〜おしゃれアルバム物語〜
続・猫メイドさんの憂鬱


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行ってきま〜す」
「お嬢様、気をつけてニャ」

猫メイドさんは、いつものように玄関先で
手をニギニギしてお嬢様を見送りました


―そして、その日の放課後…

お嬢様は、いつものように、お友達と下校
していました。






「ねえG.Wは予定とかある?一緒に何かして
遊ぼうよ」

世間では、もうすぐGWがやってきます。

一方のお嬢様の妹さんは、
お母様にどこかに連れて行ってもらいたくて
たまりませんでした。

でも、お母様はおしごとがとても忙しいので、
どうせどこにも連れて行ってもらえないことを、
妹さんは何となく察していました。

妹さんは、台所で食器の洗い物をしているお母様に、
ダメもとで頼んでみました。





「ねえ、GWどこか連れてってよう」

「そんな暇あるわけないでしょう。早く支度済ませて
学校行きなさい」

思った通り、お決まりの返事が返ってきました。

妹さんは、ふと、いいことをひらめいたようです。

「ねえねえ、お姉ちゃんところに来てる猫メイドさん
さあ、お姉ちゃんをあんなにお世話してくれてるの
に、ウチからはまだ何もお礼してないよね」

「お給料はちゃんと払ってるじゃない」

妹さんは、お母様に1つ提案してみることにしました。

「ねえねえ、GWに猫メイドさんをうちの別荘に招待
しようよ。慰労会ってことでさあ。いいでしょ」





「はいはい…仕方ないわね。」

妹さんの提案を、お母様はしぶしぶながらも
受け入れてくれました。

かく言うお母様も、どこにも遊びに連れて行って
あげられない我が子が不憫だったのでした。

お嬢様の妹さんは、GWまであと何日と、指折り
数えて楽しみにしていました。

そして、ついに別荘に出掛ける日がやって来ました。

お母様のおしごとの都合があるので、まだ夜も
明けないうちからおでかけの支度です。



まだ眠い…

お嬢様が目を覚ますと、猫メイドさんは既に起きて
いて、お嬢様のご旅行の支度をしていました。

お嬢様は、眠そうな腫れぼったい目で身支度を
しています。





「お嬢様、急ぐニャ!お母様のお車が着いたニャ」

「すぐ行くから待っててもらってぇ」

お嬢様は、荷物を纏めて急いで寝室から出ると、
お母様が、猫メイドさんと立ち話していました。

「いつも娘がお世話になっています」

「かえって迷惑ばかりかけて済まないニャ」

お嬢様は、猫メイドさんが用意してくれた
靴に履き替えながら言いました。

「猫メイドさんは支度しなくていいの?」

「留守番するのに支度がいるのかニャ?」

「猫メイドさんの慰労会なんだから、猫メイドさんも
一緒に行くに決まってるじゃない」

「ニャ!!そうだったのかニャ?」

猫メイドさんには、何も知らされていませんでした。

妹さんの提案で、猫メイドさんには内緒にしようと
決めていたからでした。

車の助手席から、お嬢様の妹さんが手を振っています。

「おねーちゃん、猫メイドさんも、はやくう!」

猫メイドさんも車に一緒に乗せて、一路、お嬢様の別荘へ
と車は向かいました。





途中で、お嬢様のお友達を拾って、おやつを食べたり、
ワイワイ楽しくお喋りしていたら、
いつの間にか別荘に着いていました。

余雅湖を見下ろす長閑な場所に佇む別荘です。

「はあい、着いたわよぉ」





別荘には、久しく誰も来ていませんでした。

お嬢様も、ここに来るのは一年振りです。

周りは雑草が伸び、枯葉が積もって、大変な有様でした。

お母様が別荘の鍵を開けて中に入ると、何だか
埃っぽくて、このまま上がると、靴下が汚れそうです。

別荘の中をお掃除しようにも、お嬢様も、お嬢様の
妹さんも、お掃除は苦手でした。

「せっかくの慰労会なのに、ごめんね!」

「頼ってくれた方が嬉しいニャ」

猫メイドさんは、嫌な顔一つせず、お掃除に取り掛かって
くれました。





「それじゃあアタシおしごとあるから行くね。明日のお昼
過ぎに迎えに来るから!」

お母様は、そのままお車で、おしごとに出掛けてしまいました。

さあ、お嬢様たちは、手分けして猫メイドさんのお掃除の
お手伝いです。





「雑巾の絞り方も知らないのかニャ?」

「床掃除する前に埃を落とさなきゃだめニャ」

「もう無理に手伝ってくれなくていいニャ。外で遊んでて
くれないかニャ」

お嬢様と妹さんは、かえって猫メイドさんの足を
引っ張って迷惑をかけてしまいました。

何とか猫メイドさんと一緒にお掃除が出来ているのは、
おしゃれ学園で家政をお勉強しているお友達だけでした。

仕方ないので、お嬢様と妹さんは、お庭を掃きながら、
これから何して遊ぶかを話し合いました。

バーベーキューしようと提案したのはお嬢様でした。

でも、お嬢様たちにBBQの支度なんて出来ませんでした。

準備を全て猫メイドさんに頼むのは、お嬢様たちにとって
不本意なので、却下しました。

お嬢様の妹さんは、肝試しを提案しました。





しかし、猫メイドさんは猫目ですので、暗闇でも
周りが良く見えることを、お嬢様は知っていました
ので、却下しました。





「もう上がってもいいニャ!お掃除終わったニャ!」

猫メイドさんが、バルコニーから叫んでいます。

結局、猫メイドさんの慰労会なのですから、猫メイドさんに
決めてもらおう、ということになりました。


猫メイドさんがみんなに提案したのは、ご近所探検でした。
猫メイドさんは、この辺りのことをよく知らないので、
この機会に探検してみたかったのでした。





そうと決まれば、さっそく探検に出発です。





お嬢様たち一行は、途中で見つけた神社
に寄り道しながら、余雅湖まで下りてきました。

湖畔には、お花が咲き乱れ、とてもいい眺め
でしたので、記念に写真を撮りました。





湖のほとりには、観光客向けのお店が何軒か
ありました。





ここまで歩き通しで、少し小腹が空いてきましたので、
屋台で買い食いしながら、湖の周辺を探検しました。





やがて、お昼になりました。

「もう正午を過ぎてるニャ。お腹が空かない
かニャ?」

何が食べたいか、4人で俄かにランチの相談を
始めました。

お嬢様たち一行は、ちょうどよく見つけた喫茶店
に立ち寄ることにしました。





喫茶店の一番奥の席でお喋りしながら、ゆっくり
とお昼をとったあとは、湖周辺のお店に数軒
立ち寄って、今夜のお夜食や、お土産、おやつ
などを調達します。





あっちこっちのお店に立ち寄ってショッピング
を楽しんでいたら、いつの間にか夕方になって
いました。

もう、探検している場合ではありません。

湖のまわりのお店はシャッターが下りはじめて、
人気も閑散となってきていました。





そろそろ帰らないと、大変です。

別荘の近くまで戻ってくる頃には、陽が落ちて
しまい、背の高い樹木が生い茂る森の中は、
すっかり暗くなってしまいました。

別荘が立ち並ぶ付近には、街灯が一つも
なかったのです。





妹さんが、後ろの方で叫びました。

「待ってよぉ、もう少しゆっくり歩いてよぉ」

暗闇の中を歩いていると、不安感や恐怖感が
こみ上げてきて、さながら肝試し状態なのでした。

デコボコした未舗装の道には、水溜まりも
残っていて、とても歩きにくいですので、
暗闇でもよく見える猫メイドさんが、みんなを
先導して、お嬢様の別荘までの道を戻りました。

「みんな足元に気を付けて歩いてニャ」

猫メイドさんが、ふと振り返ってみると、妹さん
の姿が見当たりませんでした。





「大変だニャ!妹しゃんがいニャいニャ!
みんなはここで待っててニャ」

猫メイドさんは、今通った道を急いで引き返しました
が、妹さんの姿は見当たりませんでした。

お嬢様たちを暗闇の道端に放っておくことは出来ない
ので、ひとまず三人で別荘に戻り、これからどうするか、
話し合うことにしました。





お嬢様が言いました。

「ずうっと前から思ってたんだけど、途中にあった
空き別荘、凄く怪しいと思うの。
どう見ても誰も住んで無さそうなのに、人が出入り
してるのを何度か見たことあるし」

きっと妹さんは、その空き別荘に潜伏している
悪い人に連れ去られたに違いない。

お嬢様のお友達や、猫メイドさんとも意見が一致
したところで、怪しい空き別荘に突撃することに
しました。

お嬢様の別荘の留守番はお友達に託し、暗闇でも
よく見える猫メイドさんと、お嬢様が、怪しい空き別荘
に向かうことになりました。

放置されたままの空き別荘は、お嬢様の別荘から歩いて
10分弱でした。





建物は痛み、周りは荒れ放題です。

犯人に気付かれないように、懐中電灯の灯りを消すと、
お嬢様にはもう何も見えません。

お嬢様は、猫メイドさんだけを頼りに、敷地の中に入りました。
建物には、鍵はかかっていないようです。

猫メイドさんが、ゆっくり、ゆっくりと、ドアを空けます。
そして、猫メイドさんがヒソヒソ声でお嬢様に話しかけました。

「段差があるニャ。気を付けるニャ」

建物の中に侵入すると、どこからか、僅かに灯りが漏れています。
どうやら、灯りは台所の床から漏れています。

「ここニャ!地下室があるニャ」

猫メイドさんがゆっくり地下室の扉を少しだけ開けて、
お嬢様が覗き込むと、
そこには男の人が二人いて、何か話をしていました。

「誰かいるよ。どうする?」

お嬢様が猫メイドさんに尋ねると、猫メイドさんは自信あり気に
言いました。

「特攻するニャ!」

猫メイドさんは、上着を脱ぎ去ると、地下室に飛び降りました。

すると、気配に気づいた男たちが叫びました。





「誰だ!?」

猫メイドさんは言いました。

「妹さんを返すニャ!返さないと痛い目に遭うニャ」

パンチパーマの学ラン男が言いました。

「兄貴ぃ!飛んで火に入る夏の虫とはこのことっスね。
この猫娘もかっさらっちまいますか!」

パンチパーマの男が猫メイドさんににじり寄ると、
猫メイドさんの手には鋭い爪が輝きました。

そして、猫メイドさんは、まるで忍者のように
軽快に飛び上がり、軽い身のこなしで走り回ると、
あっという間に犯人たちはズタズタに引っ掻き回され
てしまいました。

イケメン男は、猫パンチを顔面で受け止め、完全にのびて
しまって、起き上がってきません。





「ま、参った!もう参った!アンタが捜してる子ならこの部屋
の中だ、チキショー!」

扉の向こうで、誰かが叫んでいるのが微かに聞こえます。

お嬢様が扉を開けると、そこには確かに妹さんがいました。





「怖かったようぅ!」

二人は抱き合って無事を確かめ合いました。

「妹さん無事だったんですか!よかったぁ」

妹さんの無事な姿を確認したお嬢様のお友達は、胸をなで
下してほっとした表情をしました。

妹さんは、少し怪我を負っているみたいですが、
大したことは無さそうでした。


― その日の深夜のお嬢様の別荘のこと。





お嬢様が興奮気味に、猫メイドさんの武勇伝を
延々と語りはじめました。

「猫メイドさん、凄かったんだよ!悪い人たちなんて、こう!
こうやって、こうだっんたんだから!」

猫メイドさんが、顔を真っ赤に染めて言いました。

「恥ずかしいニャ!頼むからやめてニャ」

こうして、お嬢様の別荘での夜は、更けていきました。


翌日の朝早く、心配したお嬢様のお母様が別荘に駆け
つけました。



本当に無事でよかったわ


猫メイドさんが言いました。

「…ご心配かけて申し訳ないニャ」

「何を言ってるの!警察の方が猫メイドさんに感謝状
贈りたいって仰ってたのよ!私からもお礼を言わなきゃ」

その後は、警察の事情聴取や、たまった宿題、あれこれ
ゴタゴタしている間に、GWはあっという間に過ぎ去り、
いつもの日常が再びやってきました。



行ってきまーす

妹さんは、普段通り、学校へ通いました。



GWアッという間だったね


お嬢様も普段通り、迎えに来たお友達と元気よく学園に
通いました。

「やれやれだニャ…」

猫メイドさんは、お嬢様を見送り、一息着いたのも束の間、
振り返るとそこには、あの魔女がいつの間にか、
居間に忍び込んでいました。





「性懲りもなくまた現れたニャ!」

どうやらこの魔女、インフルの呪文が使えるのは、
インフルエンザウイルスが媒介する冬の間だけのようで、
今は魔法で変身して人を騙すことくらいしか
していないようでした。

「今度また何かしでかしたらただじゃすまないニャ!」

心優しい猫メイドさんは、お嬢様に二度と危害を加えないこと、
お嬢様の前に姿を見せないことを条件に、もともと棲んでい
たお部屋に、再び住まわせてあげることにしました。

魔女は、地縛霊の姿に変身すると、スウッとどこかに隠れて
しまいました。


―猫メイドさんは、お嬢様を学校に送り出して、お仕事が
一段落したあとは、少しお昼寝するのが日課でした。



疲れたニャ…

ただでさえGW中は、別荘で事件に巻き込まれたり、警察署で
事情を聴かれたりと、色々あったので、猫メイドさんは、とても
疲れていました。

今日も猫メイドさんは、いつものように居間のソファで仮眠を
とろうと思い、居間に向かおうとしました。

その時、猫メイドさんは何か良からぬことを閃いたようです。

「そうだニャ!お嬢様は今留守なんだニャ…。キシシ!」

猫メイドさんは、ついつい魔が差してしまったようです。

今なら、お嬢様の服を着ても、すぐにクローゼットに戻せば、
バレることはない…そう考えたのでした。





猫メイドさんだってお年頃の乙女です。一度でいいから、
沢山あるお嬢様の衣装を自由に着てみたかったのでした。

猫メイドさんは、お嬢様のクローゼットから可愛いお洋服を
見つけて着てみることにしました。





「これステキニャ!心地よい夢が見れそうだニャ…」

猫メイドさんは、気に入った服を着たまま、ちょっと仮眠を
とるつもりが、ついグッスリと眠りこけてしまいました。



猫メイドさん夢オチシリーズ

猫メイドさんは、毎晩のように訪れる訪問販売員の
勧誘と、日夜闘っていました。

お嬢様の生活支出を出来るだけ抑えることも、お嬢様
のお母様から仰せつかった、猫メイドさんの大切な
お役目なのでした。

ピンポーン





「色んなリスクに備えて各種保険に加入して
おきませんか〜?」

「お嬢様の事はしっかりお護りするから結構ニャ」


ピンポーン





「HELLOW!グローバル化ノ世ノ中デス!
英会話を習ッテミテハ如何デスカ?」

「習わなくてもお嬢様は優秀ニャ」


ピンポーン





「一週間でよいので新聞を…」

「いらないニャ」


ピンポーン…

「しつこいニャ!」





「アタシよ、アタシ!開けてちょうだい」

「お、お嬢様のお母様でしたかニャ、失礼しましたニャ」

お嬢様のお母様は、お嬢様と猫メイドさんに、
大事なお話があって来たようです。

「聞いてちょうだい。凄くいいお話が急にきたの。
おしゃれ学園の校長さんがね、猫メイドさんの噂を
どこかで耳にしたらしくて、ぜひうちの学園の家政科
に特待生として入学させてほしいって」

「えっホントに!?」
「噂ってどんな噂かニャ?」

お嬢様が通うおしゃれ学園に、猫メイドさんが通うことに
なるかもしれない…。

お嬢様が驚くのも当然でした。

家政科といえば、お嬢様と仲のいいお友達がいるところです。

「もちろん入学費は免除。猫メイドさんには凄くいいお話
だと思うんだけど、どうかしら?
今やってもらってるお仕事と両立させるのは大変だとは
思うけど…」

「お嬢様と同じ学園に通えるのかニャ…夢みたいな話だニャ」





このあと、猫メイドさんの親御さんともお話を重ね、
猫メイドさんは晴れてお嬢様と一緒に学園に通える
ことになりました。





猫メイドさんは、お嬢様のお友達と同じ家政科の教室でお勉強です。

お嬢様のお世話と、学園でのお勉強とをかけ持つのは大変でした。

でも、お嬢様やお嬢様のお友達が、学園のほうで猫メイドさんの事を
しっかりお世話してくれましたので、猫メイドさんは何とかやって
いけました。

そんなある日のこと、猫メイドさんのクラスにお嬢様が血相変えて
やって来ました。

職員室で、とんでもない噂を小耳に挟んできたようです。

「猫メイドさん、外国に留学するって本当?」





「???そんな話聞いてないニャ」

ところがその翌日、猫メイドさんは職員室に
呼び出されました。

海外の学校から、留学生として猫メイドさんを受け入れ
させてもらえないか、という要望が、学園の方に何件か
寄せられていることを知らされたのでした。

実際に留学するかどうかは、猫メイドさん自身の判断で
よいとのことでした。



どうすればいいニャ…

猫メイドさんは、悩みました。

そこで、お嬢様のお母様や、お嬢様と、よく相談することに
しました。

お嬢様のお母様は、メイド長に出世出来るかどうかの二度と
ないチャンスだとして、強く留学を勧めました。

しかし、お嬢様は、猫メイドさんと離れ離れになってしまうことが
とても嫌でした。

ますます猫メイドさんは悩んでしまいました。





猫メイドさんのご両親だって、猫メイドさんの出世を望んで
いることくらい、猫メイドさんもよくわかっていましたし、
立派に出世した姿を見せて、喜ばせたい気持ちは
ありました。

でも、お嬢様が淋しがる顔を見たくなかったのでした。

きっとお嬢様の妹さんも、淋しがるでしょう。

猫メイドさんが判断を決めかねて数日経ったある日、
お嬢様が言いました。





「猫メイドさん、ごめんね。アタシなんかが猫メイドさんの
進路を妨害するなんて、どうかしてるよね…。
妹にはアタシから事情を説明しとくから…」

猫メイドさんは、お嬢様の心遣いに深く感謝し、海外留学する
ことを決心したのでした。

…駅には、発車ベルが鳴り響いています。
ホームには、空港に向かう特急列車が待機していて、
今まさに発車しようとしています。





「お嬢様、いつまでもお元気でいてほしいニャ…
もう乗らないといけないニャ」

猫メイドさんは、列車のデッキで小さく手をニギニギしました。
でも、その表情は、とても、とても辛そうでした。

「向こうに着いたら、絶対に連絡してね。絶対だからね」

尚もお嬢様は何かを伝えようとしていますが、無情にも
列車のドアは閉まってしまい、何を喋っているのか、
途中から聞き取れませんました。

列車は、お別れを惜しむかのように、ゆっくり、ゆっくりと
動き出しました。





お嬢様が泣きじゃくりながら、ホームの突き当りまで
猫メイドさんの姿を追いかけてくるのが見えました。

猫メイドさん夢オチシリーズ 


「ニャ!!!」

猫メイドさんは、ソファから飛び起きました。

「…。ニャ…夢…だったのかニャ?」





猫メイドさんの顔には涙が頬を伝っていました。

窓の外は夕焼けで、空が赤く染まっています。

「ヤバいニャ!もうこんな時間かニャ。お夕飯の買い物に
行かなきゃだニャ」

猫メイドさんがお財布を持って玄関に急ぐと、お嬢様の靴が
そこにありました。

お嬢様は、おしゃれ学園から帰ってきているようです。

猫メイドさんが、お嬢様のお部屋を訪れると、お嬢様はお勉強
の最中でした。





「どうして起こしてくれなかったのかニャ?」

猫メイドさんが、そう問いかけると、

お嬢様は、猫メイドさんを指さし、お腹を抱えて爆笑
しながらこう言いました。

「猫メイドさんったら何を着てるの?」





「ニャ!しまったニャ…」

「サイズ、合うかどうかはわかんないけど、
これからはアタシの服、気に入ったのがあったら
遠慮なく着てね」

猫メイドさんは、お嬢様にお仕えすることが出来て
本当によかったと、心から思ったのでした。

[おわり]


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ここまでご覧いただきましてありがとうございました。

ここでちょっと裏話をしたいと思います。

本来、おしゃ泥のアルバムって、カラン服なり課金服なり、
持っている服でなければアルバム撮影が出来ないので、
どうしてもアルバム物語で再現したいシーンがある場合は、
仕方なく課金したりしたものでした。
しかし、アルバムに保存ではなく、PCにコーデを保存する
場合は、課金しなくてもお友達からお洋服を拝借して撮影
可能なんですよね。
つまり、このサイトに引っ越しするに伴って、服装に関しては
演出の幅がグッと広がりました。(メイクやアクセなどは借りる
ことが出来ませんが)
持ってないお洋服で撮影したシーンについてですが、例えば、
GWが終わって妹さんが自宅から学校に出掛けるシーンの妹
さんの服は、私が持っていないお洋服でございまして、お友達
から借りて撮影させてもらいました。
この場を借りて、お洋服のご協力にお礼申し上げます。

それから、猫メイドさんがメイドさんらしからぬ行動をとるシーンが
ございました。
具体的には、猫メイドさんが、お嬢様のお洋服を失敬して寝てしまう
シーンのことですが、これは「メイド道を見失う猫メイドさん」という読者
アイディアを参考にし、夢オチシリーズに繋げる面白ネタとして
使用させていただきました。
面白いアイディアをご提供下さったかげのいばらさんには、
心よりお礼申し上げます<(_ _)>