くりはら田園鉄道

残念ながら2007年3月いっぱいで廃止となりました。
過去の姿を振り返るためにもこのページは残しておきます。
いつの日か、くりでんが復活する日を夢見て…

石越駅

2006.03.31訪問

のりかえ JR線
くりはら田園鉄道の始発駅です。このすぐお向かいがJR石越駅で、僅か2,3分で乗り換えが出来る距離にあります。
JR線とのアクセスの良さが、今日までこの路線が存続できた大きな要因でしょう。
かつては大勢の利用客で賑わっていたという栗原鉄道も慢性的な客離れは大変深刻で、いよいよ2007年には廃止となることが決まっています。

駅前にはくり鉄の観光マップも掲げられてありますが、すっかり色褪せてしまっていて、予算の深刻さが何となく伺えました。

観光マップを見る
何? 3月31日より運行開始ですと?
今日ぢゃないかッ! 偶然というのはあるもんですな。栗駒駅で生中継ということですが、今日は午後3時まで滞在する予定は立てていないので、残念ですが諦めるしかないです。
それにしてもエエ感じの建物でんなーしかし…。
駅舎は年季の入った古い木造なのに、今時の近代的なモダンな格好をした建物ってのが、まるで背伸びしたオコチャマちっくで何とも味わい深い…。
建てたばかりの頃はこの駅舎、きっと随分話題になったんでしょうなあ。
駅舎の中です。
懐かしい風景が広がっていますよ。昔は小さい駅とか、地方の大きなバスターミナルの待合室ってどこ行ってもこんな感じだった記憶があります。
木製の長椅子に広告が描かれているってのが当時の定番でした。
くり電の大きな駅には、このように本が置かれています。通称「くりでん文庫」といいます。
利用上の注意書きには、「ご利用は自由です。駅員に断る必要もありません」とあります。
石越駅には運転手以外に駅員はいませんし、それはまあ分かるとしても、「貸し出しもします。いつの日か必ず返してください」という文句は凄い。
本を返しに来たら駅舎ごと無くなってたら話のネタにしかならないぞ。
石越駅ホームは、始発着駅の風貌としては迫力に欠ける片側一線の小さなホームでした。
待合室には3人程客が居たんですが、結局下りの2番列車を始発駅から利用したのは私を含めて2人だけでした。


沢辺駅

2006.03.31訪問
屋根はトタン、壁は板張りで、ストーブの煙突と八木アンテナがある駅舎、沢辺駅です。
大正時代からの建物という駅舎は、山奥の分校か戦時中の村役場といった風貌で、ノスタルジックな雰囲気をより一層増幅してくれます。
ここは有人駅で、くり電グッズも扱っていました。
出入り口がサッシ化された以外に手を加えたような形跡は無いように見えますね。
駅の正面に横断幕が見えます。大口の利用客があると横断幕を掲げて見送ってくれるんでしょうか。さすが地方の鉄道です。

「みんなの足だよ栗鉄は 乗って残そう 孫子のために」
という横断幕に切羽詰った様子が伺えます。
沢辺は石越駅から6つ目の駅。全線のほぼ中間に位置する駅です。
駅前すぐに路線バスと高速バスの停留所がありますね。新幹線の「くりこま高原駅」にもアクセスしているようです。
駅を背にしてすぐ右手に、年季の入った観光マップが設置されていました。

観光マップを見る
さすがにトイレは水洗ですね。
まだ真新しい建物であるところを見ると、最近水洗になったばかりなのでしょう。
駅舎の中です。
待合室の壁はこの通りです。さすがに中は多少リニューアルしてありますか?
今やJRの小さな駅はB2のポスターが貼ってある程度の殺風景な駅が目立ち、寂しくて涙が出てきますが、地方の小さな駅というのは実に賑やかで生き生きしています。
こういう建物が捜せば僅かでも残ってるってコトが嬉しいですね。
来年には無くなってしまうってのが惜しいです。
ホーム側から見た沢辺駅です。
真ん中に貸し自転車があるのが分かりますでしょうか?
JRで言う「レンタサイクル」ってやつですね。でもこの日は風が強く、メチャメチャ寒くて借りる気になれませんでした。どうも私は遠出になると気候に恵まれないようです。
ちなみに線路を横切って、こちらから駅に行き来することも可能な造りになっているようです。進入禁止の立て札はありません。開放的です。
一番手前の線路は現在使用していません。
沢辺駅の見所はこれだけではなく、列車行き違い時のタブレット交換をいまだに見ることが出来ます。
さらに、ポイント切り替えはレバーによる手動式。
いや、これは信号機と連動かな?
ほら、信号機は腕木式だ。まいったか!

ここは現役の鉄道歴史館だよ。
駅前にお土産の売っている店が全然無かったため、少し歩いてみましたら、このような店を発見しました。
「銘菓 源氏蛍せんべい」
この辺りが源氏蛍発生地であることにちなんで命名されたんでしょう。
子供の男の子と女の子が蛍を追いかけている絵がほのぼのしています。
まだ早い時間で準備されていない様子だったので入りませんでした。

詳しくはこちらをどうぞ。
http://www.genjibotaru.co.jp/index.html
駅前すぐ近くに川が流れています。
三追川と言うそうな。
土手がちょっとした公園になっていて、ちょっと旅の休憩なんかするのにちょうどいい。
源氏蛍発生地は、このすぐ川下です。(観光マップ参照)

若柳駅

2006.03.31訪問
栗鉄の本社がある駅です。
「鉄子の旅」にも登場しました。
昔は大勢の客が利用したという栗鉄の中心駅も、今では日中でもこんな具合です。
駅舎は開業当時からのものです。改装されているようですが、基本的には当時のまま、と言えますね。
板壁を改装されているためか、遠くから見るとプレハブ小屋のようです。
すぐ近くに本社兼資料館がありますが、許可が無いと見せてもらえません。
駅前には小さな商店があり、パンや菓子の調達が可能です。遠路から来る鉄道ファンもしばしばこの店を訪れるんだとか…。
訪問ノートのような類は無いようなので悪しからず。
駅の中です。
基本的に沢辺駅の時と変わりありませんでした。
くりでんグッズも窓口で扱っています。
駅ホーム側から見た若柳駅。昔は駅員が改札業務をやっていたんでしょうが、今は硬券を駅で購入すると鋏がすでに入っているので、ここに駅員が立つことはまず無さそうです。
遠くに自転車が2台見えますが、これはレンタル用の自転車です。
遠くから眺めると、表も裏も沢辺駅と何ら変わりない形をした駅舎なのですが、それは沢辺駅と同じ設計図の駅舎だかららしい。
こちらは車庫というか、修理工場のようですね。
本日から運転となるバンデス号2両編成がスタンバっていました。記念セレモニーに駆けつけたのか、女性が花束を持って現れました。
このあと関係者を乗せて、バンデス号は運転開始セレモニーが行われる石越駅へと向かって回送されます。
2両での運転は当日限りで、現在は1両での運転のようです。
東北の駅百選認定駅。
廃線となったら百選の座は別の駅に譲られるのでしょうか?
現役を退いた車両が廃車されずに若柳駅の引き込み線に数多く留置されていました。


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