北総線観察記@エムサ菌総合研究所
東松戸駅改良工事

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 東松戸駅は、JR武蔵野線と交差する地点に設けられている駅です。
 築堤上を走る武蔵野線のさらに上に北総線を通すため、地上から約11mの高さに島式ホーム が建設されました。 新鎌ヶ谷と同様、将来的には島式ホーム2面4線の配置とすることを前提 に計画されましたが、当初は下り側ホームのみを用いた島式ホーム1面2線規模に留まり、上り線 側の高架橋は駅舎の構造に関わる部分しか建設されなかったので、「途切れる高架橋」にその ような計画があったことを窺わせました。
 武蔵野線に駅ができたのが1998年3月で、駅前ロータリーもその頃に整備されたのではないかと 思います (JR駅開業当日に訪れた際に真新しいロータリーが印象的だったので) 。  駅周辺の開発もそれらを受けて始まったようで、特に最近は駅前にビルやマンションが 林立するようになり、周辺の徒歩圏にも宅地が拡がるようになるなど、乗降客数は増加している ようです。 2009年2月のダイヤ改正時にはそれまでは通過していた『特急』 ( 平日朝ラッシュ時上りのみ運転) と『急行』 (平日夜間の下りのみ運転 ) が当駅にも停まるようになったことからも、この駅が重要度を増していることが 窺えます。

 このように、何かと新鎌ヶ谷と似た発展過程を歩んでいる東松戸ですが、これもまた新鎌ヶ谷 と同じように成田新高速鉄道の受け入れに備えて島式ホーム2面4線化されることになりました。
 私は東松戸駅を利用することがほとんどなく、着工前の様子をあまり憶えていないどころか 写真にも残していませんが、新しく整備されたホームに降りる機会があったので、ここでも 触れておくことにします。

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 東松戸駅の配線略図です。
 新鎌ヶ谷と同様、開業時に使用するホームは下り線側の1面、線路もそのホームに接する2線 のみとされたため、線形としては上下線ともに下り線側に線路が蛇行していました。 但し線路 配置で見ると新鎌ヶ谷とは異なり側線や分岐器がなく単純で、運転上も『停留所』の扱いでした。
 改良工事によって当初の計画どおり上り線側ホームとその外側に待避線が整備されて2面4線 となり、上下本線も直線化され、進入・進出時の曲線が原因の速度制限も解除されたようです。

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2009.6.6 東松戸

 ホームの上下分離が図られた東松戸駅の様子です。 ホームの番線はこの時点で1から4まで 振られていましたが、外側の待避線となるであろう線路 (1番線・4番線) は工事中で未完成、使用している線路は上下線とも内側の本線となるであろう線路 ( 2番線・3番線) だけでした。
 新しいホームのつくりは、細かいところに差異はあるのでしょうが基本的には既存のホーム (新・下りホーム、画像左側) に合わせてあるようで、コンコース とを結ぶ階段などの配置も下りホームと同じようでした。

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2009.6.6 東松戸

 上りホーム端から上り方向を見てみます。 改良工事前の配線と構造物の位置関係にもよる のでしょうが、ホームの終端近くの柵から信号機・分岐器はかなり遠く、ゆったりしています。
 この時点で本線と待避線の分岐器は入っていますが、待避線は工事中で上下線間の渡り線も ないので、信号機は閉塞信号機のままです。

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2009.6.6 東松戸

 一方で上りホーム端から下り方向を見てみます。 上り方向と同様、分岐器と信号がホーム から遠く、撮影時は雨が降っていたために余計に状況がわかりにくくなっています。
 それにしても、地表面から高いこの駅のホームを上回る高さの建物・・・ というより、 長いことロータリーしかなかった (という印象が強い) この駅の周辺 に、こんなに高い建物が林立していたとは・・・ と驚いたものでした。

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2009.6.6 東松戸

 駅舎部分の高架橋にて。 手前が新設された上り本線で『コンクリート直結道床』、奥が既存 の下り本線で『スラブ軌道』です。 上り線もスラブ軌道で計画されていたようで、上面に スラブを受ける突起が準備されていましたが、結果的に直結軌道に設計が変更されました。

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2009.6.6 東松戸

 工事中の上り待避線では、コンクリート道床の構築と枕木の設置はすべて終わり、レールも 搬入されていました。 手前側のレールは枕木に固定されていますが、奥のレールはまだ置いて あるだけです。
 レールが溶接されているのか、画像奥のバラスト道床部分まで1本のものになって いましたが、バラスト道床部分のレールは枕木に固定されていました。

【2010.1.1 追記】 待避線の整備完了の前にこの部分のレールも 当然連結されましたが、溶接によって行われたようです。

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(2枚とも)2009.12.30 東松戸

 半年ぶりに行ってみると、待避線の整備工事が完了していました。 ただ、待避線自体は まだあまり使っていないようです。

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2010.1.1 エムサ菌