JR発足20周年18きっぷの旅

〜国鉄時代の面影をさがして 8〜



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2007年3月6日(4日目)


朝5時30には起床し、6時過ぎにはホテルをチェックアウト。
電池切れかけのデジカメも携帯も充電しました。

パンとコーヒーの朝食つきの宿泊プランだったのですが、食べてる時間が無いのでお持ち帰りしようと思ったら、まだパンが届いてないということで。
かと言って、パン一切れのために予定を狂わす訳にはいかないため、朝食抜きで出発です。




米子駅です。ホテルから駅まで3分程度です。
6時過ぎではまだまだ薄暗い。




ゆうべは暗くて気が付きませんでしたが、駅前に山陰鉄道発祥の地の記念碑と、蒸気機関車の動輪が飾られていました。
山陰で最も古い鉄道は、意外にも境線なのだそうだ。
この動輪の傍らに押しボタンがついていて、これを押したら人気の無い静かな駅前に大音響で鉄道唱歌のメロディに合わせて歌声が流れました。

駅前で客待ちしているタクシーの運ちゃんが一斉に振り向きます。
しばらく身動きとれず固まってしまいました。




米子6時35分発の鳥取行きで、まず鳥取へ向かいます。
車両はキハ125系です。

もっと早い列車もあったのですが、疲れて早起き出来ないだろうということと、22時過ぎにホテル着で5時出発では充電も厳しいし、宿代に見合わないだろうと思い、わざと遅らせた訳です。

米子のお隣の駅は安来駅ですね。安来というと安来節を思い出してしまいます。
安来節を知らないという人はごめんなさい。↓こういうものです。

http://www.y-hozon.com/




座席は本線の車両らしい、ゆったりとしたクロスシート。
長距離利用者にやさしい設備となっていました。




途中の駅でふと目に止まった駅のホームの待合室。
これは明らかに古い客車を使っていますね。こういうのって好きですねえ…話のタネに一枚写真をばっ!
ちなみに「御来屋」という駅です。




8時53分、鳥取駅に到着しました。
ここで浜坂行きにのりかえなのですが、発車まで40分近く時間が空くので、一旦改札を出て駅前を観光しようと思います。
何か目ぼしいものでもあるといいのですが…




C59の1/10スケール模型を発見!
しかもちゃんと動くらしいよ。
どうせなら客車も製作してジオラマ模型の中を走らせてほしい。




駅の売店でカニの中華まんや、うにの珍味、駅弁、おみやげに鬼太郎かまぼこなどガーッと衝動買いし、南口に出てきました。
案内板を見ると、この近くに鉄道公園というものがあるらしいです。
まだ時間があるので、時間が許す限り捜してみることにします。




ほおお、名水百選ですか。
空いてるペットボトルがあったら汲んでいくところですが、生憎持ち合わせがありません。
とりあえず飲めるだけ飲んでいきました。確かにおいしかったです。




駅から12分ほど歩いたところに鉄道公園がありました。さっきの名水百選の水飲み場のすぐ近くです。
こういう施設があるというのはファンにとって嬉しいものですね。




しかも子供騙しではなく、社会科見学にも使えそうな資料的価値のある本格的なものです。
腕木式信号機に低い駅のホーム…。今ではなかなか見るのが難しいものばかりですよ。
ポイントの残骸が残っていますが、もしかしたらここは何かの旧駅跡なのかもしれません。
駅のホームにはホームレスの人が寝ていました。駄洒落ではありません。本当です。


先程から天候が優れず、みぞれ混じりの雨が随分降ってきたので、お名残り惜しいですが退散します。




これを見てピンと来る人は博識なご高齢の方ばかりかと思います。
因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)です。
私もそれ以上のことは知りません。

興味があったら調べてみましょう。




鳥取駅のホームに戻ってきました。
のりかえの合間の短い時間でしたが、随分と楽しんだ気がします。
これより9時35分発の浜坂行き普通列車に乗車します。




おいおい…凄い雪になってきたけど大丈夫かな…
ガンガン積もってきてるんですけど。
今日も途中下車と散策を多く予定しているのですが、ちょっとそれには向かない天候です。




…ということで、まず最初に降りたのが居組。
ホームにはうっすらと雪。時間は10時を回ったところです。
ホームの規模からして決して小さくはない駅なのに、やけに静かというか、寂しい雰囲気の無人駅。
学生がぱらぱらと降りました。




駅のホームに入ると、なぜかガンダムのプラモデルが並んでいます。
誰が何の目的で、しかも、何故ゆえにガンダムなのか。謎です。




駅舎は、いかにも中堅の駅っぽいごく普通の古いもの。
こんな感じの駅から真っ先に取り壊しの対象となることを考えると、よくぞ生き残っていたものだと賞賛。

まわりには民家が見えず、少し駅から下ったところにあると思われます。
次に乗る列車が来るまで時間がたっぷりあるし、ふもとまで行ってみたいのですが、雪が激しく降っては止み、降っては止みを細かく繰り返しているので出掛けられません。傘がないと陸の孤島状態です。これでは途中下車した意味がありません。
駅備え付けの傘というものも無いようです。




しかもトイレは老朽化を理由に閉鎖。小なら男は何とでもなりますが、便意だけは迂闊に催せません。




あまりにも暇なので鳥取駅で購入した駅弁を食べることにします。
ゆっくり食べれば20分は時間を稼ぐことが出来ようか。


このあと駅前をぶらぶらしてたらパトカーが来て、お巡りに職質された…
何をしに私はここで降りたのだろうか。




結局、雪のせいで11時43分の浜坂行き普通列車が来るまでの間、駅に缶詰にされてしまいました。
浜坂行きの列車は、うさぎのヘッドマークが可愛い国鉄車両のキハ47です。
これは因幡の白兎を模しているのかもしれませんねー。




浜坂11時52分着。
12時25分発の城崎行き普通列車まで時間がやや空くので、改札を出て時間を潰します。
暖房の効いた待合室があり、売店もあります。

駅名の入った暖簾が「和」を演出してていいですね。まるで銭湯みたいです(笑)




特急の停まる駅としては意外な街並みの浜坂駅前の様子です。
四角い家が無いので、何だかとても落ち着く佇まいです。
日本の駅前という雰囲気がそう思わせるのかもしれません。




そろそろ時間かなあ…
ということで、改札を抜けてホームへ移動します。
18きっぷは改札フリーというのが何とも頼もしい。これだけでも1000円の価値はあります。




駅の構内には、蒸気機関車時代の給水塔が聳えていました。
当時の鉄道事情を物語る貴重な建物ではないかと思います。
こういう、教科書に載っていないものを後世に伝えていってもらいたい。




浜坂12時25分発城崎行きの普通列車の中には、ツアー客もいっぱい。
そんな客を乗せた列車が久谷で缶詰。「列車の運転見合わせ」というやつです。

この先の餘部鉄橋で強風が吹いているというのがその原因らしい。
まだ浜坂を出て1駅ですが、半数のお客さんは外に出て、記念写真撮ったりホームを散歩したりして気分転換をしています。


やがて、車内放送がかかり、運行出来ないので浜坂に引き返すと言い出しました。
餘部鉄橋を列車で渡るのがツアーの目玉というお客さんはため息混じりに愚痴を溢しています。

困ったことになりました。餘部鉄橋が通れなきゃ、一日2往復だの3往復だのいう閑散路線で迂回して家に帰れとでも言うのでしょうか。
困っているのはツアーの添乗員も同じ。先の駅で待機しているバスに連絡して浜坂に引き返す指示を出しています。


運転士が後ろの車両の運転台に移動して運転準備を始めていると、再び指令より連絡。
周囲も旅を諦めてこれからどうするのかという話で盛り上がっていると、再び車内放送がかかります。
どうやら強風が治まったということで、通常の運転に戻すということらしい。

車内が笑いと皮肉でドッと湧き上がります。
運転士も機嫌悪そうにマスコンハンドルと運行表片手にまたまた運転席を移動し、始業点検を始めました。


列車はおよそ40分少々遅れて発車。餘部方面へと向かうことになりました。




ダイヤが大幅に乱れ、餘部到着が13時18分。
僅か2駅が50分もかかってしまいました。歩いてもあんま変わらないような気が…。

ちなみに、餘部は近畿の駅百選認定駅。特別駅舎とかある訳じゃないけど、この景色を見ると納得です。




駅自体はただの棒駅なんですけど、そこから見る鉄橋とその背後に広がる日本海とのコラボはたまらない魅力でした。
ここからしばらくは大きめの画像が続きます。

周囲は一般の観光客に混じって餘部鉄橋架け替えを惜しむ撮りテツ、写真家などいろいろな方が訪れていて、展望台に三脚構えたりしています。





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