JR発足20周年18きっぷの旅
〜国鉄時代の面影をさがして 9〜
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ごっついカメラを携えたテツの面々に紛れ込んで、負けじと私も安物のデジカメ片手にいいシーンを捉えようと、餘部鉄橋を凝視して、次に鉄橋を通る特急はまかぜが来るのを待ちます。
でも、なかなか時間になっても現れません。
よく考えてみれば、さっき強風で自分が乗ってきた列車もダイヤがえらく乱れてたんだっけ…
来ないのも無理ない…
いくら待てども「はまかぜ」はとうとう現れず、遅れながらも辛うじて普通列車のキハ40系を捉えて撮影は終了。
せっかくなので、餘部を離れる前に鉄橋の下も散策しておきたいところ。
降っていた雪は見計らったように徐々に小降りとなり、現在は小康状態。今なら散策に支障がありません。
風が吹くと木に付着した水滴が一斉に落下してきて大雨のようでした。
子供の頃からしばらく目にしていなかった光景です。
待合室には駅ノートがあるんですね。
そんな噂知りませんでしたが、結構な数のノートが保管されています。
鉄橋保存の支持をする書き込み多数でしたので、私も一筆。
もち鉄橋派!コンクリ橋は餘部の景観にそぐわない。
駅から民家まで降りるには、目の眩むような下り坂をテクテク歩いて行きます。
駅の利用者の苦労が伺えました。
この坂道を登る時は私のようなものでも息ゼーゼーですから、お年寄りにはさぞ堪えるでしょう。
こんな駅ですから当然トイレも無く、国道まで出て鉄橋の真下まではるばる歩くしかないようです。
古い田舎の民家の路地裏から覗く、巨大な赤い鉄橋が、この部落のシンボル…といった感じでしょうか。
何だか気に入っちゃったなあ。
路地を抜けて海に出れば、荒れる日本海の雄大な景色にカモメが数羽。
日本の美しい景色を独り占めしたような感覚になります。
一見凄い田舎ですが、近くには喫茶店や宿舎もあり、その気になれば長期滞在も出来るところ。
もっと楽しみたいですが、そろそろ時間も無くなってまいりました。
本日廻る場所、残すはいよいよ最後の一つとなりました。
餘部15時28分発の豊岡行きで、餘部鉄橋を渡ります。
いつの間にか普通列車のダイヤは正常に戻ったようですね。
「はまかぜ」が相変わらず通らないところをみると、特急は部分運休か、あるいはダイヤの乱れが続いているのかも。
今日最後の途中下車駅、鎧に到着です。時刻は15時30分。
いやー…もう感涙の情景醸しまくりでシャッター連打状態。国鉄の汽車が似合いすぎです。
実はここ、餘部と並んでNHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」のロケ地だったそうだ。
ずっと眺めていてぇ。いっそのこと1時間くらい鎧に臨時停車しませんか?
鎧駅から見える景色がコレですよ。日本三大車窓にしてもよくないかと思う程です。
やはり私の勘に狂いは無し。この駅を選んで降りたのは正解だったようです。
心配していた雨も止み、散策には支障なくなりましたが、風が再び強くなってまいりました。
急にこの頃から冷え込んでまいりまして、冬型の気圧配置を肌で感じることになります。
鎧駅の駅舎はごく平凡な建物。
待合室が設けられていますが、除雪機から漏れるガソリンの臭いが強烈に鼻を突きます。
駅前に広がる風景は、正直なところ今が平成の時代だということが信じられなくなるものです。
ご覧のような板張りの高い建物がズラリと聳えていました。
今でも現役で使用しているのかどうかはわかりませんが、見る限りでは手入れされていますよね。
なんとここにも駅ノート。いい駅にはノートありのセオリーですね。
待合室の中に設置されていました。
時間はあるので一筆書き込み、せっかくですのでここに自作のまんが本も一冊置いてくることに。
ノートに記帳中、駅のホームを特急「はまかぜ」が餘部方面へ疾走。
浜坂行きのはまかぜ3号ではないかと思われます。
今頃通過とは…ついていませんでした。餘部鉄橋を通るキハ181系、撮りたかったです…。
定期のはまかぜ1号は結局区間運休で、はまかぜ3号は平常通りの運行ということなのでしょう。
このあと16時15発の豊岡行きに乗って、豊岡で下車しました。
豊岡で乗車券と特急券を購入して特急「はまかぜ6号」に乗車します。
はまかぜ乗車は、これで生涯2度目の経験。
いずれも旅行の交通手段という訳ではなく、趣味での乗車です。
好きなんですよねぇ、この車両が。
だったら始発駅から乗れよ!という声が聞こえそうですが、それだと料金がバカにならないので…。
このまま乗っていくと姫路に出てしまうので、和田山で下車。
和田山に着くと、またチラチラとみぞれ交じりの雪が舞い始め、風が非常に強く冷たくなってきました。とても寒いです。
和田山で何か弁当か何か食糧でも調達したかったのですが、ホーム売店が軒並み全滅状態。
まだ18時だぜ?!
改札出て買い物行くには時間が少ないので、諦めて次ののりかえ電車を寒さにうち震えながら待ちます。
和田山18時12分発の福知山行き普通列車で福知山18時46分着。
小浜線へのりかえですが、19時7分まで少し時間がありそうなので、売店物色ついでに駅前でもチラッと見物してみましょう。
観光案内所の立て看板って地方色豊かで面白いよね。
最近はオリジナルキャラクターを使うところも多いです。
こんなところにも発見(^_^;)
これまた私の好きそうな萌えキャラですねー。
福知山19時7分発の東舞鶴行きに乗車。
113系でしょうか? 国鉄色かと思いきや、微妙に何かが違う。
どうせなら中途半端なところで運転取り止めないで、素直に敦賀まで行っちゃってください。いちいちのりかえがメンドイです。
東舞鶴19時52分着。53分発の敦賀行きにのりかえ。
小浜より先に行く列車はこれが最終。まだ20時だというのに…
しかも見たこともない知らない電車です。125系らしい。
敦賀に着きました。とうとうここまで戻ってきましたね。
ここで最終の福井行きにのりかえです。
もう電車が無いので、今日は福井で夜を越すしかないようですね。
駅で電車を待っていると、ホームには夜行列車が到着。寝台特急「日本海」です。
お財布に入っている全財産使っても乗れません。
そのあと福井行き普通列車が入線。なんと国鉄色の475系急行形電車です。
またお会い出来るとは思いませんでした。
やっぱり旅はこれでなくちゃ。今日という日の旅の締めくくりに最適です。
敦賀を出ると、一時的に客室の電気が消えるところがあります。
常磐線などでも見られる現象。交流と直流の切り替え区間でこの現象が起こります。
この区間は惰性走行をしているため、一応は走っているような感覚ですが、電力の供給は止まっています。
そのため、ここで列車が停まることがあると、自力走行が出来なくなってしまうそうだ。
福井に到着です。時刻は23時28分。今日の旅はこれにて終了。
このあと夜行列車を拾う予定なのですが、それまで時間がかなりあるので腹ごしらえします。
外は時折雪がちらつく生憎の天気。徒歩10分くらいのところにある中国人の経営する中華料理店でラーメンを食べたのですが、味はイマイチの店でした。
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