JRの列車形式について 

皆さんは電車や列車に乗って旅行をするとき、ふと列車の車体に書かれた謎の記号の羅列を見て、これは一体何の暗号なのかと疑問に思ったことはありませんか? 
このコーナーでは、そんな疑問を解決すべく、JRを例にとって、なるべくわかりやすく解説していきます。





新幹線の形式について

新幹線の形式は在来線と異なり、数字のみで表します。JR東日本の新しい車両には、形式の前に「E」がつきますが、数字の意味は他の新幹線の車両と基本的に同じです。それでは例を挙げて説明します。

例題328-14
百の位 十の位 一の位 ハイフンの後ろの数字
車両の系列 車内の設備 運転機能 設備の違いによる固有番号
なし…0系
1…100系
2…200系
3…300系
4…400系
5…500系
7…700系
E1〜4…E1〜E4系
1…一階建てグリーン車
2…一階建て普通車
3…一階建て食堂車
4…二階建てグリーン車
6…二階建て食堂車
7二階建てグリーン、普通車
1、2…運転室とモーター
    (制御電動車)

3、4…運転室あり (制
    御車)

5、6、7…モーターあり
      (中間電動車)

8、9…どちらもなし (付
    随車) 但し500
    系の518、528だ
    けは例外で、中
    間電動車
900番代…試験車、保守用車、牽
       引車

上の例で説明しますと、百の位が3なので300系新幹線、十の位が2なので一階建ての普通車、一の位が8なので付随車となります。ハイフン以下の数字は設備によって各番台が振り当てられます。
一の位の数字ですが、東海道、山陽新幹線では、1と3は博多向き先頭車、東北、上越新幹線では東京向き先頭車となり、2と4は、その反対の向きを示しています。
 5、6、7と、8、9は細かい搭載機器類の違いを示しています。





客車の形式について

 客車は電車のようなモーターも、気動車のようなエンジンも装備していません。動力を一切持っていないため、自分だけでは動くことが出来ず、必ず機関車に牽引してもらわなくてはならないという宿命にあります。

しかし、動力がないということは、そのぶん車内の騒音が少なく、静かということでもあり、寝台車はこの客車である場合がほとんどです。「ブルートレイン」と呼ばれる寝台列車も、この客車ばかりで編成されています。
しかし、走らせるためにはどうしても機関車が必要となり、牽引されるという性格上、電車や気動車にはかなわないのであります。昔は鉄道といえば客車が主流でしたが、今や鉄道の主役は電車であり、現在でも定期運用で走る客車列車は夜行のブルートレインだけとなってしまいました。

 客車の形式は、電車や気動車と同じように「カタカナ」+「数字」の組み合わせで表されますが、カタカナを構成する要素が電車や気動車と全く異なります。なお、車両の形式(用途)の後の固有番号の前にハイフンが付かないのは、客車自体の歴史が古いため、古い形式の名残りが残っているからでしょうか。

それでは例に従って説明します。

例題オハ24 302
先頭のカナ 真ん中のカナ 後ろのカナ カナの後ろの数字 後ろの数字
車体の重量 車内の設備 緩急車か否か 形式と使用の用途 固有番号
ナ…27.5d以上32.5d未満
オ…32.5d以上37.5d未満
ス…37.5d以上42.5d未満
マ…42.5d以上47.5d未満
カ…47.5d以上
(定員の乗客が乗ったと仮定した状態で)
ハ…普通車
ハネ…B寝台車
    (ネは寝るのネ)
ロ…グリーン車
ロネ…A寝台車
ニ…貨物車
ヤ…電源車、試験車
エ…救援車
フ…緩急車 (フはブレ
   ーキのフ)
無し…以外
12、13…12系(電源を分散す
      る急行用)
14、15…14系(電源を分散す
      る特急用)
24、25…24系(電源を集中す
      る特急用)
E26、E27…E26系(電源を集
        中する特急カシ
        オペア専用客車)
50、51…50系(一般用)

これらを基に上の形式を調べていきますと、先頭のカナは車体の重量を示しています。「オ」なので、乗客が定員まで乗ったと仮定した状態で32.5d以上37.5d未満の車体重量であると分かります。

 続いてのカナは「ハ」です。「ハ」の場合に考えられるカナの綴りは「ハ」と「ハネ」です。今回の場合、「ネ」は付いていないので普通車であることがわかります。

 さて、次にはいきなり「24」という数字が来ています。「フ」の記号が見当たりません。これは緩急車ではないという意味になります。つまり、ブレーキの設備はなしという意味に捉えてよいと思います。

 余談ですが、客車には電車や気動車と違って運転室がないため、ブレーキをかけるのは基本的に機関車の役目となります。しかし、機関車の連結や交代、切り離しが必要なときなど、客車だけで停まっている時のためのブレーキがどうしても必要です。その設備を備えているのが「フ」という記号のふられた車両で、必ず編成に組み込まれていなくてはなりません。ですから、客車列車を見つけたとき、車体の形式を先頭から最後尾まで一両一両追っていくと、必ず「フ」の記号がどこかにあると言えます。

 話をもとに戻しましょう。 カナの後ろの数字が「24」なので、そのままの意味で24系客車だと分かります。24系客車は基本的に特急用車両ですが、客車全体の需要も供給もなくなった現在では、急行用、特急用という厳密な分類はされていないのが実情で、急行に特急用客車が使われたり、快速列車に急行用客車が使われたりします。





電車の形式について

 今や鉄道を代表する車両といえば、この「電車」をおいて他にありません。 かつては「汽車」と呼ばれることが多かった鉄道ですが、今ではその代名詞も「電車」にとってかわっています。

 世の中の電気に直流と交流があるように、電車にも直流と交流があり、使われる電圧も地方や場所柄によって規格の違いがあり、色々とややこしいのもまた電車です。

 ここではその電車の形式を例を挙げて説明していきたいと思います。

例題クモハ115-2002
先頭のカナ 後ろのカナ 三桁数字の先頭 三桁数字の真ん中 三桁数字の最後尾 ハイフン後ろの数字
運転の機能 車内の設備 電気の方式 使用用途 デビュー順 固有番号
ク…運転室付き(制御車)
クモ…運転室、モーター(
    制御電動車)
モ…モーター付き(中間電   動車)
サ…何も無し(付随車)
ハ…普通車
ロ…グリーン車
ハネ…B寝台車
ロネ…A寝台車
シ…食堂車
ユ…郵便車
ニ…荷物車
ヤ…試験車など
ル…配給車
1〜3…直流
4〜6…交直流
7、8…交流
0…通勤型
1、2…近郊型
3…通勤、近郊の両用
5〜8…特急、急行型
9…試験車
デビューした順に二つの数字が振り当てられる。

(例)115系→5と4

 まず、先頭のカナから見ていきましょう。クモハ115の先頭のカナは「ク」です。つまり運転室の設備があるということがわかります。さらに「モ」という記号が続いているので、この車両にはモーターも装備されているということになります。実際に乗車してみると、発進時にモーター音がハッキリ聞こえてくるのでそれでよく分かると思います。

続いて一番後ろに「ハ」の記号があります。「ハ」は普通車を示すので、この車両は普通車ということになります。
 まれに普通車の一部にグリーン車が含まれる場合もあります。1つの車両に2つの用途がある、そんな車両を「合造車」と呼び、その車両が付随車だった場合の記号は「サロハ」となります。

 次に数字を見ていきましょう。最初の三桁の数字の先頭を見ると、「1」です。「1〜3」は直流方式ということになります。その次の数字も「1」です。ここでは使用用途を表しているので、「近郊型」だということがわかります。
最後の数字は「5」です。これらの条件から、この電車は「115系」ということになり、デビュー順から推察して、「113系」の後にデビューした車両、ということになります。
さらにその後ろのハイフンを挟んで、固有番号がつきます。固有番号は、例えば同じ115系でも改良された種類ごとに大まかに「1000番代のグループ」「0番台のグループ」というように番台分けされ、主にそのグループ同士で編成が組まれます。 





気動車の形式について

 気動車、すなわちディーゼルカーとは、電化されていない路線を中心に活躍する車両で、燃料となる軽油を自分で持ち運びながら走行します。つまり、線路の幅さえ合っていれば、どんな路線へも入っていけるという、電車には真似の出来ない長所があります。
 JRの気動車の形式も「カナ+数字」という組み合わせで成り立っていて、JRの在来線の電車とほぼ同じ解釈の仕方で形式を読み取ることが出来ます。
 気動車の形式の最大の特徴は、一番先頭に気動車であることを示す「キ」の文字が必ず付くことです。運転台があろうが無かろうが関係なく、エンジンがついていれば「キ」ですので、解釈が大変楽です。但し、気動車には全ての車両にエンジンがついているのが原則なのですが、ごくまれにこれが付いていない車両もあるらしい…。私は見たことありませんけど。そんな場合にだけ「キ」の次に先頭車なら「ク」、中間車なら「サ」と、電車と同じ法則で表記されることになります。
 それでは例題を挙げて説明します。キハ80系のように現役を退いているものは省略しました。

例題キハ58 755
先頭のカナ 後ろのカナ カナの後の数字 型式から後ろの数字
運転の機能 車内の設備 使用の用途 (型式) 固有番号
キ…エンジン
キク…運転台のみあり
キサ…どちらもない
ハ…普通車
ロ…グリーン車
ヤ…試験車など
20番台…一般、急行型1エンジ
      ン車
30番台…通勤型
40番台…一般型1エンジン車
50番台…一般、急行型2エンジ
      ン車
60〜70番台…急行型出力増強
         車
110〜150番台…一般型
180、280番台…特急型
キハ40型やキハ58型のような古い気動車の場合、固有番号の前のハイフンは省略されていることが多い。

 まず、先頭のカナから。一番初めが「キ」なので、エンジンのついた気動車であることは明らかです。続くカナが「ハ」ですので、その車両は「普通車」となり、在来線の電車と解釈の仕方は一緒です。つまり、「キロ」なら、エンジンのついたグリーン車、「キサロハ」なら、エンジンも運転台も装備していない車両で、グリーン室と普通室のある合造車ということになります。昔は「キサシ」という食堂車の設備もありましたが、今は無いので割愛。
 設備の記号のあとに数字が続いています。ここの数字で用途を読み取り、型式を判別します。例題は「58」なので50番台の58型を示し、これは旧国鉄から引き継いだ58系急行型気動車なのですが、現在でも急行としてこの車両を使っているのは急行「みよし」だけであり、ほかは格下げされてデッキを撤去するなど改造を施し、普通列車として扱われているので、20番台、50番台に関しては一般型と急行型の区別は、かつての歴史を振り返る時以外は必要無さそうです。
 ちなみにこれが「75」ですと「75系急行型気動車」ということです。
 続いてハイフンがついて固有番号が続くのですが、古い型式の車両にはハイフンが無いこともあります。





専門用語について

 このページには鉄道入門者にやさしくない専門用語が多く出てきますので、ここに少し説明を加えておきますので参考にして下さい。間違いや、指摘、分からないので載せてほしい専門用語などありましたら掲示板の方へバシバシ書き込んでください。

グリーン車
列車の車体側面などに四つ葉を模ったような緑色のマークがついていることがあります。そのマークがグリーン車であることを示しています。普通車に比べて座席や車内のサービスが充実していて、別の呼び方で「特別車両」とも言います。
設備は列車によって様々で、新幹線などには個室もあります。A寝台も、B寝台に対するグリーン車的な扱いと言えます。
 グリーン車には指定席のほか、普通列車には自由席も存在し、どちらの場合も普通乗車券だけでは乗車出来ません。必ず「グリーン券」という料金券を別に買う必要があります。定期券、回数券、企画券との併用が出来ないことが多いので、併用したい場合は窓口などで確認する必要があります。
 また、グリーン料金の計算が普通列車と特急、急行とで違うのも特徴。
一般的な座席指定料金とは違い、乗車距離に応じてグリーン車の利用料は上がっていきます。一定距離を超えてからはずっと同額というのは特急料金と似ています。
 昔は一等車と呼んでいました。
近郊型通勤型

座席
 通勤型車両の座席は「お見合い型」と言われるように、線路に平行になるように座席が並んでいます。このような座席を「ロングシート」といいます。深夜の酔っぱらいが寝台として利用していますが、寝台料金はかかりません。
 それに対し、出入り口付近は線路に平行に座席が並び、車両の中程だけ線路に対して直角になるように座席が配置されている車両を近郊型の車両といい、このような座席を「セミクロスシート」などと呼ばれています。主に首都圏から離れたローカル線に多く見られる座席配置です。
 全ての座席が線路に対して直角に並ぶような座席配置を「クロスシート」といいます。
 「クロスシート」の中には背もたれを倒して座席の向きを入れ替えることが出来るタイプのものが出てきました。これを「転換式クロスシート」といい、それに対して座席を180度回転させて座席の向きを変えるものを「回転式」といい、特急列車などに多く見られます。

参考文献  よくわかる鉄道知識 (イカロスMOOK)



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