、宇野駅から出る次の列車は1402。
40分以上待つのか…うーん、船を使ったのは誤算だったかな!
こんなことなら、予定通りマリンライナー使って、多度津〜福山間でフェリーを使ったほうかよかったかもなぁ…


瀬戸大橋が開通して連絡船が廃止されてから、宇野線はすっかり使い勝手が悪くなっちゃいましたね。


このままずっと駅で電車を待っているのも退屈ですし、メッチャクチャ暑いです。
とりあえず宇野銀座のアーケード街に行ってめぼしいものがないか探してみることにしました。

おいしい地元特製のソフトクリームでもあったら速攻買いたい気分です。



宇野銀座のアーケード街まで徒歩2分。
そこはシャッター街になっていました。
何てこったい…

アーケード街に2軒ある肉屋はどっちも開いていましたが、この暑いのにアツアツのコロッケを食べる気分にはとてもなれません。

これが鉄道航路を絶たれた地方の街の現状かと思うと涙が…




ひさしぶりに会った花ちゃんもこの異常な暑さにグッタリしています。


止むを得ず、駅前まで戻ってコンビニでアイスを買い、駅へ…
何が悲しゅうて岡山まで来てセブンイレブンで買い物せにゃならんのだ。
セブンイレブンくらい、こんな遠くに来なくても家の近所に何軒でもあるわい。
そんな愚痴も叩きたくなりました。



宇野でワンマン電車に乗って、茶屋町で瀬戸大橋からやって来る各駅停車にすぐの接続でのりかえです。

昔は岡山まで直通運転でしたが、瀬戸大橋が開業してからというもの、宇野線は盲腸線のような扱いで、不便になってしまいました。

茶屋町から乗った岡山行きの電車は冷房が効いててメッチャ涼しかったです。




時刻は1450。
電車が岡山に着くと、何やらJR職員がホームに待っていて、運転室にワラワラと集まってきました。
何があったんだろう…

気になりましたが、のりかえがあるので見ている暇はありません。
ここでは時間が無いのだ。




急ぎましたが、健闘空しく53分発の福山行き快速サンライナーは定刻の発進…

岡山でのりかえ3分ってのは、よっぽど駅の構造に詳しくなくてはキツいっスよ〜。

仕方なく、後続の伯備線直通の備中高梁行き普通列車で倉敷まで移動。列車の中で遅れを取り戻す策を練ります。


岡山→倉敷(各駅停車)



倉敷→三原(各駅停車)



広島から乗り換える芸備線は、何としても18時ちょうどのみよしライナーに乗りたい。これを逃がしてしまうと、次のみよしライナーは20時まで無いということになってしまうのだ。

しかし、いまの電車に乗って広島に向かうと、広島到着が1809、これでは間に合わない。




三原1632着。

止むを得ず、終点三原で普通列車にのりかえず、新幹線ホームへ直行。
イカしたタコの置物がお出迎えです。

新幹線のきっぷは三原行きの列車の中で車掌から補充券を購入しました。
うーーーーーーん、思いがけない出費だ…


あとで新幹線車内で知ったのですが、どうやら在来線の宮島口付近で踏切異常が起こって列車に遅れが生じている模様。
いずれにしろ、新幹線へのスイッチは正解だったととるべきなのかな。




三原1655→広島1724(新幹線こだま)


新幹線早ッッッッッッッ!!!

これでも東広島で通過待ち停車があったんですよ。目がまわる速さですね。
たった30分の乗車で2220円。特定区間ですから自由席特急料金は940円で済みました。
30分じゃ駅弁喰う暇も無いや…。

でも、100系新幹線にウン年ぶりに乗ることができましたのでヨシとしましょう。
もう乗る機会なんて無いかもしれないし。




広島駅新幹線のりかえ口にドライミストが設置されていました。
先ほどからちょくちょくドライミストを見掛けるんですよね。




新幹線利用で間に合った18時ちょうどの快速みよしライナー。
元急行みよしのキハ58を期待していたのに、充当されている車両は近郊形のキハ47だった…

キハ58は快速格下げ後はみよしライナーに充当されたんじゃなかったのかな?
それとも格下げとともに廃車?

せっかく大枚叩いて新幹線乗ってきたのにガッカリです。

しかも車内は学生で随分混みあっていました。
急行の時は空いていたのになあ…

そう考えると、快速格下げで客が戻ったのですから、JRとしては思惑通りということですか。




1919三次に到着。すっかり辺りは暗くなっていました。
ここから歩いて国民宿舎三次長寿村へ向かいます。
今日はここで風呂に入る予定ですが、浴場は21時までの利用となっています。

それで急いでいた訳ですが、もしものことを考えて、新幹線ホームで電話帳で番号調べて三次長寿村の方へ電話したら、まだ泊まれそうだったので部屋を予約してしまった。

宿泊客ならば浴場は22時までOKなようです。




ことぶき橋から北東方向を望む。やっと半分歩いてきました。
地図では大した距離ではないように思ったんだけど、実際歩くと結構あるな…

これも多分暑さのせいなんだろうな。
冬だと平気で3キロくらい歩いちゃうから。

つか、暑い…時刻表が重い…
捨ててしまいたいが、しかしこれが無いと旅が出来ん。


結局、宿に着いたのは19時50分頃でした。
今日の旅はここまで。宿泊します。




宿に着き、鍵をもらって部屋の中に入ると…

部屋、広ッッッッッ!


ここ、何人部屋???
あのー、素泊まりにはもったいないのですが。
浴場、トイレは共同ですが、これで一泊3600円は破格でございます。


露天風呂はありませんでしたが、空いてる広い浴場でノンビリ疲れを取り、明日に備えるのでした。


あ、そういや晩飯まだだったな。
昼間に立ち食いの讃岐うどんを一杯食ったっきり、何も口にしてないや…

しかしここは山奥の宿。メシ屋は駅まで戻らないと無ェ。


お茶で我慢すっか…



しばらくテレビを見ながらお茶でくつろぎ、歯を磨こうと思ったら、宿舎の方で準備してあったハブラシ、包装が破れててブラシ部分に食べカスが付着している。明らかに誰かが使ったあとだった。ハミガキ粉も袋の中に無い。

やれやれ、ちゃんと使用済みかどうか調べて無いんだな。
使用済みをわざわざ袋に戻す律儀な客も客である。チェックアウト時に持ち帰るつもりだったんだろうか?
ゴミ箱に捨てて、マイハブラシを取り出した。

準備してきて正解だったよ。


さて寝るか…おやすみー



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