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まっ暗な血の池でほかの罪人といっしょにカンダタはういたり
しずんだりしていた。くらやみからぼんやり見える針の山の針が
光る、地獄の責苦(せめく)に疲れはて泣く力もない罪人ばかりの中でもがいていた
カンダタが血の池の空にくもの糸がたれてくるのを見つけた。
必死で糸をつかみ上に登って行ったが、ふと気がつくと
下の方から数かぎりもない罪人たちがあとをつけてよじのぼって
くるのを見つけ カンダタは大声でわめいた そのとたん
急にカンダタのところから糸が切れあっというまにやみの底に
おちてしまった。
せっかくのおしゃか様のご慈悲も自分だけ助かろうとする
無慈悲によりもとの地獄に落ちてしまった
本文は極楽の美しい様と地獄の身の毛もよだつ様との対象が
子供にもよくわかるように表現されているので。本物を一度
ごらんになるのもと思います
<赤い鳥名作童話2>
くもの糸 杜子春 1982年9月29日 第1刷 発行
著者 芥川龍之介
編者 赤い鳥の会
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