北総線観察記@エムサ菌総合研究所
その他の話題

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 このページでは、成田新高速鉄道に関係する「ページごとに触れるほどでもない話題」に ついて取り上げてまいります。

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ロングレール化

 成田新高速鉄道が開業すると、列車の運行頻度が上がり、また運転速度も高くなるので、 騒音発生の機会が増えるとともに騒音レベルも上がることが懸念されています ( 少なくとも7500形は他形式と比べて間違いなく静かではあるが)
 それに対応するためか、レールの継ぎ目を溶接して騒音を少しでも減らそうとする『ロング レール化』が行われています。

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2009.12.4 新鎌ヶ谷−西白井

 高砂起点・14.9km地点にに設置された、ロングレールの伸縮継目です。 この部分のレール だけ側面が錆色ではなく黒色になっていて、取り替えられて間もないことがわかります。

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2009.11.1 西白井付近

 10月終わりに西白井駅に運び込まれた伸縮継目です。 この時点で同駅構内の線路脇に 溶接されたと思しきレールが準備されていたので、駅構内のロングレール化に使われたものと 思われます。

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2009.12.4 新鎌ヶ谷

 『新鎌ヶ谷駅改良工事』ページからの再掲で、わかりにくい 画像ではありますが。 新鎌ヶ谷駅構内の上下線間に溶接されたレールが準備されています。  下り本線は継ぎ目のあるレールが使用されているので、おそらくここもロングレール化される ものと思われます。

(この項の最終更新日 2009.12.5)

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速度制限標の整備

 成田新高速鉄道の開業により北総線区間の最高速度が130km/hに引き上げられますが、 それに伴ってそれまで認可最高速度 (105km/h) の範囲内であれば フリーで走れていたいくつかの地点に、新たに速度制限がかかるようになります。 そこで 2009年11月あたりから速度制限標の整備が行われています。
 具体的には、新鎌ヶ谷‐西白井間の上り線・粟野トンネル入口付近に『115』、新鎌ヶ谷駅 手前に『125』、同・下り線新鎌ヶ谷駅先に『115』といった標識が見られます (数字 に間違いはないと思うが、走行中の列車から見た「記憶」なので間違っていたらご勘弁)

 一方で、京成電鉄では各駅の出口にその次の駅までの最高速度を種別ごとに記した標示を設置 しています。 スカイライナーと一般特急については北総線内でも京成電鉄の乗務員により運行 されますが、北総線では従来駅間最高速度を示す標示が無かったため、それについても整備され ました (京成乗務員による習熟運転が始まった、2010年3月下旬頃に整備された 模様)

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2009.12.16 新鎌ヶ谷‐大町間

 上り線・新鎌ヶ谷‐大町間に出現した『120』の速度制限標です。 これまでの北総線では、 標識を設ける必要が無かった速度です。

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2010.5.6 新鎌ヶ谷

 駅間最高速度を示す標示です。 『AE』とはスカイライナーのことで、種別の右側の数字が その次の駅までの駅間最高速度です。 表示板表面は光に反射する素材が用いられています。
 『普通』『急行 (下り線の場合) 』の速度が記されていませんが、 京成電鉄の乗務員が担当するのがスカイライナーと特急に限られ、また今まで北総線にこのような 標示が無かったことを考えると、納得です。

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2010.5.6 新鎌ヶ谷

 新鎌ヶ谷駅下り線の上り方向にも、駅間最高速度の標示が取り付けられています。
 京成電鉄の例では待避線がある場合待避線が本線に合流した先にこの表示があったように 思いますが、少なくとも新鎌ヶ谷ではホーム端の柵に各線ごとに独立して標示が用意され ました。 一方で、矢切駅上り線ではホーム端が狭くまた地下線という条件があるからか ホーム端の壁面中央に1枚のみ掲げられています。

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【左】2010.5.6 西白井  【右】2010.6.4 青砥

 北総線内に新たに整備された標示の基本的な様式は京成電鉄のものと同じと思われますが、 撮影をしていて標示板自体のサイズも京成電鉄のものと比べて大きくなっているような気が したので、画像で比較してみます。
 左の画像 (閲覧環境によっては上) は北総線のもの、右の画像 (同じく下) は京成線のもので、記載されている種別数が異なる ために単純な比較はできませんが、以前京成千葉線で見た標示 (『特急』 『普通』の2種類を記載) は文字サイズが青砥のものと同じ程度で、標示板サイズは 文字と段数に合わせて小さかったと記憶しているので、やはり北総線のものは高速運転時の 視認性を確保するため大きくしたようです。

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2009.12.16 東松戸付近

 速度制限標ではありませんが、東松戸駅ホーム端進入側には駅名が書かれた標識 (表示) が設置されました。 それまで北総線内でこのような 表示を見たことがなく、成田新高速鉄道の受け入れに備えて失念などによる停車駅通過を 防ぐために整備されたものと思われますが、2009年2月に特急と急行も停車するように なったので、あるいはその際に整備されたものかもしれません。

(この項の最終更新日 2010.6.17)

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乗車券の券紙変更

 一般に、乗車券の紙 (ここでは便宜的に「券紙」と呼ぶ) には 「地紋」が印刷されています。 北総鉄道では、地紋に淡い青色で『HOKSO』のロゴと7500形の 側面帯デザインを取り入れたオリジナルの券紙を使用していましたが、最近になって広く 見られる『民鉄タイプ』の地紋が入った券紙へと切り替えが進んでいます。
 とはいえ、北総開発鉄道当時は民鉄タイプの券紙を使用していた (社名変更 時に現在のものとデザインが異なるオリジナル券紙へと一斉に切り替えた) ので、それ に関してのみ言えば5年3か月前の姿に戻ったことになります。
 2009年12月4日時点では、新鎌ヶ谷駅と西白井駅の傾斜型券売機で発行される乗車券が『民鉄 タイプ』に変更済みで新鎌ヶ谷駅の直立型券売機では未変更で『HOKSO』、12月16日時点で 西白井駅の直立型券売機では未変更でした。 その後新鎌ヶ谷駅の直立型券売機では2010年 5月1日から6日の間に民鉄タイプの券紙に替えられたようです。
 コスト削減とともに成田空港まで開業した際の取り扱いの問題があると思われますが、切り替え が一気に進まないのは旧券紙の在庫と印刷向きの違いによるのかもしれません ( 傾斜型機は「横」、直立型機は「縦」となっているため)

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 『HOKSO』券紙の乗車券類です。 新鎌ヶ谷駅は新京成線の駅業務も北総が受け持っており、 自動券売機も全て共用となっているので例外なく北総券紙の新京成線乗車券を買うことができ ましたが、それももう叶わなくなりました (普通乗車券における『(北総鉄道) 新京成線』の表記は変わらないが)

(この項の最終更新日 2010.5.7)

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C-ATSの部分使用開始

 北総鉄道の自動列車停止装置は、京成線・都営地下鉄浅草線に乗り入れている関係で『一号形 ATS』と呼ばれるものが使用されていましたが、国土交通省の省令改定により信号保安設備に 求められる機能・性能が向上し、また成田新高速鉄道による高速運転に対応させるため、新型 の自動列車停止装置『C-ATS』の導入工事が進められています。
 北総鉄道では一部の閉塞取り扱い駅から切り替えられており、2009年12月30日時点で上り線・ 京成高砂駅構内を除く上下線の閉塞取り扱い駅 (京成高砂・矢切・東松戸・ 新鎌ヶ谷・小室・印西牧の原・印旛日本医大) 近傍で供用されているのを確認して います。
 機器は一号形との間に互換性があり、切り替えは自動、切り替えの際に金属ベルが1打鳴動 します。 (車種により「チン!」とも「チリン!」とも聞こえるので、単打 ベルかそうではないものをごく短時間鳴動させているのか、違いがあるようです。)

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2009.12.30 北国分

 一号形区間からC-ATS区間に移る場所には、黄地黒文字の表示があります。 第1閉塞信号の 建植位置を切り替え地点にしているところが多いようです。

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2009.12.30 小室

 C-ATS区間から一号形区間に移る場所には青地黒文字の表示があります。 こちらの切り替え 地点は信号機の建植位置とは無関係のようで、分岐器が終わってすぐの場所に表示だけが 立っているという事例が東松戸駅や印西牧の原駅などで見られる一方、画像のとおり小室駅の 上りでは出発信号機の建植位置が切り替え地点になっています (出発信号機 の先に分岐器がないため?)

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2009.12.30 印西牧の原


2009.12.30 東松戸

 C-ATS使用区間の出発信号機手前で見られるようになった標識です。 ホーム中ほどには 黄地黒文字の『B』が、出発信号機のすぐ手前には赤地白文字の『A』(画像は 『東松戸駅改良工事』ページからの再掲)が、それぞれ立っています。
 これらがどのような役割を果たしているのかはわかりませんが、出発信号機との距離がほぼ 一定のように見受けられたので、ブレーキパターンの制御に関係しているものと思われます。

(この項の最終更新日 2010.1.1)

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カントの引き上げ

 松飛台駅は構内が曲線上にあり、この駅を通過する平日朝の上り特急と同じく夜の下り急行 に対しては90km/hの速度制限がかけられていました (一時期通勤で急行に乗って いた時の印象ではもっと遅かったような気がするが) 。  通過列車が少なかったからか、この曲線のカントはそれほど急だったような印象はありませんで したが、2009年12月30日に下り列車の最前部に乗って松飛台駅に到着した際、停車した状態での 傾きがかなり大きく感じました。 念のため列車を降りて構内を見渡してみたところ、上下線間の バラストに金網のようなものが縦に埋め込まれていて、下りホームの縁石と舗装が見るからに 新しくなっているのがわかりました。 そしてこの時は気付きませんでしたが、その少し前 時点で「90km/h」の速度制限標識とは別に「110km/h」の速度制限標識が新たに設けられて いました。
 松飛台駅を含む区間は普段あまり乗らず、しかも過去この駅に降り立ったのが2・3回程度と 少ないため、以前ここがどうなっていたのかわからないのですが、今まで上下線間の金網を 見た記憶がないことと (見れば気付いているはず) 、バラストを 追加したようにも見えるため、高速運転に対応するべくカントを引き上げ、それに合わせて ホーム高さも揃えたのではないかと推測しました。

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2009.12.30 松飛台

 画像からはカントの度合いはわかりませんが、問題の「バラストに埋め込まれた金網のような もの」が確認できます。 この時点で金網はホーム中ほどから下り方に向かって埋め込まれて いましたが、順次上り方向にも延ばしていったようで、2010年1月26日に現地を見たところ 駅を含む前後区間に連続して埋め込まれていました。
 そして3月23日時点で速度制限標が新たに設けられたものだけになっていました。 カントの 引き上げにより速度制限が緩和されたとみてほぼ間違いないと思われます。

 また余談ながら、1月時点で、松飛台駅前後の直線区間のバラストが不自然に盛られて いましたが、これは道床の厚みを増やす途中なのでしょうか?

(この項の最終更新日 2010.4.2)

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印旛日本医大駅配線変更工事

 千葉ニュータウン鉄道の終点・印旛日本医大駅は、成田空港まで開業することによって中間駅 となるものの、事業免許の関係で北総鉄道の列車は現行どおり印旛日本医大駅が終点となる ため、当駅での折り返し列車が相当数残るものと思われます。 しかし従来の1面2線という 線路配置のままでは折り返し列車が本線上を塞ぐ時間が長くなってしまい、全体の列車運行本数 が増える上での足かせとなってしまいます。
 そこで、駅の下り方に引き上げ線を2線建設する工事が行なわれました。

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2009.12.30 印旛日本医大付近

 下り方に設けられた引き上げ線です。 画像手前に印旛日本医大駅があり、奥が成田空港方面、 外側の2線が『成田高速鉄道アクセス』によって建設された新線、中央2線が引き上げ線です。
 新線の、道床構造が変わる部分に木の板が置かれています。

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2009.12.30 印旛日本医大

 駅ホームから上り方を見てみます。 駅の上り方にあった両渡り線は片渡り線に変更された ため、下り線から上り方面には列車が出せなくなっています。

(この項の最終更新日 2010.1.1)

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新線建設工事の様子

 『北総線観察記』という枠の中では番外編となりますが、成田高速鉄道アクセスの手によって 印旛日本医大駅−成田市土屋間で行われている新線建設工事の様子を、ちょっと眺めて みましょう。
 とはいえ、2009年12月末時点ではほとんどの工事が終わっているようですが・・・

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2009.12.30 印旛村舞姫

 印旛日本医大駅東側の様子です。 画像奥の「塔」が印旛日本医大駅です。
 ここは160km/h運転区間になるので、道床にはコンクリート直結式を、架線にはコンパウンド カテナリ式を、それぞれ採用しています。 電車線は張られて間もないようで、銅色に輝いて います。

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2009.12.30 印旛村舞姫

 上の画像の反対側です。 コンクリートで固められた山林を一直線に貫く線路は新幹線の ようで (その割には線路の起伏が激しいようだが) 、千葉の田園 風景には今一つ似合いません。
 信号は早くも点灯しています。 1月上旬には架線への送電が始まるらしく、まもなく ここを試運転列車が行き交うことでしょう。
 なお、線路の手前で行われている土木工事は国道464号線の建設工事です。

(この項の最終更新日 2010.1.1)

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京成車の試運転

 2009年11月の終わりごろから新型スカイライナーによる試運転が深夜に行なわれていた ようで (某巨大掲示板の書き込みによる) 、線路から徒歩7分ほどの ところにある自宅でも深夜3時ごろに走行音が聞こえることが時々ありました。
 年が変わってしばらくは音を聞く機会が少なかったように思いましたが、3月中旬に試運転 を告知するポスターが一部駅に掲出され、3月下旬より時間帯を昼間にも拡大して行い、運転 回数も多くなる・・・ という内容を伝え聞きました。 私は2010年5月にようやくその ポスターの現物を拝見しましたが、それによれば京成成田空港線の列車を担当する京成乗務員の 北総線内での習熟がこの試運転の目的だそうで、予定では開業前日の7月16日まで行なわれる そうです。

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2010.3.27 千葉ニュータウン中央付近

 千葉ニュータウン中央駅に停車中の、京成3001編成による下り試運転列車です。
 京成車の北総線乗り入れ機会は長いこと少なく、撮影時点でのダイヤでは平日夕方に2往復 が乗り入れてくるだけだったので、北総線内で見る京成車はただでさえしっくり来ず、加えて 昼間ときているので余計に強い違和感のようなものを憶えたものです。 その後2010年5月の ダイヤ改正では本数が増え時間帯も拡大したものの平日のみ4往復と京急車より依然として 少なく、試運転の運転回数が定期営業列車での乗り入れ回数よりも多くなっています。
 試運転列車には京成3000形50番台車も入っていますが、私が5月末頃までの間に何度か見かけた 限りでは京成3000形6両編成車が入るのが多かったようです。

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2010.6.17 西白井付近

 新型スカイライナー・AE形の搬入も順調に進んでいるようで、これの試運転も頻繁に 行なわれています。 AE形が新鎌ヶ谷駅に停車するシーンも見られ、試運転ならではの光景 と言えましょうか。
 余談ながら、スカイライナーの通過運転により騒音が大きくなるのではないかという 懸念も無くはなかったのですが、実際に通過シーンを見てみるとそれほどうるさくは感じ ませんでした。 それらは技術の向上によるものなのでしょう。

(この項の最終更新日 2010.6.17)

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2010.6.17 エムサ菌