初めての初詣2007 (2)
根府川から東京行きの列車に乗り、思うことあって藤沢で途中下車。
「このまま戻っても0時まで軽く4時間はあるしな」
こういうフットワークの軽さが18きっぷの魅力だったりします。
で、藤沢なんかで降りちゃってどうするのかと言えば、江ノ電への乗車です。
よく考えてみたら、私はまだ一度も江ノ電に乗っていません。いい機会なので、このチャンスに一度乗っておくことにしました。
江ノ電 藤沢駅
ご覧の通り、まだ夜8時だ。時間は有り余っています。江ノ電は列車の本数が結構あるし、終日運転実施路線の一つに入っているようなので、初詣が終わったあとも時間潰しに楽しめそうです。
しかし、夜になって益々気温が下がって寒くなってきました。今夜は冷えるかな…。
江ノ電は殆どが4両編成で、路面電車にしては乗客が意外に多い。
江ノ島電鉄には吊り掛け車両が配備されているという噂を耳にしたことがありましたが、耳を澄ましていると、それっぽい音が去っていくのが聞こえる。
どうやらきっぷを買っている隙に行ってしまったようだ。
他にも吊り掛け車が来ることを願って1本やり過ごしたりして待ちましたが、いいかげん寒くてこれ以上待っていられず、次の列車に乗ってしまうことにしました。
鎌倉駅
そのまま乗り通して鎌倉へ。
テレビなどで、どんな路線かはだいたい知っていましたが、実際乗ってみるとこれまた中々よかった。
短い路線にもかかわらず、途中で路面に差し掛かったり路地裏に出たり海辺を走ったりするので、車窓が変化に富んでいて飽きません。これで明るい時間なら文句無いのですが…。
時間はあるので、明るい時間なら適当なところで降りて散策というのも考えますが、真っ暗では散策してもしょうがない。
時刻は21時、ひとまず横須賀線で東京へ戻ります。
東京から京浜東北線に乗り換えて日暮里で降り、ここから京成電鉄に乗り換えます。
京成電鉄に乗るのは2度目ですが、上野方からの攻略は初挑戦です。
張り紙やポスターがJRとは異なるものが多く新鮮。
というか、何より運賃の安さが特徴的でした。
…そうか。スカイライナーって京成電鉄の列車だったんだ…。
などと変な事に関心。
柴又駅前は既にお祭り気分一色。
京成高砂でしばし列車を待って、金町線に乗り換え。金町線の列車で柴又下車。
着いたのは23時です。藤沢から随分時間が掛かりましたが、この時間になると都内でも列車本数がグッと減るので仕方ありません。
柴又の駅前参道は夜中だというのに昼間より人数が多いのではなかろうか。殆どの店が開店しています。
除夜の鐘の時間までまだ余裕がありますが、夜店を回っていれば一時間くらいすぐ経ってしまうかもしれませんね。
帝釈天の二天門
夜店をウロウロしていると、やがて祭り囃子の生演奏が聞こえてまいりました。
写真がその演奏。門の上に横笛や小太鼓で演奏しているのが見えるでしょうか?
テープで演奏を流すのが主流の今、生演奏が聞けるのは、こういった大手お寺や神社だけなんでしょうね。
カウントダウン30分前の帝釈天。
帝釈天の雰囲気はまさにお祭り。若者連れやカップルが多く、ふざけたり騒いでいる人もいて、警備の人も忙しそうです。
破魔矢やお守りなどを売っている人もハッピや普段着姿で、初詣という型に囚われない姿勢が伺えました。
とにかく、賑やか。一人で歩いている自分が妙に浮いています…。
そろそろ時間という頃になって、ぞろぞろと特設賽銭箱の前に人が集まってきて、身動きとれないくらいになってきました。
やがて門も一方通行の制限が設けられ、間もなく0時という頃になると、若者が大声でカウントし始めました。
そして、「零」の掛け声と共に「ゴ〜ン」と鐘が鳴りはじめ、一斉にお金が舞い始めます。
ガムテープを賽銭箱の前で広げれば沢山お金がくっつきそうです。
「遠くから投げるのは危険なのでお金は賽銭箱の近くまで来て入れて下さい」
警備員が拡声器で声を張り上げています。
そして知らず知らずに人津波が押し寄せ、私は賽銭箱の方にだんだん押し込まれて、お祈りなんかするどころではありません。
僅かな賽銭を無造作に放り投げ、押し潰されないうちに早急に退散するハメになりました。
本日の教訓 「帝釈天でカウントダウンは自殺行為」
テレビ中継もあるのか、カメラが3台ほど見えていて、大混乱の帝釈天でした。(写真は0時前のもの)
柴又から再び電車で日暮里に戻り、日暮里からJRで秋葉原へ。のりかえて中央線のお茶ノ水駅に向かいたかったのですが、電車がなかなか来る気配が無いので、歩いて御茶ノ水に行くことにしました。
改札を抜けると、秋葉原駅前のゲーマーズでは、深夜だというのに人が集まり、駅前の道路にはミント・ブラマンシュの痛車も。こんな時間に店の入り口でニューイヤーイベントでしょうか?
それを横目に御茶ノ水を目指し、御茶ノ水から地下鉄に乗り換え、溜池山王で下車。本数は少ないですが、地下鉄千代田線は終日運転なのです。
溜池山王で降りたのはいいのですが、地上に登ったところがドコなのかわからず、しばらく案内板を見ながらウロウロし、ようやく日枝神社に到着。
初詣…という事にはなりませんが、新年の参拝のため、鳥居を潜ります。時刻は間もなく午前2時半。柴又から永田町まで随分時間がかかってしまったようです。
帝釈天とはガラッと雰囲気の変わる日枝神社。落ち着いた初詣風景です。
日枝神社に再びやって来ました。
昼間は準備中だった夜店はお客さんでごった返し、活気に溢れていました。
お祭りの雰囲気が強く、警備員が常に拡声器で声を張り上げていた帝釈天とは全然違い、こちらは一歩中に足を踏み入れると、落ち着いた神聖な空気が漂っていました…。
中庭の方は参拝者、破魔矢や絵馬を買い求める人、お守りなどの厄除けグッズを買い求める人で参拝客が分散していて、「賽銭箱の前で押しくら饅頭」ということはありませんでした。実によく練られた配置だと関心しました。
賽銭箱の前に鈴が吊り下げられているのが神社の強みなのかもしれません。これなら参拝するには確かに順番よく並ぶより仕方ないですからね。人が賽銭箱を囲んで押しくら饅頭ということはあり得ません。
←本堂 ↑破魔矢、縁起物販売所 →参道&入り口 ↓出口
破魔矢や厄除けグッズなどを販売しているスタッフは全て巫女さんで構成されていて、効力や取り扱いなどを質問すればキチンと答えてくれました。こちらはあくまでもスタッフは聖職者にこだわっているのかもしれません。確かに巫女さんから手渡されればご利益がありそうですよね。
氏子さんは巫女さんの補佐的な役目で数人配備されているだけで、あとは全員巫女さんです。ある意味天国(笑)
本日の教訓 「巫女さん見るなら日枝神社」
帝釈天に行った時はどうなることかと思いましたが、こちらの神社で幸いゆっくりと参拝を終えることが出来、破魔矢とお守りを購入し、満足して神社から出てまいりました。
地下鉄の階段を降りると、何故か銀座線が動いているようなので、新橋まで地下鉄に乗車して新橋からJR線に乗りかえることにします。
東海道線や横須賀線はまだ動いていないので、終日運転を行っていた京浜東北線の大船行きに乗って、初日の出を見るため根府川へ移動します。
大船から先は列車が無いため、どうしようかと途方に暮れながら電車に乗っていたら、なぜか着いた大船駅には逗子方面に向かう列車がッ
区間的に終日運転でもしているのだろうか。いずれにしろ、駅のホームで凍え死ぬことにはならなくて一安心です。めでたしめでたし…。
ひとまずコレに乗って、鎌倉で降り、江ノ電に乗りかえて藤沢に向かうという作戦をとります。
藤沢に着く頃には東海道線が動いていることでしょう…といったシナリオです。
鎌倉に再び訪れた私は、またまた江ノ電に乗る機会に恵まれ、藤沢へ向かうこととなりました。
再び江ノ島電鉄全線を完乗した私。藤沢に到着する頃には予想通り、JRは運転を開始していました。
ところが5時15分発朝一番の熱海行きは数分前にもう藤沢を出て行ってしまい、次の電車は49分の小田原行きまでありません。一歩違いでした…
仕方なく藤沢で列車を待つわけですが、とてもじゃないけど寒くてホームになんて居られないため、改札口に登って待つことにします。
しかし、それでも寒い…。今日はえらく冷えます。
やむを得ず自動販売機でコーンスープを買い、寒さを凌ぎます。私と同じようなお客は男女含めて数名いて、親近感が湧きました(笑)
待ちくたびれた頃に49分発の電車725Mが藤沢に到着。この列車は小田原止まりですが、「背に腹は変えられない」という思いで乗車。終点の小田原で後続列車の「ながら回送」の静岡行き普通電車を再び待つことになりますが、寒さを堪えるにはこうするより仕方ない。
小田原駅に停車中の初日の出列車
終点小田原で後続列車を待っていると、小田原駅に全車指定の臨時列車、伊東行きが到着。構内アナウンスを聴くと、初日の出見物の臨時列車のようだ。
車両は485系を改造したJR東日本の全車グリーン車のジョイフルトレイン「華」です。
中をコッソリ覗くと座敷になっていて、酒盛りをしていますよ。団体列車でしょうか?
外で凍えて列車を待っている身としてはちと悔しい。
この列車が出ると、すぐに静岡行きが到着。373系の特急形で、車内は混んではいますが、一両に扉が8つもあるE231系に比べれば遥かに車内は暖かい。まさに天国です。これでしばらくは寒い思いをしなくて済みます。
6時53分、目的地の根府川に到着。
大方の予想通り、さっき小田原で見掛けた初日の出列車は、案の定、根府川で停車して日の出を待っていました。
既に根府川駅のホームには十数名の見物人、駅の外にも十数人の見物客が詰め掛けて日の出を待っています。
ここってそんなに有名でもないと思っていたのですが、決してそんなこともないようですね。
朝日と駅の風景との調和と、誰でも電車ですぐ来れるというお手軽感がウケているのかもしれない。
見物人で賑わう根府川駅のホーム
私が根府川に着いた時間には、既に日が出てても決しておかしくないのですが、地平線近くに漂う雲に遮られて、なかなか太陽が顔を出してくれません。
寒さも手伝ってじれったさが頂点に達します。
雲の切れ間から一瞬太陽が見えました。初日の出の瞬間です。
根府川駅駅舎と初日の出。
太陽が完全に雲から出て来たのが大体7時5分過ぎ頃でした。
元旦早々田舎から東京まで出てきてもみくちゃににされながら有名どころをハシゴ参拝して、お守り買って破魔矢を買って、更に御来光を拝んで…
これだけ頑張っても今年一年何もいいこと無かったら、ちょっと悲しいな。
身延線の列車の車窓から見た富士山
ようやく全てのノルマを達成出来て、大満足で自宅へと向かいます。
やがて空が綺麗に澄み渡り、東田子の浦、吉原付近で間近に見えた富士山は、最高に綺麗でした。
富士で身延線にのりかえ。
特急ふじかわは18きっぷでは乗れないためスルーして、甲府行き普通列車に乗車。途中の塩之沢で一旦下車し、ノートに一筆書き込んでから、後続列車を待ちます。時刻は10時をちょっと過ぎていました。
ところが、据付の時刻表を見てみると、次の甲府行きは2時間も先です。これではイカン…
という訳で、10時16分の御殿場行きで身延へ逆戻りし、鰍沢口までの乗車券と特急券を買って後続の特急ふじかわ3号甲府行きを拾うという作戦でいく。
最近JR東海が30キロまでの特急料金を一部区間で半額に値下げしたために可能になった手段。
今まで身延から鰍沢口まで特急に乗ると千円を軽く超えていましたが、最近値下げされたのです。
790円なら、塩之沢で2時間列車を待つより特急を利用した方がまだマシです。
おかげさまで、南甲府着が11時20分。
2時間待って普通列車を利用していたら、到着は13時07分。およそ1時間50分の余暇を790円で買ったことになる。
これをどう捉えるかは個人それぞれであろう。
徹夜で飛び回ってかなり疲れましたが、今回は色々な経験が出来て、なかなか面白かった一人旅でした。
また何か面白い旅を考えたいです。
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