萌える東海道! 伝説の美少女と7人の巫女

〜竹取物語編〜


吉原駅から岳南鉄道に乗って、ひとまず比奈駅までやってきました。時刻は11時半をまわったところです。

実は徒歩での移動を考えており、岳南鉄道に乗って移動するつもりは無かったのですが、もう足が悲鳴を上げて歩ける状態ではなく、休憩を兼ねました。
まあ私の場合は鉄道の旅が前提なので、こういう場合はどんどん鉄道を利用します…。
ま、全線乗っても350円。フリー切符なら一日乗り続けても400円。びっくりするような額ではありません。




比奈駅 (岳南鉄道)

「比奈(雛)」という地名はその昔「姫名郷(ひなごう)」と呼ばれ、そこから変化したということです。この名称は竹取物語ゆかりの地を表していたのかもしれませんね。

さあ、少し休んだら、だいぶ疲れが取れてきました。ここから歩きます。ただしこの辺りは緩やかな坂道になっていますので、ちょっと大変…。




駅前の観光マップを見ると、意外に史跡が多い。


駅前の道を真っ直ぐ北進すると御崎坂です。

かつて農耕集落が発達した古墳時代、この地を「岬」と呼びました。
八世紀に郷村の地名が好字の漢字2字で表されるようになり、「岬」が「御崎」となったということです。




御崎坂。


かつて、この御崎には東西の街道があり、その街道から北に向かう坂道を「御崎坂」と呼ぶようになったらしい。

御崎坂の石碑のすぐ近くに御崎神社があります。食べ物を司る神として崇められてきたということです。




御崎神社。創建が1177年と大変古い。


この辺りはとにかく立派な神社やお寺といった史跡が非常に多い。
御崎坂を上がった所に焼きそばやたこやきなどを売っている商店があり、そのすぐ先に滝川神社がありました。
よくわかりませんが、ここが竹取の翁を祀った場所?

神社のすぐお向かいが吉原第三中学校。




滝川神社。福祉センターと一体となった神社でした。


滝川神社前の交差点を右に東進すると、すぐに一際目立つ竹薮が見え、そこに竹採公園があります。「竹取」とは書かないらしいですね。
名目上は公園ですが、もともとここは岡田さん宅の敷地で、竹採屋敷と呼ばれてたらしい。




竹採公園。園内が一面の「竹藪」という公園も珍しい(笑)


竹採公園に着きました。ゴールデンウィークとはいえ、知られていない穴場とあって観光客は殆ど居ませんでした。
私のあとから入った観光客は、さっき比奈駅前にいた二人組の女性だけ。これならのんびりと見学出来そうです。

ざっと公園の説明をしましょう。


開園時間

4月〜10月 8時30分〜18時
11月〜3月 8時30分〜17時

休園日

12月29日〜1月3日
毎週木曜日



なお、一般に童話や絵本で知られている、メルヘンチックな「月に帰っていくかぐや姫」と、ここで知ることの出来るかぐや姫のお話は内容が少々異なります。
こちらご当地のお話の方がかなり生々しい人間臭さがあり、リアルです。

さあ、ここで知ることとなるご当地のお話は、前半部分は一般に知られた童話などとだいたい同じ。後半の部分がかなり違います。

同棲していた国司のもとを去り、富士の仙洞へ帰ってしまったかぐや姫。悲しみのあまり国司はそれを追いかけるわけですが、再会したかぐや姫は、それまでの姿とは全く異なる天女の姿となっていたのです。それを見た国司は悲しみ、姫の残した箱を抱えて池に身を投げ、亡くなった。

大雑把に説明するとこのような話になっています。国司というのはおそらく、この地を治めていた偉い人を指すのでしょう…。

それでは中を見学してみましょうか。



園内の様子。通路が石畳で綺麗に整備されています。




ほら、おいしそうなタケノコがニョキッと生えています。しかし、摘んではいけません…(泣)




物語では、変わり果てたかぐや姫を見て、悲しみのあまり国司が身を投げたという大池。
池の中には宮殿があったとされています。




竹採塚。かぐや姫発生の地と言われています。




神授の竹。詳細はちょっとわかりませんでした。




水琴窟。地下から澄んだ水の音が響き渡ります。

水琴窟について詳細を知りたい方はこちら


これで一通りの見学は終了。実際はもっといろいろ見るところがありますので、是非ご自身で見学してみて下さい。
記念テレカの販売などもあるようです。
水琴窟の奏でる水音ですが、録音機器を持っている方はマイクをギリギリまで近づけて録音し、ヘッドホンなどで聴いた方がより音がハッキリと聞こえます。是非お試し下さい。




白隠塔。右の石碑に設立の歴史が書かれているものの、私には解読出来ませんでした。


さて、図書館に行くという手もありますが、時間の制約もありますので、かぐや姫の伝説についての調査はこれにて一旦完了としましょう。

時間も12時30をまわったことですし、これより7人の巫女伝説を再び追うため、浮島沼へ向けて出発します。
一度比奈駅に戻るほか、バスという手もありますが、鉄道派の私の場合、緊急時以外のバスは邪道。ここは一つ旅費節約ということで1駅2駅歩きます。
途中、バス停のベンチで何度か休みました。



須津(すど)駅。無人の小さな寂しい駅です。


須津駅まで歩いてまいりました。時刻は1318。50分も歩いたコトになります。
もう限界ですので、残りは電車で移動します。
次の電車まで15分ほどあるので、ジュースを飲みながらベンチでちょっと休憩。
空が曇り、風が強くなってきました。




岳南江尾(がくなんえのお)駅。


7000系の一両ワンマン電車で岳南江尾駅までやってきました。時刻は1340。ここから浮島まで再び歩きとなります。
駅の隅っこにあったボロボロのトイレは取り除かれ、新しく水洗トイレが建てられていました。
私以外にも若者2人組が私と同じ方角に向かって散策を楽しんでおりましたが、すぐに見失ってしまいました。行き先が別だったのか、途中のコンビニに寄ったのか…。


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