アニメの舞台を訪ねて… (聖地巡礼)更につづき


稲尾駅は、おねがいツインズの序盤に登場しました。
その時のシーンを基にいろんな角度から観察してみることにします。


 

樺恋と深衣奈の雨宿りのシーン。


国道から駅舎を見るとこんな感じになります。
アニメの頃からだいぶ年月が経っているため、木が随分育っているようです。
JRの文字がうまく隠れる位置に木があるのは偶然とはいえ、うまく活用しています。


 

アニメとほぼ同じアングルで写真を撮ってみました。


前のシーンと少し前後しますが、雨が降り出して大急ぎで駅舎に駆け込むシーンです。
レイアウトはまさにそのまんまといった感じですね。ここまで綺麗に一致すると気持ちがいいです。
駅舎の壁の塗装に若干の違いが見られます。


 

振り子式の381系特急形電車


駅をウロウロしていたら特急しなのが通過していきました。
しかもワイドビューではなく、381系の旧国鉄色。まさにグッドタイミング!

思わぬ収穫を得ることが出来たところで次の目的地へ出発することにします。
時刻は間もなく正午です。


稲尾駅から海ノ口駅の方へしばらく歩くと、その途中でYショップが見えてきます。
このコンビニこそが、あの樺恋と深衣奈がバイトすることになる「縁川商店」だというのはファンの間では有名である。
赤いベンチやのれん、自動販売機、電線に至るまで忠実にアニメで再現されていて、疑う余地は全く無い。
アニメ製作当時から年月が経ってはいますが、アニメと唯一違うところと言えば、入り口の鉢植えくらいだろうか。

 

ファンの間では「縁川商店」という名の方が知られているYショップ。


店内にはアニメ製作に携わったスタッフの色紙や写真が飾られ、アニメ関係での来訪者へのサービスとして「小石うどん」なるメニューがあるほか、足跡マップやノートなどが用意されています。

私が行ったときも、すぐにコチラ目的だというのがバレたようで
「原画展にはもう行かれましたか?」と、サラリと質問されました。

小心者の私にはちょっと頼み難い「小石うどん」を、その勢いで思い切って頼みたかったのですが、こう暑いと「うどん」はちょっと食べる気にはなれませんでした。
仕方ないので、お持ち帰り用の「縄文おやき」で我慢することにしました。


涼しかった店内を出て、少し休んでから再び海ノ口駅の方へと歩いていきます。
すると途中に踏切があるのが見えます。
すぐ向こうが木崎湖で、実に眺めのいい場所です。


 

一津踏切と、おねがいティーチャーのワンシーン


こうしてアニメでも出てくる踏切なのですが、この先どこかに行こうとしても田畑があるだけで、他には何も無いです。
彼らがなぜ遠回りしてまで通学路としてここを通るのかは謎である。


 

おねがいツインズのオープニングでも、一津踏切が背景に使われています。


おねがいツインズのオープニングシーンでの背景をキッチリ写真で再現しようとすると、どうしても崖を降りてハシゴでも準備しないと不可能であった。

樺恋は澄ました顔でどうやってあの位置に佇んでいるのか謎である。
踏切の手前は水路であり、どう考えてもあの位置に立つことは困難なのである。
樺恋の足元がどういうからくりになっているのが知りたい。


 

海ノ口駅をホーム向かい側から。


時刻は13時となり、ついに湖を一周してしまいました。
ゆっくり休憩しながらでも湖一周が6時間程度なので、広いわりには大したことないですね。


 

木造の味わい深い駅舎で、アニメでも度々登場する重要なロケーション。


グルッと大回りして正面へ回ってきました。やろうと思えば線路を突っ切ることも出来るのですが…。
駅舎の中は以前来たときとは随分変わっていて、おねがいティーチャーやおねがいツインズの関連グッスなどは殆ど撤去されていました。もしかしたら、星湖亭にあったのがそれらの一部の可能性がありますね。
駅舎にはストーブの排煙設備がありますね。今は使っているとは思えません。
かつて駅員や保線職員などが常駐していたことを物語っているかのようです。


 

海ノ口駅のホームをおねがいティーチャーのオープニングと比べてみる。


駅のホームに出てみます。ホームは片側一面だけで、その昔駅員が居たっぽいしっかりした木造駅舎の残る駅にしては物足りなさがあります。

おねがいティーチャーのオープニングのシーンと見比べて、おそらくここで間違いないと思うのですが、背景にややフィクションがあります。
ホーム足元の白線にもやや違いがありますね。

海ノ口駅には小石が実によく似合います。おねがいティーチャーのオープニングシーンで、みずほ先生を除いて最も印象に残るのがこのカットではないでしょうか。


 

勝負服で決戦に挑んだ小石が敗れた涙のシーン。その時のベンチは健在。


小石が桂に告白して振られるシーンです。アニメではハッキリと海ノ口駅の駅名が出ていたので間違いない。
このシーンは衝撃でしたので、駅舎の中よりホームの方が印象に残りますね。ファンならやはり夜に来るべきか…。


 

特急スーパーあずさ E351系

ホームをウロウロしていたら特急列車が通過していきました。スーパーあずさです。
いつもは連結されているので貫通扉が見えないのですが、幌が無くなって貫通扉モロ見えのE351系は初めて見ましたよ。
閉じてるとこうなってるのか…。やっぱあんましカッコよくないね。




知り合いのコメントを捜してノートを読破


一通り見物してから駅舎の待合室へ。
しかしグッズが撤去さてしまえばフツーの駅。雰囲気はいいけど退屈です。
備え付けの駅ノートを読んだり落書き帳に絵を描いたりして次の松本行き電車を待ちます。




星湖亭では苺モドキを描いたので、今度は樺恋モドキを描きました。


電車が来ましたが、松本到着時刻が15時37分。帰るにはまだ早いです。
それなら「おねがいティーチャー」「おねがいツインズ」の学校の舞台になっている「旧制松本高等学校」にも行ってみよう、ということで、ちょっと松本で寄り道してみることにします。
駅から旧制松本高等学校までの道程はこちら

旧制松本高等学校の本校舎は大正9年完成、大正11年に講堂など全校舎が完成、昭和25年に閉校。
その後保存運動が起こり、昭和56年、県宝に指定されたということです。


 

建物は改修されたばかりで、アニメの頃の面影がやや薄れていた。


灼熱の松本市内を歩くこと20分。
汗だくになりながら目的の場所に辿りつきました。ここがモデルになっているという噂はネットで調べて知っていましたが、実際にこの場所に訪れたのは今回が初めてです。
しかし、どうやら最近まで改修工事をしていたらしく、見た目、思っていたイメージとは少々違います。
全て真っ白に塗られてしまったせいのようです。もしかしたら、後からまた塗り直しをするのかもしれません。
ひとまず中に入ってみしょう。中には図書館が入っているみたいですね。


 

建物の中は洋風チックな雰囲気。大正浪漫を漂わせます。


入った途端に古い木造校舎独特の香りが漂い、洋風建築のモダンな景色が一面に広がります。
外国映画のロケをここでやっても違和感無く撮影出来そうですよ。
正直、これならアニメのことを何も知らなくても充分楽しめそうです。


 

さすがに中庭や机まではアニメと同じじゃないみたいですね。


とりあえず画像で雰囲気をお伝えします。
入場無料ですので、願わくば実際に行ってその目でこの建物を見ていただいてもらいたいところです。
日本にこれほどの規模を誇る戦前の洋風建築はなかなか無いと思いますよ。

よくぞこのような建物をモデルにしてアニメを製作したものだと感心します。


 

講堂入り口と、講堂内部(2階テラス)


 

講堂のステージと、別館。

別館の建物と講堂は一つの建物であり、棟つづきになっています。
上の別館の写真の左側に見える窓は講堂の窓です。




講堂全体はこんな感じ


 

庭も綺麗に整備されています。しかも広い…ちょっとしたピクニック気分が味わえます。




広い池もあり、カモやハトが羽を休めています。


庭園の池のまわりには休憩所が設けられていて、学生が談話している姿が見られました。
市民に定着した憩いの場のようですね。

校舎全体の見学に要した時間はだいたい一時間くらい。結構疲れました。
最後にいいものが見学出来て大満足です。


帰りは寄り道せずにまっすぐ100円バスで松本駅まで戻り、帰途につきました。




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