アニメの舞台を訪ねて (聖地巡礼)
2006年08.01訪問
アニメやまんがの舞台となった地を訪問することを俗に「聖地巡礼」というらしい…。
そんな聖地を久々に訪れてみました。
訪れる場所は、「おねがいティーチャー」「おねがいツインズ」で知られる木崎湖周辺。
今回は、徒歩での木崎湖一周に初挑戦します。
深夜1時起床。眠い目を擦りながら甲府駅に移動。臨時のムーンライト信州を待ちます。
やって来た列車は183,189系の国鉄色。(甲府駅)
夜行に乗って長野入りします。18きっぷが使え、しかものりかえ無しで白馬まで行けるのですから、今回の旅にはまさにおあつらえ向きと言えます。
9両編成と長い上、グリーン車つき。グリーンに乗っていきたい気分もありましたが、18きっぷが使えないのでパス。
車内はデラックスシート装備で快適そのもの。
期待していた放送チャイムは松本到着前では鳴らず、終点白馬に期待。
やがて穂高あたりで雨がポツポツ降り出し、信濃大町過ぎて本格的になってきた。
さすがの晴れ運も、都合よく毎度毎度という訳にはいかなかったようで。
まもなく白馬到着時間となり、放送チャイムが鳴る。今までなかなか聴く機会に恵まれなかった曲で、今回見事に録音成功。
ムーンライト信州81号が白馬駅に到着。
時刻はまだ5時半。雨模様ということもあるだろうけど、さすが白馬は涼しい…。
しかし、駅に着いたものの、予想すらしていなかった雨に途方に暮れる。
先日梅雨明けしたばかりで、まさか雨が降るとは思ってもみなかったのである。
ここでジッとしていても仕方ない。これから先、メシに在りつける保障は無いので、駅前に出て食い物を捜すため、改札を出ることにする。
まだ6時前ですが、運が良ければ登山客用に売っているおにぎりが手に入るかもしれない。
白馬駅前のロータリー。バス停の脇でおにぎりが売られているが、毎日出店しているとは限らない。
駅前に出てみると、運良くおにぎり屋さんが露店を出していたので、さっそくおにぎりをゲット。各駅停車の信濃大町行きが来るまで少し時間があるので、さっそくその場でおにぎりを食べることにした。
うめぼし、シオジャケ入りです。
E127系 (白馬駅)
やがて、6時9分発の信濃大町行きが来たので乗車。2両のワンマンです。これに乗って海ノ口まで行きます。
しかし、せっかく行っても雨が降っていては散策が不可能なので、雨が止む気配が無かったら信濃木崎まで戻り、近くのローソンで傘を購入してから散策、という予定でいくことにします。
海ノ口駅待合室。以前は置いてあったおねティ&おねツイグッズは片付けられ、ノートだけになっていた。
海の口駅に到着。雲は相変わらず立ち込めているものの、不思議と雨は止みました。
私の晴れ運もダテではないようですね。
しかし、再び降り出す危険性も否定できない。荷物になるとはいえ、願わくば傘があった方が安全と言える状況です。
待合室をグルッと見回してみると、運良く折り畳みの置き傘があったので、これを失敬していくことに…。
またここに戻ってくるので、それまでちょっとお借りすることにします。
ノートがありますが、記帳は散策を終えて駅に戻ってきた時に出来ます。海ノ口駅見学は後回しにし、ひとまず出掛けることにしました。
このように湖を北からグルッと回ります。
まず目に付いたのは神社。諏訪神社というらしいですが、同じ名前の神社は全国各地に幾らでもあります。
しかし、ここの神社は以前から何かありそうだと思ってチェックしていた神社でした。
あらかじめ家で印刷しておいたアニメのワンシーンと、この場所の風景を照らし合わせてみます。
右がアニメでのシーン。左は実際の風景。似てると言えば似てます。
多少の素材感や遠近感などの違いはあるものの、小道具類は殆ど同じ所に同じものが配置されているので、アニメでこの場所が参考にされたことは間違いなさそうでした。
せっかくなので神社の敷地の中に入ってみました。
足元がコケで物凄く滑ったのが印象的でした。
どうやらヒカリゴケの自生地らしく、それを示すプレートが飾られていました。
更にいろいろ調べていると、面白いもの発見。
うおっ…木のボットン! しかも便器が洒落ている。奥でひっくり返っているものは灰皿です。
木のボットン発見。便器が特注かと思われる洒落たセトモノで出来ていて小の方も洒落た便器で出来ていました。
神社を出てすぐ右手には、神城麻郁の借家のモデルとの噂のある家が見えていました。
実際には写真よりもう少し先の緩い右カーブがアニメでの場所みたいです。
どうやらガードレールは違うみたいです。実際はカーブもアニメほどきつくなく、家の庭の湖側にあるべき大きな樹木もアニメでは省かれています。窓の位置も違いますが、それ以外は非常に似ている点が多いです。
他にここほど立地条件の似た家は見当たらず、やはりここが神城麻郁の借家のモデルとみて間違い無さそうです。
ではもう少し近寄ってみましょう…
神城麻郁たちが持っていた幼少時の写真は、恐らく左の写真の位置から写しているものと思える。
今回問題にしたいのは、幼少時に神城麻郁の借家の前で写真を撮った場所。確かに同じような場所は確認出来ますが、アニメでは遮る木々が無く、家が綺麗に写っているものの、実際同じ所から写真を撮ろうとすると、これでは間違いなく木陰に遮られてしまいますね。
しかし、それではこの背景を描く意味無くなってしまいますし、都合で木を省いたのでしょう。
…実はプールがあるのはこの斜面かも…とも思ったのですが、プールやバケツの中の水の偏り方や、小さい麻郁の立ちポーズが少し不自然である。どう見ても道路の傾斜が緩すぎるのだ。これだけの傾斜ですと、麻郁クンはもっと足を踏ん張らないと倒れてしまう。やはり傾斜を登り切った(写真で車が沢山停まっている場所)広い場所にプールがあるのかも。
たしかアニメでは古い廃屋がこの上に一軒あった筈ですが、ここからでは確認出来ません。かと言って上まで見にいくのも気が引けました…
車道のガードレールもアニメでは一般的な白いものですが、実際は全然違いますね。
とりあえず、ここもアニメでは脚色がかなり入っている、という結論でした。
時刻は7時を過ぎた頃ですが、雨はもう降り出す気配は無く、徐々に雲が切れ始めてきました。大して暑くはないですが、湿気が凄くて不快です…。
いよいよ海ノ口キャンプ場へ
7時15分、海ノ口キャンプ場に到着。おねがいツインズ最終回の舞台となったあのキャンプ場かもしれません。アニメを観た記憶を頼りに喜んで入っていたのですけど…
海ノ口キャンプ場入り口
思っていたイメージと随分ギャップがあります。こんな建物あったっけ…?
たしかアニメでは平らな土地の林の中にあるキャンプ場だった気がします。
傾斜のある土地にロッジというか、バンガローというか…キャンプ小屋のような建物が点在しています。
しかし、このキャンプ場は、段々畑に小屋が建っているような印象です。土地も狭く、アニメで観た広々とした印象と随分違います。本当にここがアニメの舞台になっていたんだろうか?
アニメでのワンシーン。駆けて来る小石の周りはどう見ても平らである。
持っていた一枚の画像と照らし合わせてみても、雰囲気が全然違うし、小石の後ろにある建物と似た建物がどこにも無いです。
似ても似つかない建物ばかりだった。
跨が霊に襲われた桟橋なのか?
佇む跨に幽霊が襲った桟橋?
しかし、アニメではこれ程短い桟橋ではなかった気がするのだ。
改めて右のアニメでのシーンと比べても何か違うようである。
結局、何も手掛かりを得られないままこの場を離れざるを得なかった。
なお、ここでテントを張っていた人が僅か一人だけいたことを付け足しておきます。まことに天晴れである。
7時45分。視界が開け、目の前に何となく見覚えのある風景が広がった。これはもしや…
向こうに見覚えある桟橋が見えてきた。
人が殆ど居なかった海ノ口の淋しいキャンプ場を出て20分あまり歩きました。
そろそろ歩き疲れたなあ…という頃になって、ようやく視界が開けてきました。
遠くからキャーキャーという子供のはしゃぐ声が聞こえ、テントのようなものが見えます。どうやらあの向こうにもキャンプ場のようなものがあるようです。
地図には載っていないキャンプ場があるようだ。
地図には何も記載が無いし、初めは遠くてハッキリ判らなかったものの、歩いてだんだん近づいていくにつれて、これはキャンプ場に間違いなという自信がついてきました。
ここはまさに駆けて来る小石のバックにあった建物と同じ建物です。
まず目に付いた建物です。ここはやっぱりキャンプ場で、この写真の建物が管理事務所のようです。
自動販売機の位置など若干の違いはあるものの、小石が駆けて来るシーンで後ろに見えてた建物そっくりです。
周りを見ても、間違いなくここが最終話に舞台になったキャンプ場であると言えそうですね。
後日情報でわかったのですが、この管理棟の中にも「おねがい」関係の訪問ノートや色紙などが飾られているようだ。
お願いすれば中を見せてもらったり、ノートに書き込みも出来るらしい。
傾斜の多い海ノ口キャンプ場と違い、平らな地形だ。
周りは平坦な地形で、キャンプ場自体はアニメほど広くはないものの、雰囲気は海ノ口キャンプ場に比べれば、遥かにアニメに近いです。
少しですが、砂浜もきちんとありました。
こ、ここはもしや…
ここには立派な桟橋があり、釣り人が沢山見られます。もしやここが噂の「みずほ桟橋」か?
跨が幽霊に襲われた場所がここだと仮定したなら、桟橋の長さといい、風景といい、アニメとピッタリ当てはまりますね。
この桟橋は、森野会長が麻郁の家を偵察していた桟橋に違いない。
歩けば歩くほど、アニメで見覚えのあるものがゴロゴロと出てきます。上のコの字に曲がった桟橋もその一つ。まさに森野苺が麻郁の家を覗いていた桟橋ですよ。
しかし、ここから麻郁の家まではそうとう遠い…。
麻郁の家のあった場所を望遠鏡で覗くとなると、天体観測用くらいの高価なものを使い、且つ空気が澄んでいないと絶対無理だ。
なんと温水シャワー付き
キャンプ場の隅にトイレがあり、その脇になんとシャワー室を発見。
どうやらこの湖は一応泳ぐことが可能なようです。見た目より綺麗なんですね…。アニメだけの設定かと思っていました。
でも、水浴びしていた人はいたけど、泳いでいた人はさすがにいませんでした。
キャンプ場の看板
一通り視察を終え、通りに出ると、看板がありました。
何だ、ちゃんと名前あるんじゃん…
しかし、地図に載ってた海ノ口のキャンプ場よりも、こちらの木崎湖キャンプ場のほうが遥かに人が多く、土地も設備も充実していました。
でも、静かな高原の雰囲気を楽しむなら傾斜と緑の多い海ノ口のキャンプ場も悪くない…
ついに湖を半周しました。
心配していた天気はすっかり回復し、もう雨が降る気配はありません。
いよいよ日が射してきてきました。
時刻は8時をまわり、むしろ暑さが心配になってきます。
一旦湖のほとりを離れ、小高い丘の上に神社のような史跡を左に見て、再び湖畔の道に入ると、旅館が右手に何軒か見えます。さらに湖畔を進むとアヒルの乗り物がズラッと並んでいました。
木崎湖では御馴染みの乗り物
アニメでも何度か出てくるアヒルの乗り物。何隻も見えます。このアヒルのボートは星湖亭さん所有です。
ボートの下にはブラックバスの稚魚がウジャウジャと泳いでいました。
こんなに繁殖して生態系は守られているのか心配。
釣るのにお金がかかるところを見ると、まさかここでもバスを放流しているのだろうか?
地図を見ると、木崎湖の中でも賑やかなところのようです。
さあ、ついに星湖亭の前に辿り着きました。
ここはアニメのスタッフロールに必ず登場するお店。何かあるのは確かです。
店舗を覗くと店先に「おねツイ」のポスターがあり、喜んでいると
「中にどうぞ」
と勧められた。どうやらその筋の人とすぐに勘づいてしまったようです。
「奥にいろいろありますから、よかったらどうぞ見てって」
お言葉に甘えて奥へ…
お店の方はなかなか気さくです。
お店の中は食堂兼お土産屋さんのようです。
入ってすぐ手前はお土産、奥にイスとテープル、カウンターが並び、食堂の雰囲気。
壁には魚拓や魚の剥製や湖の写真が飾られていて、演歌歌手などの有名人の色紙もあります。
まあ、よくある湖畔の食堂っぽい雰囲気ですね。
…と思いきや
やはりただの店では無かった…
壁いっぱいの声優さんの色紙の数々。さらにスタッフも混ざっての寄せ書きも。
バスツアーで訪れたのか…?
それ以外にも、大友克洋さんのサイン色紙もあり、同氏が専門学校の生徒に連れられ、スチームボーイのTシャツを着てここを訪れた時の話をじっくり聞かせてくれました(笑)
まりえカレー
せっかくなので、朝早いけど食事が出来るか訊いてみると、出来るということなので、それならご当地メニューを食べようと
「まりえカレー」を注文。
まりえカレーの「まりえ」とは、アニメに登場する「風見みずほ」先生のマスコットみたいなもの。
正式には「生体コンピューター」とのことらしいです…。一応喋るけど、「の」しか言えません(汗)
この「まりえ」を模した卵が1個入ったカレーがこの「まりえカレー」
味は甘口レトルトカレーに近い。
一食735円(込)
正直に言うと「高い」という感想。
版権料込み込みのお値段なのかと思ってしまいます。
テーブルの上には濃ゆい資料の山。訪問ノートもあったので一筆描いてみました(笑)
食事のかたわら、テーブルの上に置かれた訪問者の残していったと思わしき資料の山を漁ります。
どれも濃くて楽しめるものばかり。しばらく見入ってしまいました。皆さんイラストウマすぎです。
訪問ノートもあったので、一筆足跡残していきました。一応森野会長を描いたつもりなんですけど(汗)
初描きなので許してください。
50分ほどお邪魔し(かな〜り長居です)、
足の疲れもすっかり取れたので、ここらでおいとますることにします。
外はすっかり晴れ上がり、かなり暑そうです…。話によると、昨日も非常に暑かったということです。
星湖亭を出て、時間は9時20分を回りました。
ここに来たら、絶対に行っておかねばならない重要な場所が星湖亭のすぐ隣りにあります。
星湖亭の隣りの公園は、「おねがい」シリーズ最大の名所。
さあ、これらの遊具は「おねがい」シリーズを欠かさず観ていた方ならば誰でも見覚えがあり、「!」と気がつくものばかり。
オープニングや、劇中に何度も出てきたお馴染みの場所がココです。
「おねがいツインズ」オープニングのワンシーン(左)と、「おねがいティーチャー」の一場面。(右)
滑り台は非常に特徴があり、アニメにも頻繁に登場します。
右の「おねがいティーチャー」のシーンと同じアングルを実際に再現したかったんですが、このシーンは赤い地球儀の遊具が邪魔になっているようですね。ちょっと無理っぽい。しかも赤い3人掛けのイスが無いし、このアングルで写真を撮ろうとすると、滑り台のアングルが微妙に違い、アニメと同じになりません。
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