高松琴平電気鉄道の車両
Nゲージの間@エムサ菌総合研究所

 

 時は2000年の秋。 雑誌で見て興味があった、高松琴平電気鉄道 (ことでん) の車両のNゲージキットを買いました。
 初めてのことでん詣では2002年12月で、既に多くの旧型車が姿を消した後だったため、見ることが叶わなかった車両たちはNゲージで再現しようと思うようになり、それ以降、キットや『鉄道コレクション』でリリースされたことでん車両、さらにはパーツ単位で「ことでんに使えそうだ」と確保した車両を買い集めていました。 しかし実際には、脳内構想ばかりが先行していて工作技術の向上はなく、結果として組み立てや工作に着手することのないまま年単位の時間が過ぎていました。
 そんな中、2014年にはついに『塗装済み完成品』のことでん車両が製品化されるようになり、言わば「先を越されて」しまったのです。

 工作の着手を見ないのは、組み立てや塗装の技術を求められるキットを抱え込んでしまったことのほかに、続々とリリースされるキットや鉄コレを買うのが精一杯で、細かな別売りパーツや動力ユニットまで一貫して揃えることが難しい経済情勢が続いていることが大きいです。  また、『完成とは、動力を組み込んで走らせられる状態にしたものである』『動力ユニットを含め必要な物品がすべて揃ってから着手した方が、途中で工作が止まらず済む』と考えていたこともありましたが、それがかえって工作にブレーキを掛けてきたのではないか?  と、完成品に先を越されてから思うようになりました。
 そこで、諸々の制約・課題がある中で、少しでも完成に近づけるようにする方法は何か?  と考えたところ、動力ユニットの組み込みはひとまず置いておいて、車体の工作だけ先行して進めてしまおう、動力ユニットは買えるときに完成済みの車体にあてがえばいい・・・  という結論に至りました。  動力ユニットや走行化対応をしていない、車体の工作だけ終えた状態では「車両として完成した」とは言えないとも思うのですが、仮に動力ユニットの導入が進んだとしても、“同時に走らせることがあり得ない車両”同士で動力ユニットを共用することになると思うので、必ずしも『動力が入っていないから未完成』とも言えないところがあろうと思えてきたことも、あります。
 そのような経緯を経て、2014年4月になってようやく、『ことでんNゲージ車体整備』と称する工作に取り掛かることになりました。

 このページでは、鉄コレのままの製品の紹介ページとは別に、Nゲージとして「走らせることができる」ことでん車両、そして動力ユニットさえ装着させればいつでも完成する『車体整備完了車』を紹介してまいります。
 動力ユニットを装備していない、ともするとパンタグラフを載せ替えただけという事例が多々ありますが、そこはご笑覧頂ければ幸いです。
 なお、掲載順序は上から『メーカー完成品』『鉄コレをN化整備したもの (可塑性のある工作に留めているもの) 』『何かしらの工作を施したもの』としています。

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1200形1203+1204『ことちゃんひやく号』
『ことちゃんひやく号』  2014年3月26日のメーカー出庫で発売された、ことでん開業100周年記念のラッピング車両『ことちゃんひやく号』です。
 販売元はネコ・パブリッシングですが、製造元はグリーンマックスで、模型店で売られているため、実質的にはGM製品と同じと言えるでしょう。  製品形態としては、塗装・印刷済み完成品となっています。

 まず車体の造形ですが、大手メーカーの完成品とも引けを取らない、良好な出来です。  側面ガラスを始めとする各種パーツの合いも良いようで、鉄コレ品質に見慣れてしまうとずいぶん高級なように感じます。  実際、2両セットで定価15000円+税ですので、高級品なんですが・・・。
 印刷は、デカールを貼ったような感じであり、印刷面がやや厚く、艶もありません。  細かなところまで精密に再現されているようですが、ベタ塗り面の解像度が低いというか、色がざらついているような出来上がりになっています。  このような広範で細かな印刷を施した車両というのは最近出てきたように思い、またはじめて所有するのですが、『こういう出来』が普通なのでしょうか?  なお、ラッピングとともに車体側面の下半分・黄色に塗られた部分も印刷とされているため、近くで見ると明らかに普通のNゲージ車両とは違った印象があります。

 ヘッドライト・テールライトは標準装備、動力は1203号車に入れられています。  当記事作成段階ではごく短い線路で起動試験のような試運転しか行っていませんが、速度がやや低めな印象をもちました。

 なお、私にとっての「Nゲージとして走れることでん車両」は、この『ひやく号』が初めての存在となります。

 もう少し詳しいエムサ菌的製品レビューは、こちらのブログ記事に載せてありますので、併せてご覧頂ければ幸いです。
(掲載開始日 2014.3.31)

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1000形100・120・130
1000形100・120・130  鉄コレでリリースされたことでん各車のうち、17弾の1000形は個人的には大本命だった車両だったこともあって、N化整備の第1陣となりました。
 3両共通の整備事項はパンタグラフの載せ替えで、TOMIX・0238『PG16』を載せています (画像ではパンタグラフは製品のままですが、現物はこれの撮影後に銀塗装しています) 。  120は、ボディは鉄コレのままですが走行化対応車として車輪の金属車輪化とウエイトの搭載、高松築港寄り連結面にカプラーを整備しています。
 100と130はナンバープレートの印刷の上から自作シールを貼って車番を変えています。
(掲載開始日 2014.5.3、最終更新日 2015.5.6)

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3000形300・345
3000形300_345  1000形とともにリリースされた3000形についても、2014年4月にパンタグラフを載せ替えて『車体整備済み』としました。
 345は鉄コレ17弾のシークレット、300のレトロカラーは鉄コレ17弾のいわゆる“逆シクレ”で、ともにパンタグラフをTOMIX・0238『PG16』に載せ替えただけです (画像ではパンタグラフは製品のままですが、現物はこれの撮影後に銀塗装しています)
 300のファンタゴンレッドは、シークレットの345の車番を変える工程が加わっていますが、それとて既存の車番の上に『ナンバープレートのようなもの』を貼り付けただけです。
(掲載開始日 2014.5.3、最終更新日 2015.5.6)

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3000形325・335(レトロカラー)
3000形325・335  鉄コレ第17弾でラインナップされた3000形300を母体として、現役末期の325・335を再現しようということで工作したもので、エムサ菌所有のことでん車両陣の中で“可塑性のない工作”を施した、トップバッターです。

 工作内容としては、丸窓となっている300の車端寄り戸袋窓を、鉄コレ『1000形120』の戸袋窓がハマるようにヤスリで削り拡げただけです。  当初、ガラスパーツの戸袋窓部分のみをカットし交換するつもりでいましたが、ガラスパーツや床板・動力ユニットの収まりが悪くなることが懸念されたため、側面ガラスパーツを丸々交換することにしました。  従って、サッシ窓の上隅に隙間ができるのですが、幸いにしてほとんど目立ちません。
 塗装はいじらず、車体のナンバープレートはパソコンで自作した『ナンバープレートのようなもの』を切り出して貼っています。
 パンタグラフは、TOMIX・0238『PG16形』を載せてあります (画像ではパンタグラフは製品のままですが、現物はこれの撮影後に銀塗装しています)

 改造についてのもう少し詳しいことは、こちらのブログ記事に載せてありますので、併せてご覧頂ければ幸いです。
(掲載開始日 2014.5.3、最終更新日 2015.5.6)

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