京成グループの車両
Nゲージの間@エムサ菌総合研究所

 

 首都圏の大手私鉄の中で、都心より西に向かって伸びる各社線と比べて地味でやや毛色が異なり、沿線に点在するギャンブル施設や過去の経営危機も相まってともするとマイナスイメージが強い京成電鉄ですが、習志野市にある母方の祖母宅への行き来の際に乗っていたこともあって、個人的に思い入れがそれなりに強い鉄道です。  そして成人後北総線沿線に転居したことでお世話になる機会も増えました。
 ここでは、京成電鉄グループの車両を取り上げていきます。

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京成電鉄AE1形『スカイライナー』
画像・京成AE1形  京成電鉄が成田空港の開業に合わせて準備した『スカイライナー』の初代の車両です。  私にとっては乗る対象とならなかったものの、沿線で度々見かけていた車両だったので、マイクロエース製の新塗装8両編成と旧塗装6両編成の各1編成を予約して買いました。

 実車をじっくりと見たことがないので当初気付きませんでしたが、上下が絞り込まれている車両断面形状と動力ユニットとの兼ね合いか車体が太くなっているようです。  おかげで全長が短く背も高く見えてしまっています。
 塗装は良好で、この点はマイクロエースの実力の見せ所と言えましょう。  新塗装のストライプに白が縁取りのように乗せられているのが目立ちますが、これは個体差でしょうか?
 屋根上のクーラーやパンタグラフ、台車が相対的にチャチに見えるのは、このメーカーの世代の古い製品の特徴と言えますね。
(掲載開始日:2009.3.6、最終更新日:2011.7.5)

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京成電鉄AE100形『ニュースカイライナー』
画像・京成AE100形  成田空港旅客ターミナルビル地下への乗り入れに備えて1990年に登場した、私にとっては初代スカイライナーとともに乗る機会が無かった車両です。  ふとしたことから手に入れることになった模型はマイクロエース製・A-2890『登場時仕様』です。

 AE100形の実車は1両の長さが通勤車よりやや長い19mとなっており、車体を長くする代わりにカーブで車両限界に抵触しないよう車体幅をやや狭めています。  側板は絞込みもなく垂直・平面で、そのためかなりスマートな、細身の印象が強いです。  模型のAE1形は車体幅が広くなってしまったためにちょっと心配しましたが、AE100形では実車のスマートさを再現しています。  塗装や標記などの印刷もシャープです。
 床下機器は、遮断器を除いて側面スカートに隠れています。  模型でも当然スカートが装着されていますが、遮断器以外の床下機器が全く再現されていないので、斜め前方から台車周りを見ると床下がスカスカなのが見えてしまいます。  走らせている分には目立たないのでいいとしても、国鉄115系では外からは全く見えない車内トイレの便器まで再現したというのに・・・  同じメーカーでも、やはり時が経てば考え方は変わるということですね。  なお、台車のモールドは少しシャープになったように見受けられます。
 残念な点としては、前面のスカートと車体の間の隙間が実車にも見られるものの目立ちすぎてしまっていることと、貫通扉の縁の彫り込みがちょっと太いことです。  どちらも前面という注目を集める場所で、全体的によくできているだけにかえって目立ってしまっているように思えます。

 ヘッドライトは実車がリトラクタブル式を採用しており、点灯しない時はカバーが閉じられています。  模型では別パーツでこのカバーが再現されており、取り外して点灯状態を楽しむこともできますが、如何せん小さなパーツなので超合金のロケットパンチよろしく外したまま見つからず・・・ という事態が懸念されます。  左右1個ずつ予備のパーツが添付されていますが、取り扱いには神経を使いそうです。  もっとも私が走らせるときは部屋を暗くして夜景を楽しむことがなく、模型は登場時で当時昼間はヘッドライトを点灯させずカバーも閉じたままだったので、パーツを外すことなく遊ぶようになるでしょう。
(掲載開始日:2011.7.5)

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京成電鉄3400形
画像・京成3400形  京成3400形は、AE100形への置き換えによりスカイライナー運用を追われた初代AE形の台車や床下機器を流用し、当時増備が進められていた3700形のデザインに準じた鋼製車体を新製し組み合わせ、通勤車として生まれ変わった車両です。

 模型は、グリーンマックス (GM) 製の品番1085TおよびMで、2013年にセールで安くなっていたものをこれ幸いとばかり買い込み、同年6月に組み立てに着手、10月21日付で一応の完成をみました。
 実車は3700形と似通っている点があり、また8年ほど前に3700形の姉妹車と言える北総鉄道7300形のキットを『7800形』として組んだことがある (7800形の記事は後述) ので、今回はその経験を思い出しながら進めました。  しかし実際には、7800形との差異点がほぼそのまま工作上の方法の違いにつながっていたので、事前に思っていたほどの共通点は無かったのかもな? とも思っています。

 模型のプロトタイプは、パンタグラフがシングルアーム式に換装された2005年以降の姿とされ、台車もそれにあわせてグレーになっています。  しかし私は、本線に急行が残っていて台車が緑がかった灰色だった、1998年から2000年にかけての時代を再現したいと思っていたので、それにあわせたアレンジを加えました。
 エムサ菌なりに手を加えたところでは、32か所中28か所で向きが異なる台車の『ボルスタアンカー』を正しい向きに是正し、あわせて台車の色をグレーから緑がかったグレーに変更、パンタグラフを別途購入した下枠交差式に変更、誘導無線アンテナをイエロートレインのロストワックス製パーツに変更・・・ などです。
 未塗装のパーツの塗装は、目標としていた完成時期に間に合わなくなる恐れがあったことから、車内の仕切りや床面・座席といった目立たない場所・先送りできる場所の塗装は思い切って省略し、床下機器・屋根上機器は製品パッケージに記載されたカラーガイドにほぼ従って行いました。
 スカートは、表面にガイアノーツ・009『ブライトシルバー』を塗ってみました。  先に裏面を目立たなくするために黒を筆塗りしたのですが、その際薄めすぎたようで表側に回ってしまい、耐水ペーパーで修正してからブライトシルバーを塗ったため、表面がややざらついた出来となってしまいました。 それでも、適度なメタリックでなかなかいい感じではないかと思っています。  なお、ブライトシルバーは前面下部のステップにも使いましたが、こちらは狭いためかあまり目立たず、もう少しギラギラした色でもよかったかもしれません。

 行先表示は『急行・成田』としたかったのですが、2005年の姿を再現しているこの製品のシールには該当するコマが含まれておらず、側面用は手持ちのものにもありません。  そこでひとまず、北総7800形を組んだ時の余りから前面の『急行』 (S-1052Aに収録されている新タイプ) を、3400形の製品に付属しているシールから前面の『成田』を、それぞれ持ってきました。

 なお、台車の加工や組み立ての備忘録的な記事を、こちらのブログにもう少し詳しく載せてありますので、併せてご覧頂けると幸いです。
(掲載開始日:2013.10.26)

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北総鉄道7000形
画像・北総7000形  北総開発鉄道が1979年の開業に合わせて導入した形式で、独特な先頭部形状から『ゲンコツ電車』の愛称で知られています。  模型はマイクロエース製のもので、同時に車種の配置が異なる『北総開発鉄道』当時のものと2種類が製品化されましたが、私は品番A-2175『北総鉄道』のみ1編成買いました。

 全体的な出来はまずまずですが、前面貫通路の幅がやや大きいのか顔の表情がちょっと違って見えます。  塗装も、銀色が白っぽくステンレスというよりアルミのように見えたり、前面窓周りの青色が黄色味がかっているなど、決定的とは言えないまでも残念な点がやや目立つようです。  実車の中間増結車の二段窓はユニットの外寸がHゴム窓とほぼ同じかごく僅かに小さいので、Hゴム窓と比べて窮屈な印象があるのですが、模型ではそれが再現されていません。  屋根上機器の造形にはそれなりの進歩の痕が見えますが、台車の造形や大袈裟な前面貫通扉の蝶番に「マイクロエース」らしさが出ていると言えそうです。
 理由はわかりませんが、車両を普通に持ち上げただけで車体からきしむような音がします。  壊してしまいそうで、ちょっと恐ろしいです。

 実車が引退して何年も経ちますが、先頭車に2台搭載された電動空気圧縮機の作動音が車体に響いて不快だったこと、荷棚受けから伸びた手すりが荷棚を使う際には邪魔だったこと、末期は色褪せてくたびれた感を倍化させていた側面のカラー帯、一時期窓に貼っていたステンドグラス調の実に中途半端なシールがボロボロになって悲哀に満ちていた姿・・・等などが、これを走らせると思い出されます。
(掲載開始日:2009.3.6、最終更新日:2011.7.5)

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北総鉄道7800形
画像・北総7800形  実車は京成電鉄3700形3808編成 (8両編成) を除籍の上、2003年2月1日付で北総鉄道にリースしたものです。
 模型はクロスポイント製『北総鉄道7300形』キットを7800形に合わせて2005年11月に組み立てました。

 7300形はもともと3700形と同一設計で、一部の搭載機器と車体内外の色が異なるのみとなっています。  従って模型も3700形の色替えということになり、さらに添付されているパーツ類は3700形のものと同じなので (3700形と7300形のパーツが同じランナーに準備されている) 、パーツの選択を変えることで簡単に7800形に適合させることができます。
 また余談ではありますが、実車の3700形には製造時期によっていくつかのバリエーションがあり、プロトタイプになった車両は3700形2次車以降で、7300形は1次車に準拠しているため、前面種別表示窓周囲の段差や先頭車車内の車椅子スペースの有無が異なります。  それ故に、7300形として組むと厳密にはエラーとなり、7800形として組むと正確になります。
 なお、7300形の模型はグリーンマックス・クロスポイントを行き来しながら複数回生産されているようですが、私が組み立てた製品はクロスポイントブランドで製品化された初回のロットと記憶していて、先頭車側面の帯に航空機の羽のような意匠が追加された現在の7800形とは、車体の塗装が異なっています。

 製品は一体成型ボディ・塗装済みキットでしたが、屋根上・床下機器など一部に未塗装パーツがあります。  それらを塗装しないと素材感が思いのほか目立ってしまうので、塗装済みと謳っている割にはやや中途半端な感があります。
 組み立てにあたっては、7800形に合わせたアレンジを加えたほかは基本的に説明書に従っていますが、誘導無線アンテナに関してはイエロートレインのロストワックス製パーツを使っています。  これは、製品添付のパーツがプラ製でシャープな反面非常に脆く、塗装や取り付けの際に予備も含めて全数破損してしまったためで、ロストワックスのパーツはややオーバースケールな感もしないでもないですが、強度は格段に勝っています。  仮に製品添付のパーツをうまく取り付けられても、輸送やケースへの出し入れの際に破損していた可能性が高く、完成後それほど時間が経たない間にロストワックスのパーツに取り替えることになったと思います。  このパーツを別のキット用として持っていたこと、取り付け穴の位置が同じ (但し取り付け足が若干細いが、固定してしまうため特に問題にならない) だったことは、幸いでした。

 2013年に前述の京成3400形を組み立てる際、ついでではありますが7800形にいくつか見られた不具合を解消するべく少し手を加えました。  5か所中1か所で欠落していた避雷器を整備し、屋根板からすぐに外れてしまうパンタグラフは銀塗装したうえで接着剤を少し塗布して取り付けました。  そして塗装ミスのリカバリに失敗し「どこかでぶつけたようになっていた」スカートを新品に置き換えました (モノはかなり前に買ってあった)
 さらに2014年9月には、文字が崩れている前面の車号 (キット付属のインレタによる) と、切り出し・貼り付けが雑で印刷面のハゲが散見される側面の車番・『北総開発鉄道』社名板プレートのステッカー (TGraphicというメーカーのもの) を、京成3400形キットに付属していたステッカーに収録されている7800形の車番と『北総鉄道』社名板に貼り換えました。  これらによって、少しは「見られる」車両になったかな? と思っています。

 なお、2013年の不具合解消工作についてはこちらのブログ記事に、2014年9月の車番貼り換えの顛末についてはこちらのブログ記事に、それぞれもう少し詳しく載せてあります。
(掲載開始日:2009.3.6、最終更新日:2014.9.21)

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