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真直ぐ代々木ビルの屋上にあった学生援護会に向かった。
以前と違いすっかりビルがさびれていた。階段を見上げると真っ暗、まるでお化け屋敷。
そこですぐ方向転換すればよかった。こんなビルなのに一階が不動産屋。ドアを少しだけ開けたら人がいた。
聞くと部屋のど真ん中に赤い公衆電話があり、「援護会は引っ越したよ。電話すれば?」と言いながら、
十円玉をいくつか入れる。電話が終わるとその間に書いたのか、メモを渡され、
「落ち着いたらここに電話して。ゴーゴー踊りに行こう」 ゴーゴーには興味ないし。
それにしても二・三人は子供がいそうなのに「気の若いおじさん」と思ったが、儀礼上バッグに入れた。
結局、駅で拾った新聞でその日から住み込みで働けたが、一人だけいた店員が交代で辞めて、つまらないから情報誌で
もっと楽しく働けるところを見つけた。アパートとデッサン教室も決まって張り切っていた一年半だった。
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