※この短編の作成にあたっては、ららちゃん38さんから、
おしゃれ画像の提供と、多大なるおしゃれ画像撮影協力を頂きました。
この場をお借りして、ららちゃん38さんには
厚くお礼申し上げます。


おしゃれアルバム物語



猫メイドさんの憂鬱 番外編

お嬢様の妹さんの夢オチの巻





ある日のこと…。

とうとうお嬢様の妹さんは、お母様に不満を爆発させてしまいました。






「いつもペットの世話はアタシばっかりじゃない! もういい加減にして!」


ご近所やお知り合いが、家をお留守にする時に、お母様が安請け合いして

ペットを預かってくることに、妹さんは、もう我慢が出来なくなりました。


「今週中にこのペットたちを全部飼い主に返してきて!

それから、今までアタシがペットをお世話してきたんだから、

ご褒美に別荘に連れてって!たまにはそれくらいしてもらったっていいでしょ!

それがダメならアタシ、家出してお姉ちゃんのお家から学校に通うからね!」






「はいはい、わかりました。仕方のない子ね…」


最初の頃は、ペットを預かってくると、喜んでお世話をしていた妹さん

でしたが、少しばかり度が過ぎてしまって、怒らせてしまったようです。


お仕事の関係で家を空けることが多く、寂しい思いをさせてしまっている

我が子のために、少しでも寂しさを紛らわせてあげようと思い、

ご近所や知り合いからペットを預かって来るようになったお母様でしたが、

逆に、安請け合いしすぎだとのお叱りを受けてしまう結果になってしまいました。


…ということで、来週は有給休暇を取って、子供を別荘に連れて行ってあげなければ、

益々妹さんは怒って、本当に家出してしまうかもしれません…。

そこでお母様は、我が子の意見を尊重して、久しぶりに

別荘に連れて行ってあげることにしました。



さあ、久しぶりに別荘に行くことになり、妹さんは大はしゃぎです。

前回は、お母様は送迎だけして、そのままお仕事に行ってしまったので、

お母様が同伴の別荘なんて、本当に久しぶりなのでした。






すぐにお姉ちゃんに電話して、一緒に別荘に行こうと誘いましたが、

生憎お姉ちゃんは学園の行事と重なってしまいました。

しかし、お姉ちゃんのお留守で、猫メイドさんは暇を持て余すことになります。そこで

妹さんは、お姉ちゃんの代わりに猫メイドさんを別荘に誘っていいか尋ねてみると、

快く了承してくれたので、今回も猫メイドさんを別荘にご招待することにしました。

そして、当日を迎えました





「はぁ…はぁ…猫メイドさ〜ん、別荘行くよー!どこにいるの〜?」

「こっちだニャ!」

お嬢様のお部屋のほうから、猫メイドさんの声がしました。






「どの服がいいか決まらないニャ。妹しゃんに決めてほしいニャ」

猫メイドさんは、お嬢様のクローゼットの服をあれこれ試着しながら、

何時間も迷っていたようです。

きりがないので、パパッと妹さんが選んであげて、すぐさま別荘へ出発しました。





別荘に着くと、妹さんとお母様は、すぐにお夜食の買い出しに出掛けてしまいました。

その間に猫メイドさんは、暫く留守になっていた別荘のお掃除などを、

テキパキとこなしました。


「そうだニャ、お布団を1時間だけでも外に干しとくかニャ」

もうすぐ夕方になりますが、外はよく晴れているので、少しでも快適に

お休みになってもらおうと、猫メイドさんは、お布団を干すことにしました。




「お先に〜♪」

お母様と猫メイドさんが、お夜食の準備に取り掛かっている間に、

妹さんはお風呂です。

別荘生活のお楽しみは、何と言っても温泉です。

お風呂から上がるころには、お夜食が出来上がっているはずです。

そして、お夜食が済んで、洗い物を済ませたら、お布団に潜って、猫メイドさんと

真夜中までお話をする。

これは、妹さんがずっと前から計画していて、ずっと楽しみにしていたことでした。

前回、猫メイドさんたちを誘って別荘に来た時には、色々とゴタゴタがあって、

それどころではありませんでした。

やっと妹さんのささやかな願いが叶う日がやって来たのです。





「あたし、先に寝ちゃうわよ。もう眠いから…。あなたたちも早く寝なさい」

お母様は、先に寝室に行って休んでしまいました。

なおも妹さんたちのお喋りは、尽きることはありませんでした。

でも、夜も零時を過ぎると、さすがに眠くなってきてしまいました。


「そろそろ眠くなってきたニャ…」


先にギブアップしてしまったのは、猫メイドさんでした。

猫メイドさんは、ソファで雑魚寝する方が慣れている、というので、

ソファで寝てもらい、妹さんは、お母様と一緒に寝室で寝ることにしました。





寝室に入ると、もうお母様は熟睡していました。

連日遅くまでおしごとで、余程疲れていたのでしょう。

妹さんは、いつも自室のベットで寝ているので、お母様と一緒に

寝るのは久しぶりでした。





妹さんも、お布団に潜るとすぐに寝息を立てました。

お日様の匂いがほのかにするお布団は気持ちが良さそうです。

そして、妹さんは、夢を見ました。

それは、自分が将来、中学生になった時の夢でした。

何やら、同級生らしき男子に内緒話を持ち掛けられました。






「あのな、いいこと教えてやるから、耳貸せよ!

あのな、コショコショコショ…」





「ほんでな、ゴニョゴョゴョ…」

「ほ、ほえぇぇぇぇ!」





「ほんでな、そしたらな、ゴニョゴニョゴニョ…」

「ムリムリ!そんなの絶対無理だよ」

「ま、あとはお前次第だけどな。頑張れよ!じゃあな」



妹さんは、その男子から凄い情報を入手してしまいました。

どうやら妹さんのことを好きな男子がいるらしいのです。

しかもその男子は、妹さんもいいなって思ってた男子のようです。

その男子の好みから口説き方まで、懇切丁寧に教えてもらったのでした。






その男子が言うには、口説く場所はお姉様の家がベストだと教えられました。

さっそく仲の良いお友達に相談役になってもらい、作戦会議&お姉ちゃんの家で

リハーサルに入りました。






そして、いよいよ本番がやってきました。

お姉ちゃんと猫メイドさんには、ちょっと外出してもらい、家を空けてもらいました。

そして、意中の男子を、それとなくお姉ちゃんの家に呼んで、リハーサルの通りに

事を進めました。





「あ、えっとね、これ、好みかなって思って買ってきたの」

「これはボクの大好きなウニャギの置物じゃないか。

よくボクの好みがわかったね」

「うん、何となくこれかなって、ね」






「でも、ウニャギの置物よりもキミの事の方がずっと好きだ

ってことはもうわかってくれてるよね。

婚約しよう!って言ったら、いつ決断してくれる?」





「今すぐーーーーー!」





こんやく♪けっこん♪こんやく♪けっこん♪こんやく♪けっこん♪

わーいわーい!わっせ!わっせ!わっせ!

…………。

ひゅるるるる〜…





ひゅるるる〜…

「??????

あれ?? 夢?? ってゆーか、ここって…どこ?」

ひゅるるる〜…





カチカチカチカチ…

「う〜〜 さむいさむいさむい…」


「しゃん…いもーとしゃん! いもーとしゃん!!」





「何してるんだニャ?いつまでも寝惚けてニャいで、早く朝食食べるニャ」

「ふぁ〜い…zzz」


妹さんは、どれが夢で、どれが現実かハッキリしないまま、朝食になりました。





「ふう…変な夢だったなあ…。最後に見た雪ダルマは何だったんだろう…。

……結婚かあ〜♪ 何年後の夢なんだろうなあ…」






「フフッ♪」


朝食が済むと、お母様のお車で近所を少し観光して、お土産を買い、

別荘に戻ってランチを摂って、あとは帰るだけです。

1泊2日なんて、あっという間でした。


お嬢様が戻るのは明日なので、とりあえず今夜はお嬢様のお家に立ち寄り、

3人でお夕食にしてから実家に戻ることにしました。

妹さんは、猫メイドさんとゆっくりお話し出来て、とても満足した様子です。






「ねえ猫メイドさん、これお姉ちゃんにお土産、渡しとして〜!」

「自分で渡さなくていいのかニャ?」

「だって照れ臭いんだもん…冷蔵庫に入れといてね」

「その中に何が入ってるニャ?」

「ひみつ〜♪」





翌日、帰ってきたお嬢様に、猫メイドさんは、妹さんのお土産を

冷蔵庫から出して手渡しました。


「ああ、ここのケーキ、アタシが大好きなお店だよ」


お嬢様は、箱を見てすぐに反応しました。

箱を開けると、お嬢様の大好物のショートケーキと、メッセージカードが

入っていました。


そのメッセージカードには、お嬢様や猫メイドさんへの感謝の言葉と、

こないだの変な夢の事が詳細に書かれていました。


「そういえば妹しゃん、朝方ずいぶん寝惚けてたみたいだったニャ」


猫メイドさんは、その日の朝の妹さんの様子を、お嬢様に聞かせて差し上げました。

そして、猫メイドさんは、鼻息荒げて、去り際にこうつぶやきました。





「絶対に妹しゃんと同じ夢見るニャ。それじゃお嬢様、おやすみニャ」

「おやすみぃ〜♪いい夢が見れるといいね」


お嬢様のお部屋を出た猫メイドさんは、そのままパタパタとスリッパを鳴らして、

居間のソファに向かいました。


おわり


※「お嬢様の別荘に温泉」は、YUMIさんのアイディアです。
YUMIさんありがとうございました♪