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  次男の時はくわえるとすぐ、顔中真っ赤にしてそっくり返って泣き叫ぶので、腕から落ちないか焦ったが、
 すぐ気をとりなおしてむしゃぶりつく。またそっくり返って悲鳴のように泣き、あわてて看護師が飛んできた。
 そのおかげで分かったのは、母乳の出が良すぎて乳首が固まってしまうという。
 だから授乳と授乳の合間に常にもみだしていないと飲みたくても飲めないのだ。哺乳瓶に蓄えて
 保存してもらうことになった。
  このことがあってその後の成長を見ても、生まれた時点で性格はもうすでにあるんだなと分かった。
 長男は抱っこもせがまない、電車に乗っても窓外の景色を見ることもなく大人しくジッとしている子だった。
 ただ、これが障害児なんだという現象がいくつかある。理由も解らないが急に大声で泣きだし止まらない。
 同じ語を繰り返す。食事中にお箸をなげる。ちょっと目を離したすきに二階の窓から塀を乗り越え裸足で走り去る。
 何度も県外の警察から保護の連絡をいただいている。
  電車内やホームに大の字になって絶対動かない。誰も障碍児だとわからないから、「親の教育がなっとらん」と
 紳士風の老人が吐き捨てるように言われたこともある。
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