北総線観察記@エムサ菌総合研究所
防音壁改良工事

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 1979年に開業した第1期区間のうち、新鎌ヶ谷駅 (当時は信号所) の前後の区間が高架線となっていますが、その側壁は現場でコンクリートブロックを積み上げて 作ったものと思われる外見で、高さもそれほどありませんでした。
 成田新高速鉄道を受け入れる工事の一貫として、パネル状の外見に改めつつ側壁を高いもの とする工事が2009年春頃より行なわれ、秋頃に完了しました。 沿線に掲示された案内には 『防音壁改良工事』と書かれており、地震発生時の崩落防止という意味合いもあるように 思われます。
 一番最初に行なわれたと思われる新鎌ヶ谷駅下りホーム部分で見た限り、既存の側壁に穴を 開け、両側からあらかじめ工場で作られたパネルでサンドウィッチしてボルトで固定していま した。 ここでは既にホーム屋根の高さまで側壁が設置されていたのでそこで工事は完了して いましたが、それ以外の区間ではパネルを固定後さらに上に向かって延長する工程が組まれて いました。

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2009.6.25 新鎌ヶ谷付近

 工事前の『ブロック塀のような側壁』です。 このような形態の側壁が、架道橋部分を除いて 東に向かって地上に下りたところまで続いていました。
 ツギアテのように色が違うところがいくつもありますが、それらは補修痕で、ブロックが 欠けたままになっているところも画像中に2箇所あります。 欠けたコンクリートが地上に落ちた という話はここでは聞いたことはありませんが・・・。
 北総線の橋桁の奥に見える新しい高架橋は、建設中の新京成線のものです。
(2009年6月27日、それまでの画像から「電車が走っている」画像に差し替えました。)

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2009.6.20 新鎌ヶ谷付近

 架線柱を挟んで、工事前 (画像手前) と工事後の側壁の違いを 見てみましょう。
 架線柱に付いている黄色時黒文字の『工』の表示は、この先の軌道敷内で何らかの工事 (この場合は防音壁改良工事) が行なわれていることを運転士に 知らせるもので、実際に工事が行なわれている時間中に掲示されているようです。

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2009.6.20 新鎌ヶ谷−西白井

 足場と防護ネットに囲まれて、まさに施工中といった状況です。 前展望なり後展望なりで 見た限りではここまで大規模な工事には見えませんでしたが、営業線の工事で最低限の作業以外 は「外」でやらざるを得ず、当然のことなんでしょうね。
 特にいじっていない橋脚と新しい側壁に違和感がありますが、年月が少し経てば落ち着く ことでしょう。

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2009.6.20 新鎌ヶ谷−西白井

 既存の側壁に対するパネルの取り付けが終わり、上に向かって延長する途中 (と 思われる) の様子です。 左側の壁は延長後、右側の壁は延長前です。 最終的には 側壁上部に金属製の蓋のようなものを取り付けているようですが、左側の壁の上部には養生 テープと思われる緑色の帯が見えるので、蓋の取り付けはまだのようです。
 鉄道線路で近年新設される防音壁には、上部が内側にすぼまった形のものがよく使用されて いますが、ここでは一番上まで垂直のものとなっています。 既存の外壁を流用したことと 建築限界を侵すからでしょうか。

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2009.6.20 新鎌ヶ谷−西白井

 壁が高くなったところを地上から見てみると、こんな感じです。
 防音壁というものの、この区間の軌道構造がスラブ式で、果して壁を高くすることでどれだけ 騒音の低減につながるのか? 疑問に思うところではあります。
 画像の列車は上り列車で、横を向いた信号機はカーブの関係で進行方向右側に建植された 下り線のものです (黒ビニールで包まれた信号機の位置を示す表示の向きから 判断)

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(2点とも)2009.6.25 新鎌ヶ谷−西白井

 壁が高くなったことで、車内からの視界はどう変わったか? 上り電車の車内から進行方向 左側を見てみましょう。
 画像左 (表示環境によっては、上) は改良工事着工前の「壁が低い」 状態、画像右 (表示環境によっては、下) は改良工事後の「壁が高く なった」状態です。 進行右側のドアに寄りかかって撮影したもので、見え方は車内の位置に よっても変わってきますが、総じて視界が悪くなったと言えそうです。

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2009.9.7 新鎌ヶ谷

 この日は新鎌ヶ谷駅の上り方、ホームから見える場所でパネルの取り付けが行なわれて いました。 手前側は既存の壁にパネルが付けられているところ、奥では壁を嵩上げしている ところです。

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2009.9.7 新鎌ヶ谷

 さらに近いところで、どのようにパネルが取り付けられているのかを見るのに相応しい場面を 捉えることができました。
 右は未着手、左は下半分のパネルを取り付けている途中・・・ という状況で、これを撮影 する直前まで、左側の壁の外側でパネルが取り付けられていました。 ボルトが付いていない 『穴』が見えることからも、パネルの固定がまだ完全に終わっていないことがわかります。
 また、パネル取り付け前に既存のブロック塀最上段の上半分を切除したようで、生々しい 切断面がパネル越しに見えました。

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2009.9.7 新鎌ヶ谷付近

 この日の現場は新鎌ヶ谷駅の上り方・新京成線との間に位置しており、鉄道会社の敷地内で かつ車が入れる場所では足場を組まずに荷台にリフトのついたトラックが使われていました (トラックの奥では足場を組んて作業が行なわれている模様) 。  手前側に治具とみられる部材がついていますが、既存の壁とパネルの間に何か充填している のでしょうか?
 後日、高さを増した部分に発泡スチロールと思しき板を2枚のパネルの間に上から差し込んで いるのを見ました。
 なお念のため。 この画像は公道から撮影しました。

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2010.1.1 エムサ菌