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北陸本線の普通列車には、急行形電車の車内を近郊形化改造した『475系』、471・
473系の老朽化した急行形車体を新造した近郊形両開き2扉の車体に載せ替えた『413系』、
余剰となっていた寝台特急電車583系を2扉・近郊形化改造した『419系』が主力として
走っています。 それらは国鉄末期に、経営状態が劣悪だった中で普通列車の増発や電車化
(電化された幹線でも普通列車には客車や気動車が使用されていたと聞く)
を全国的に行った際に登場した車両です。 北陸本線・湖西線輸送改善事業に伴い2006年に登場した521系は、当初福井以西で使用されて いましたが、最近運用範囲が金沢まで拡大しており、今年度中に419系を全車置き換えるべく さらに増備させるらしい、ということがわかりました。 一方で、今年 (2010年) になってJR西日本が工場入場時の工程 簡略化のために車体塗装の『単色化』に着手しました。 対象は車体が鋼製で当面廃車の 予定がなく工場に検査入場した車両とされ、北陸本線の新塗装は青一色と決められました。 北陸本線ではまだ475系に数本登場しただけでそれほど増殖しておらず、数年前にリバイバル 急行列車として交直流急行電車の塗装に戻された475系も往年の塗装のまま活躍していますが、 白地に青帯の現行塗装が消えるのはそう遠くないものと思われます。
私は2008年4月に急行形電車を目的として乗りに行ったのをきっかけに、北陸本線の普通列車
に極めて弱い興味を持つようになりました。 とは言え乗ったり撮りに行こうなどと考えること
はあまりなかったのですが、今シーズンの赤い青春18きっぷを明確な使用目的が
無いのに何となくドライブがてら北陸方面まで買いに行った際に生地駅前で急行塗装の
475系を偶然見て、撮影に対する意欲のような何かが浮かんできました。
このページではその時撮った写真の中から撮影ガイド的なものを選んで貼っていき、『エムサ菌
版撮影ガイド』よろしくちょっとした『見たまま・感じたまま解説』を付け加えてまいります。 |
まず、富山駅での撮影事情です。 行ってみて知ったのですが、高架化工事のためにホームや線路などは仮設のものに切り替え られており、跨線橋などに特に仮設チックで安っぽい印象は拭えないものの従来の駅施設に 比べれば明るくスッキリして撮影向きになっているように感じました。 現在の富山駅構内は、 旧ホームの海側に、山側から対向式ホーム1面と島式ホーム2面が配置されていて、対向式ホーム は米原方が切り欠けられて1・2番線、島式ホームの1面が3・4番線、もう1面が5・6番線と なっています。 通過専用線や機回し線のようなホームに接していない線路はありません。 特急を含め当駅始発・終点となる列車が多いものの、特急については折返しの車内整備などは 全面的に富山駅の東方にあるヤード (富山駅とは隣接していない) まで 回送した上で行なわれているようで、列車の出入りは比較的頻繁に行なわれています。 逆に 普通列車は当駅で留め置かれて折り返す列車も多く、また富山を跨ぐ普通列車には当駅で数分 から数十分程度停車する列車もあり、普通列車の撮影という目的で見れば効率よく撮ることが できます。 但し、普通列車の分割併合位置には線路間に柵が植えられ、これがちょっとした 障害物になっています。 |
2010.8.3 富山
1番線に停車中の1026D『ワイドビューひだ6号』を3番ホームから撮ってみました。 3番線に特急列車が停まらない限りほぼ障害物無しで1線あけて撮影できますが、1番線は 電化されているものの高山本線専用として運用されているようで、調べてみたところ撮影 可能時間帯に定期列車でここに入る北陸本線普通列車はありません。 |
2010.8.2 富山
2番線に停車中の419系3両編成・直江津行き551Mを、3番ホームから撮ってみました。 写真右・3番線に停車中の列車は683系9両編成です。 切り欠かれている2番ホームの停止 位置は他の線路と比べて直江津方に寄っているため、特急のうしろに完全に隠れる事態は 避けられるようです。 |
2010.8.2 富山
また、2番線に停車中の普通列車の米原方前面を構内跨線橋から撮影することができます。 |
2010.8.2 富山
3番線に停車中の普通列車を1番ホームから撮ると、このようになります。 編成写真を撮ろうとすると、1番線の車止めが入ってしまい編成全体をきれいに入れることは できません。 1両ごとの形式写真や2番ホームから撮る編成写真には特に問題なく、また3番線 の列車が3両編成であれば1番線に列車が停車していても邪魔になることはなさそうです。 |
2010.8.2 富山
4番線に停車中の413系6両編成を5番ホーム米原寄りから撮ると、このようになります。 4番線と5番線における普通列車の停止目標は直江津方の編成端を揃えるようにしているようで、 編成両数によって米原方編成端の停止位置がずれるようになります。 |
2010.8.2 富山
5番線に停車中の475系6両編成を4番ホームから撮ると、このようになります。 停止位置は4番線と同様なので、普通列車同士の並びシーンも容易に撮ることができます。 加えて普通列車は4番線と5番線で発着するものが多く、じっくりと撮るには好都合と言える でしょう。 |
2010.8.3 富山
6番線に停車中の475系6両編成です。 富山駅ではここ6番線のみ線路を挟んだ撮影が
できません。 しかし6番線は下り特急の発着ホームとして頻繁に使われており、むしろここに発着する 普通列車の本数は少ないので、今回の私のように特急を目当てにしないのであればかえって 都合がいいことではあります。 |
泊駅の中線で折返し停車中の475系3両編成です。 泊駅では中線と米原方面行きホームが同一面になっており、中線停車中の列車を直江津方面 行きホーム (駅本屋側ホーム) から海側を撮ることができます。 光線状態は午後2時頃以降に米原方から撮るのが良さそうです (この写真は 昼頃に直江津方から撮影) 。 なお参考までに、泊駅と同じようなホーム・線路配置の駅としては小杉駅、美川駅、大聖寺駅が あり、反対に中線停車中の列車の山側が撮れる駅としては黒部駅、呉羽駅、越中大門駅、松任駅が あります (あくまで「配置の上」では。 いずれの駅でも撮影していないために 実態はわからない) 。 |
高岡駅での撮影ですが、当駅では北陸本線普通列車の折返しや特急待避による数分程度
の停車があり、当初駅の配置図のみを見て城端線ホームから撮れるかな? と思っていました
が、両線の間には数本の引込線があり (画像ではちょうど貨物列車が停まって
いる) 、駅舎・跨線橋の影となる部分も大きくなるようで、線路間には支柱も立って
います。 折り返し・待避列車の本数も含めて考えると、高岡駅には富山駅ほどのうまみは
ないと言えそうです。 ちなみに写っている車両はクハ419-2で、以前掲出されていた『TOWNトレイン』ヘッドマークの 取り付け座? は残存しているものの、貫通扉と愛称表示幕は平滑に埋め込まれています。 |
続いて、野々市駅の状況です。 まずは2008春 北陸〜関西まったり紀行 ページから再掲の画像をご覧頂きます。 このように朝ラッシュ時の撮影には良好な光線状態 だったので、2年ぶりに行ってみたのですが・・・ |
2010.8.4 野々市
新幹線の高架橋が北陸本線の山側に寄り添うように建設されており、線路全体がその陰に 入ってしまう日は近いようです。 |
2010.8.4 野々市
419系6両編成が321M・金沢行きとしてやってきたので、撮りましたが・・・ |
2010.8.4 野々市
停車中の6両編成列車は、既に陰に隠れる部分が多くて晴天下での撮影は不向きのようです。 ホーム端から駅進入シーンを狙うにはまだ良いのですが (ただし柱の類が林立 しているのでその処理が課題ではある) 、高架橋建設工事が進めばそれも期待できなく なります。 影を気にする必要がないくらいの曇天か太陽の位置が逆になる夕方であれば撮れ ないことはないのでしょうが、微妙な気はします。 |
野々市駅での撮影は不可能と判断し、急遽次の福井方面行き電車に乗ってロケハン兼前展望を
することになりました。 そして前回通った時は座っていて何の印象も持たなかった加賀笠間駅
に差し掛かったとき、光線状態・線路配置といった条件が揃っていることがわかり、ここで撮る
ことにしました。 写真はここまで乗ってきた1418M小松行き・475系6両編成を、福井方面行きホームの停止目標 付近から後打ち。 |
2010.8.4 加賀笠間
521系クモハ521-13ほか2両編成による329M金沢行き (右) と、
419系クモハ419-12ほか3両編成による326M小松行き (左奥) 。 加賀笠間駅の直江津方面行き停止目標は2両編成でも6両編成でも同じで、編成両数の違いに よって最後尾の停止位置がずれるようになります。 跨線橋が入ってしまうものの背景が野々市駅ほどうるさくないので、撮影条件は良い部類に 入るのではないでしょうか? なお、駅の周辺を少し歩いてみた限り、コンビニエンスストア の類は見当たりませんでした。 |
福井駅は前回時点で既にしっかりとした屋根付きの高架駅となっていて、金沢駅ほどでは ありませんが構内が昼間でもやや暗くなっています。 この写真の撮影データはISO100、F2.8、 1/30秒で、絞り込むなどしてきちんと撮るならばISO感度を高くするか三脚を使うかが必要で、 やはり撮影には不向きのようです。 |
敦賀駅では、列車によって発着ホームが異なるのでしょうが12時01分着の230Mは駅舎から
一番離れたホームに着き、線路を挟んだ撮影ができないどころか車内点検後新疋田方の
引上げ線に転線してしまうのでちょっとしたスナップ程度しか撮れません。 車両はクハ419-5で、貫通扉の痕跡は残り、愛称表示幕の開口部はガラスの代わりに鉄板で 塞がれているようです。 |
北陸本線の列車という点では番外編になりますが、これまた引退が迫っている高山本線の
キハ58形です。 平日限定で富山〜越中八尾間で朝に2往復しているそうです。 写真は越中八尾発富山行き857Dで、この列車は当駅・西富山で越中八尾行き856Dと行き違いを 行ないますが、857Dは先着後発で、西富山駅で待ち構えていればごく軽く編成写真を撮りつつ ホームを移動して857Dに乗るだけの時間的な余裕はあります。 なお、越中八尾駅での852D 〜857Dの折り返しは場所・光線状態ともに撮影には全く向きません。 |
次のページでは、今回の旅行中に撮った 写真をいろいろご覧頂きます。 |
2010.8.13 エムサ菌