大寒波の九州! ぐるっと一周2006

1日目 (1月3日)

南甲府〜新大阪

出発の日の朝、初夢を見た。どうも夢の中の自分は、東北方面へ旅行しているらしい。時刻表を調べて、青森から関東方面まで行く特急をさがしている夢です。なぜなのかわかりませんが、「スーパーひたち」が羽越線経由で、青森発千葉行きになっていました。よし、これに決定、というところで目が覚めた。よりにもよってこれからの予定全てをあべこべにしたような変な夢でした。


起きたのは起床予定時間より一時間も早い時間。目覚ましは必要ありませんでした。
朝方、外は濃い霧が立ち込め、冷え込みは大したことありません。新聞を取りに来た親父に見送られ、あとで駅まで自転車を取りにくるようお願いして出発。

南甲府532発の115系各駅停車の富士行き。定時にパンタグラフをバリバリ言わせながら到着。霧のために露が架線に付着して半氷結状態になっているのでしょう。霜取り列車の役目も果たしているのか、いつもは二両目のモハだけパンタが上がっているのですが、二両目以外に最後尾の車両もパンタが上がっていました。
まだ未明の甲府盆地を走る115系。市ノ瀬を過ぎた辺りから東の空が白くなってきた。


途中の富士宮駅で、普段見かけない光景を発見。滅多に列車の入らない団体臨時のりばのホームに何と列車が入線しています。しかも団臨の489系ボンネット型の国鉄色。
489系は、485系をベースに横川〜軽井沢間の機関車協調運転対策を施した車両だということです。
ま、横軽はもう廃止されていますから、今は昔の物語ですね。



富士宮駅団体ホームに停まっていたボンネット型489系国鉄色。
見事流し撮りに失敗。(富士宮駅)



身延線富士行き3622Mは、甲府方面への列車の遅れの影響で列車行き違い駅で10分〜12分の遅れが生じ、終点の富士に9分遅れで到着。その車窓に、このあと乗車予定だった静岡行き373系普通列車321Mが富士駅を発車してゆく姿が見えた。ここで初っ端から予定が狂うことになる。


しかし、要は新大阪から乗車するムーンライト九州に乗れれば結果的には問題が無い。予定が狂っても自由行動の時間が短くなるだけです。仕方なく後から来る115系普通列車豊橋行き6両編成に乗車した。しかしこの列車、途中の静岡で後ろ3両切り離し。3両編成になってからは常に満員状態で不快この上無しです。


余談なのですが、途中の菊川駅あたりから時々車窓から見かけた菊川茶の看板娘のイラストがメッチャ美人。今度写真でも撮ってこようかな…。
どんなイラストか気になる方はこちら↓

http://www6.shizuokanet.ne.jp/maru_3/index.htm


終点の豊橋からは313系の大垣行き特別快速4両編成に乗り換えるために12分の待ち合わせ。
向かいのホームにてしばし待つことにする。


待っている間、冷たい風がホームをヒュ〜ッと吹き抜けてきてメッチャ寒い。空は雲が多く、時折切れ間から陽が射す程度です。
ちなみにこの区間を走る快速列車は座席が転換式クロスシートで座り心地が快適。同型の身延線313系とはサービスがえらく違うのです。


終点大垣で今度は313系2両編成に乗り換え。

ここで20分近く待ち時間があるので立ち食いそばでも…と思ったものの、ここには立ち食いそば屋も弁当屋も無い。キオスク売店しかないのだ。かと言ってずっとホームで待っていると寒くてたまらない。ここら辺からは最近降ったものと思われる雪も地面に残っている。

しかし、寒いからと言って改札を出て辺りを散策して体を動かすような時間も無く、やむをえずホームを歩き回って気に入ったものを写真に収めてゆく。

途中で特急しらさぎ683系がやって来て、米原方面に先に発車していった。
少し前までは「しらさぎ号」は485系だったのに…つまらなくなってしまいました。



樽見鉄道のレールバスが向こうのホームに見えた。 ハイモ295。新型車両かな?(大垣駅にて)


しばし待ち合わせの後、大垣からは313系2両編成の各駅停車に乗り換え。米原へ向かいます。

ようやく寒さからしばしの開放。暖房の効いた暖かい列車が妙に有り難いです。でも駅に着くたびにドアを全開にするのは寒いからカンニンしてもらいたい。
途中駅では大して乗り降りはないし、なによりこの区間は降雪が多くて冷えるし、ただでさえ寒波で今年は異常な寒さです。デッキのない近郊形車両なのだから、せめてドアを半自動扱いにするくらいのことはしていただきたかった。



米原に到着。岐阜からこの辺り一帯は東海道線の中で最も雪が多くて非常に冷える。(米原駅)


米原です。
ここで乗り換える新快速の姫路行きまで16分あります。


大垣では何も食べなかったし、腹が減ったので米原で何とかしたい。立ち食いそばでもよかったのですが、乗り換えに気をとられてばかりで、米原で駅弁というのは今まで一度も買った覚えがない。
ここは一つ何としても駅弁を調達したい。



米原駅では井筒屋が駅構内のホームでそば、うどんの立ち食いのほか、駅弁の販売をしています。


ここにはいろいろ置いてあって迷ったのですが、井筒屋の湖北のおはなし1000円に決定。



井筒屋の湖北のおはなし。価格1000円
唐草模様の包みは、まちから帰って来たお嫁さんや孫のために、おばあちゃんがそっと持たせてくれたお弁当をイメージしたものと思われます。



米原からは、223系新快速に乗り換え。このまま新大阪へ行ってもムーンライトの出発まで時間が有り過ぎるので、京都まで乗ることにします。

米原でみぞれに変わった雪は彦根で止み、彦根を過ぎるとすっかり積雪も無くなり、晴れ間が見えてきました。電車に一日中ずっと乗っていると、地域による気候の違いが手に取るようにわかるのが面白いです。


混み合う新快速電車で座った座席は、扉付近の補助シート。横には父親に連れられた男の子が座り、眠いのか、ウトウトしているようで…。しまいには思いっ切りこのガキの頭突きを食らった。

こんな場所で駅弁という気分にもなれないので、京都まで我慢し、京都駅のホームのベンチに腰掛けてお弁当を広げることにしました。
唐草模様の包みを広げると簾がかかっていて、それをめくると、ちょっとした宝箱を開けたような気分になれた。
しかし、混みあうホームで広げるお弁当は正直視線が煩わしい。
お弁当の味がしないというか…。それは寒いからというのもありますけど…。
なにしろ風が冷たくて、みるみる手がかじかんできて、割り箸すらしっかり握れません。



駅弁「湖北のおはなし」の中はこんな感じ。


鴨肉も良かったけど、一番おいしかったのはおこわ。おこわの下には桜の葉が敷かれています。葉は食べることも可。食後は左にあるサイコロの中に入っている抹茶飴で極まり。85点。

座っているベンチのすぐ横は立ち食いそば屋。その建物はガラス張りの建物の中にあり、中はとても暖かそう。立ち食いそばにすればあの建物の中に入れたのかと思うと、何ともやりきれない気分でした。


食べ終わったあとは、時間の許す限り京都散策を楽しむことにする。
しかし、初めっから行く場所は梅小路蒸気機関車館と決めてありました。しかし時刻は15時前。ダイヤの乱れで予定が狂い、訪れるにはちょっと遅い時間となってしまった。


まず八条口から出て、甲府へ帰る時に乗る甲府行き高速バスのりばを今のうちに見つけておこうと捜すのですが、どうにも見つからないし、いつまでも捜していると時間がもったいないので、先に梅小路蒸気機関車館を目指す。

ところが、コレも何処にも無い。40分近く探しまわり、さすがにこれは変だと思い、時刻表の主要駅の案内図を見て、駅の出口を間違えたことに気が付いた。つまり、私が今来ていると勘違いしたのは山陰線沿いではなく奈良線沿いの方であり、まるっきり反対方向へ来ていた訳です。これでは見つかるはずがない。



京都駅中央口正面にそびえ立つ京都タワーを横切る。


急いで線路を潜り、京都タワーを横切り、梅小路公園を目指すのですが、これが意外に遠い。
結局、京都駅を出て1時間と40分歩きまわってようやく梅小路蒸気機関車館へ到着。



梅小路公園の敷地内です。そしたら今日は休館日だった。今日は3日。営業は4日から始めるのだそうだ。



梅小路蒸気機関車館を裏から眺めてみると、蒸気機関車が見えた…。あああ入りたい。



右が旧二条駅舎(蒸気機関車館)、左が平成8年完成の山陰線高架。その間にもう一本線路を建設するらしい。


道を間違いながら頑張ってここまで歩いてきたのに…というやるせない気分で柵の外から館内を見渡していった。

すぐそばを山陰本線の高架が走り、複線化工事の真っ最中のようです。これは新たな発見。

敷地の外にはチンチン電車の軌道が走り、その先にのりばがある。
もちろん今日は走っていない。梅小路公園では子供がゲイラカイトを飛ばして遊んでいた。それがあわやチンチン電車の架線に引っかかる寸前だった。
そういえばこんな光景…しばらく見てなかったな。そんなことを思いながら機関車館を後にした。


蒸気機関車館見学のためにとった時間がぽっかり空いてしまった。どうしようか…。
京都駅へ帰る途中、木下サーカスのテントが視界に飛び込んできた。



丁度公演の真っ最中のようで、大音響がテントの中から聞こえてくる。


京都駅に着く頃にはすっかり陽が暮れてしまっていた。
しかし寒い。これからのことも考え、近くのampmに入ってカイロを500円ぶんくらい買い込む。


さっきはなかなか捜し出せなかった甲府行き高速バスのりばが、今度はあっさり見つかった。場所は八条口で合っていたのですが、近鉄高速バスのりばに甲府行きののりばがあった。バスののりばはどーもイマイチわかりにくい。


しばらく外を歩いてお腹が空いたし、体がすっかり冷えてしまったので、京都駅のホームで月見そばを頼む。310円は東京とほぼ相場が同じ。さて、それではいよいよ新大阪へ向かいます。



京都から新快速223系で新大阪下車。時刻はまだ18時を過ぎたばかり。夜行の時間までたっぷりあるので、駅構内ロビーの待合所の方へ向かいます。



混み合う新大阪駅構内ロビーの待合所。すぐ脇に、お土産の売店が軒を連ねています。


ところがさすが帰省シーズンだけあって、待合所の座席は満席状態。仕方ないので今のうちに土産物を見回って、帰りに買うおみやげの目星をつけてくことにする。



新大阪駅 タクシーのりば付近。


ついでに駅の構内や周辺を散策するものの、こんな都会の駅にメボシイものがそうそうあるはずもなく、すぐ飽きてしまった。
ぶらぶらしててもつまらないし、第一寒くてたまらないので、それならせっかくフリー切符を持っているのだから、時間が来るまで電車に乗っていれば暖かいであろうという結末になった。そこで選んだのが大阪環状線。


一旦、新大阪からJR神戸線各駅停車で大阪へ出て、環状線に乗り換えます。そこでふと思い出す。そういえば環状線の弁天橋駅だったか、交通科学博物館があるんだったっけ…。

こんな時間に開いていることはないにしても、周りから展示車両を覗くことくらいは出来るかも…。そう思い、環状線の103系に乗り、弁天橋駅で下車する。



JR 弁天橋駅高架ホーム。日中ならば、この窓から展示車両が見えるらしい。


改札を出て、階段を下りるとすぐ目の前が交通科学博物館になっていました。勿論この時間は閉館。つか、営業は五日かららしい。



旧型国電70形電車が外から見れました。ピンボケですみません。


閉園しているので、とりあえずフェンス外から見える範囲で展示車両を観察。暗くてハッキリとは分からなかったのですが、旧型国電70系などの歴代の車両が展示されているのが辛うじて確認出来ました。


このあと、駅の隣りのマクドナルドで400円のバリューセットを食べ、再び弁天橋駅から環状線103系で大阪へと戻る。
そして、JR神戸線221系に乗り換えて新大阪へと戻りました。
ちなみに221系には、223系にあるような補助シートは装備していないみたいでした。


新大阪駅に着いたのが2120。この時間だと、ムーンライトの入線まで、まだ30分以上はあるので、寒いホームで待つのはやめて、ちょっくらロビーの待合所を覗いてみました。すると、18時頃に比べてずいぶん空席があるので、ここでしばし待つことにしました。


頃合いをみて、ホームへ向かってみる。すると、向かい側ホームの隅っこに三脚を携えたカメ小多数。準備はすでに整っていて、あとは入線を待つのみといった感じです。さすが人気の夜行列車です。

出発時間8分前くらいになって、ついに機関車EF65が牽引するムーンライト九州、入線。リクライニングシートを装備したスキー列車シュプール型の14系客車です。一斉にフラッシュが光りだしました。



ムーンライト九州が入線。
先頭の機関車の後ろには、車内が真っ暗な使用途不明のブルートレイン「スハネフ15」が何故か付随。



私もカメ小に混じって一通り写真に収めたあと、客車に乗り込む。客車の中には洗面所、トイレはもちろん、荷物置き場のほか、更衣室まである。シュプール時代から殆ど姿を変えていないようです。

思ったより空席の目立つ車内は、やはり男性が中心で、女性客は少ない。
それにしても車内は今日乗ってきた車両の中で一番暖かい。さすがデッキ付きの車両は違う。


列車が走り出し、ふと外を見ると三ノ宮。ビルの電光文字には只今の気温3度と表示されていました。
この列車、以前乗った時のふるさとライナー九州の時と違い、どうやら午後0時をまわっても夜間の減灯が無いようだ。


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