高松琴平電気鉄道@エムサ菌総合研究所
思い出の、あのシーン
〜 琴 平 線 編 〜

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 琴平線では、2002年12月時点で車両の大型化・冷房化がかなり進んでいたため、細々と 残っていた非冷房車の運用は朝・夕のラッシュ時間帯に限られていたようで、それらも2003年 から2005年にかけて1200形に置き換えられて姿を消してしまいました。
 私は、長尾線や志度線の旧型車を追うことが多かったので、結果として琴平線の非冷房車は さよなら運転以外で撮る機会がほとんどなく、冷房車でも旧標準塗装 ( 『ファンタゴンレッド』) 時代は形式横断的に撮ることがありませんでした。

 ここでは、そんな数少ない琴平線非冷房車や塗装変更前のシーンとともに、琴平線で見られた 長尾線の旧型車の姿も眺めていこうと思います。

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2002.12.19 片原町

 雨が降る朝ラッシュ時の片原町で、『ことでんそごう』カラーの1100形と『ファンタゴン レッド』の1070形で組成された4両編成による琴平線・高松築港行きと、『ことでんそごう』 カラーの600形に60形67を加えた3両編成による長尾線・長尾行きが行き交う。
 車両は今と変わらず (600形609は800番台となって志度線に転属している が) 、雑然とした駅は変わっていませんが、塗装が変わっただけで雰囲気まで大きく 変わったように見えてしまいます。

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2002.12.18 仏生山

 夕方のラッシュに備えて、上り・高松築港行き1080形2両編成の前部に、1060形1両を増結する シーンです。
 当時の琴平線の3両編成運用がいくつあったのかはわかりませんが、既に両運転台車が3両しか なく、その内1063形の登板機会がほとんどなかったので、運用も極めて少なかったと思います。

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2004.10.18 高松築港

 高松築港で、長尾線の3000形300+750形760の2両編成 (右) と顔を 合わせた、1060形1061+1080形の3両編成 (左)
 この頃の琴平線の3両編成は1運用で、仏生山〜高松築港〜琴電琴平〜高松築港〜仏生山 という行路だったように記憶しています。
 この列車は1060形引退前に既に4両編成化されており、1060形の最末期は2両1組となって 平日朝の増結運用に就いていたようです。

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2004.10.18 仏生山

 琴平線では、朝ラッシュ時は4両編成の列車が最短7分30秒間隔で運転されていますが、 夕方のラッシュ輸送は昼間と同じ15分間隔のまま一部の列車に対して4両編成に増強することで 対応しています。 従って、夕方の仏生山工場は朝ほど車両が出払った感がなく、翌朝まで 待機する車両も見られました。
 1200形1201 (左) 、1050形1054 (右奥) 、 1070形1074 (左) 。 1201と1054はごく僅かな隙間を空けて停まって おり、連結されていません。

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 仏生山工場は長尾線車両の各種検査も受け持っており、瓦町‐仏生山間には長尾線車両の 回送列車が設定されています。 そのため、琴平線では営業に就かない旧型車が、走り慣れた 道を行くシーンを見ることもできました。
 ダイヤは朝ラッシュ後の仏生山行きと夕ラッシュ前の瓦町行きで、2006年当時は各2本設定 されていました。 しかし、検査がない場合は瓦町の引込線に留置されること、2編成を連結 して回送を一度で済ませることもあるため、運転は不定期でした。

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2006.3.23 栗林公園‐三条

 瓦町から仏生山に向けての回送列車です。 この日は3000形315+5000形500の回送シーンが 見られました。
 この時期のこの2両は、突発的な車両交換に対応できるように瓦町の引込線で待機する 『運用予備編成』だったと思います。 その性質上、走行実績の有無に関わらず4日に1度 行なわれる検査を受けており、この日はその検査日に当たったのでしょう。

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2007.2.4 三条

 昼間仏生山で検査を受けた車両が、瓦町へ回送されるシーンです。 この日は600形の後部に 3000形315+300が連結されていました。
 三条でこれと行き違う琴平線下り列車に乗っていた私は、とっさに降りてカメラを構えた 事を憶えています。

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 仏生山から戻ってきた長尾線車両は、瓦町の配線上、琴平線上り本線を一旦片原町方まで 引き上げ、渡り線を通って長尾線ホームに転線します。 転線シーンは今でも変わらず 見られますが、旧型車がいた当時のものを見てみましょう。


(以上8点)2007.5.25 片原町‐瓦町

 画像右・瓦町を通り過ぎた回送列車が踏切上で一旦停止し、逆向きに走り出します。
 ここ『福田町第4踏切』で交差している道路は国道11号線です。 市街地のド真ん中にある幹線 道路の踏切を旧型車が堂々と塞いで入換するシーンは、他では見られないのではないでしょう か? さすがに踏切遮断時間を短くするためか、編成の両端に運転手が乗り込んでいるようで、 停車時間は短くなっています。
 この日は高松築港方から3000形300+325+600形2両の組成でした。

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(2枚とも)2007.5.24 瓦町

 本線上での折り返しを終え、長尾線ホームに入ってくる回送列車。 この日は高松築港方より 1000形120+750形760+600形610+609でした。
 転線してきた列車は長尾線ホームに据え付け後、高松築港方2両の旧型車を切り離し、600形 2両は瓦町発長尾行きとしてそのまま営業に入ります。 残された旧型車2両は長尾行きの発車後 一旦引込線に入り、小休止後出庫し営業運転に就きます。

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 「長尾線車両の回送シーン」を追加して何とか体裁を整えた感もあります。 もうちょっと 琴平線にも目を向けていればよかったなぁ・・・ と、ちょっと後悔しています。
 琴平線では、長尾線・志度線とは異なり異形式の連結・協調運転を依然として見ることが できるので、せめて今後はそれを残せれば、と思った次第です。

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2008.10.12 エムサ菌